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カタログを持って異世界に行こう!  作者: 天野 洋
二章 イスカの街編
29/68

黒猫の庭 5

「さてと朝になったし、レベル上げ兼ポイント集めを頑張ろうか」


「そうですね、邪魔者は消しましたし、効率的にできそうですからね」


「そうだね、また昨日と同じ様なことが起こるかもしれないと思うと、人助けする気も無くなったからね」


「大斗のことですから目の前で同様に魔物に襲われている人が居たら、また助けそうですけど」


「う、そう言われてもねえ」


 目の前で困っている人がいたら助けるのは当たり前だと思うんだけど。

 俺何か間違っているかな?

 そりゃこの世界は元の世界に比べて騙されることは多いと思うけど。

 健全な日本国民として育ったのだからその辺考慮して欲しいんだけど。

 俺がじっとコンを見つめると、コンはため息を吐いて。


「また騙し打ちのようなことがあっても私がどうにかしますから、大斗は何も考えず人助けをしていいですよ」


「おお、さすがコン様。でも俺も少しは考えているよ、今回の件だって彼らが襲ってくることを考慮してなかった訳ではないし、その証拠にあの時ちゃんと起きてただろう?」


「まあ、確かにそうですが……ですが大斗は甘いですし、抜けてるところもあるんですから信用なりません」


「コンだって昨日は毒耐性Lv3の存在を忘れていた癖に」


 俺がぼそっと言うと、コンがぎょろりと睨んでくる。


「何か言いましたか?」


「いや、何も言ってないよ~」


「それじゃあさっさとレベル上げに行きますよ!」


 そう言ってコンはさっさと歩きだしてしまう。


「ちょ、ちょっと待ってよ。今日の予定は俺が立てているから、その話をしてないから!」


 俺は急いでコンの後を追う。



「それで今日の予定とはなんですか?」


「ああ、それなんだが昨日の一件で良いこと思い出してな、俺も昔ダンジョン系のゲームでよくやった効率的なレベル上げの方法をしようと思うんだ」


「それってゲームでの話でしょう? リアルとゲームをごっちゃにするのは良くないですよ」


 コンは俺を懐疑の目で見てくる。

 コンめ、俺の事全然信頼してないな。

 いや、俺の普段の行動を思い返してみるとコンが信頼してないのも分かるような気がする……ってそうじゃない。

 それにこれは昔からある有名なレベル上げの方法なんだぞ!

 まあ、多少レベルが高くて複数の敵を相手にしても余裕で対処できないと死ぬ羽目になるんだけどね。

 今の俺たちにとってはここの敵なら十分条件に当てはまる。

 昨日あれだけの数の魔物を銃を使わずに無双できてたしな。


「コンいいから俺の話を取り敢えず聞くんだ。その方法とは召喚トラップを使ったレべリングだ!」


「大斗、レべリングってなんですか?」


「そこかよ!」


 たく、俺がカッコよく説明しようと思ったのにいきなり止めないでくれよ。

 てかコンはレべリングも知らないのか?

 そういえばレべリングってゲーム用語だっけ?

 ゲームしたことのない人にとっては分からないか。

 仕方なくコンに説明してあげる。


「レべリングっていうのはゲームとかで敵を倒して、レベルを上げる作業のことを言うんだ」


「ふ~ん、そうなんですか」


「それじゃあ話を続けるぞ、召喚トラップを使ったレべリングというのは召喚トラップを踏み、敵を召喚し殲滅する、そしてまた召喚トラップを踏み敵を召喚して殲滅するということを何度も行うレべル上げの方法なんだ」


「それって召喚トラップが一度しか使えない場合は駄目じゃないですか?」


「ふふふ、その点は抜かりないのだよ。昨日コンは彼らが魔物に追いかけられている原因は召喚トラップだと言っていたね。つまりコンは彼らが逃げて来た方向に召喚トラップがあることで推測したはず、もし一度しか発動しないタイプのトラップなら、一度発動すれば消えるはずだから、発動した後もその場所にあるということは何度も発動できるタイプの物だと分かるのだ!」


 俺が素晴らしい演説を終えるとコン果てしなく微妙な顔でこちらを見ていた。


「大斗、どうしてそんな洞察力を無駄な所で発揮するんですか」


 無駄な所ってなんだよ!

 無駄な所って!

 いや、まあ俺も薬草採集の失敗はかなりアレだったと思うけど。

 あの時は超自信有ったんだけどな……。


「なぜ薬草採集の時にその洞察力を発揮しなかったのか、悔やまれます。私もなぜちゃんと確認しなかったのかと後で後悔しましたが、あの時はあまりにも大斗が自信満々だったから……」


「ぐぐぐ」


 やはりその話を持ってくるか。

 だってヨモギのそっくりさんが近くに生えているとは思わないじゃん!

 この世界の物が無駄に俺の世界の物と無駄に似ているから悪いんだよ!

 俺は責任転嫁をしつつ、話をどうにか元に戻す。

 このまま、話が続けば愚痴を延々と言われそうだからな。


「とりあえず、召喚トラップの場所まで行こうぜ! 俺の考えた最強のレべリングをしようぜ!」


「最強のレべリングって……それと召喚トラップが一度しか発動しないけど、そのままそこにある場合はどうするんですか」


「…………」


「考えてなかったんですね、相変わらずどこか抜けてますね」


「だって俺のやったダンジョン系のゲームだとトラップは何度も発動できる仕様のものばっかだったんだもん、それ以外の仕様の可能性なんて考えているわけないじゃん!」


「逆ギレですか、相変わらずですね」


「うるさい! とにかく召喚トラップのとこまで行くぞ、実際に行って確かめないと事実は分からないんだから」


「はいはい、分かりました」


 そう言って先導していくコンの後を俺は追って召喚トラップのとこまで歩いて行く。




「大斗、着きました。そこの先に召喚トラップがあります」


 1時間ほど歩いてやっとコンは立ち止り、トラップがある方を示す。

 俺は早速コンの示す場所に飛び乗り、召喚トラップを発動させる。

 すると周りに魔物達が召喚され始めた。

 さてやりますかね!

 俺はグラディウスを抜きつつ召喚され周りをきょろきょろしている魔物斬り伏せる。


「コン、援護頼むぜ!」


「はいはい、分かりましたよ」


 俺たちは魔物狩りを始めた。




 結論から言うと俺の考えた召喚トラップのレべリングは普通にできた。

 10回目にして召喚トラップは消えたが、1回に現れる魔物の数は20程度、それを10回だから200匹の魔物を効率的に倒せたのだ。

 はっきり言って超美味い。

 このダンジョンで纏まって動いている魔物はいるが、せいぜい数は5~10匹程度でひどいのだと単体だ。

 この方法がマジで美味いということが良く分かるだろう。

 まあ、普通の人は20匹もの魔物を同時に相手に出来るわけないから、こんな方法を取るわけないが、俺とコンならこの程度の魔物は余裕だからな。

 ポイントの方もガンガン増えている。

 ここの魔物のレベルは10~15程度なので大体のポイントは30~50ポイントだが塵も積もれば山となるわけで……マジ美味しいっす!

 そういえばよく考えると俺の世界での知識が役立ったことって初めてじゃね?とか思いつつ、ほくほく顔で次の召喚トラップへと急ぐ。


 今日は一日中召喚トラップでレベル上げというか大量のポイント取得を目指す!


現在のカタログポイントは42029となっています。


大斗の変態度について色々な意見をありがとうございます、大斗の変態度は作者的には節度を持った変態道を進んでいく感じになると思います。


作者はド変態なのでそこら辺は心配ないと思います。


 それともうすぐ総合評価ポイントが1万ポイントに届きそうなので、お祝いに1万ポイントになった日の投稿は3話纏めての投稿をします。お気に入りに入れてくれた方や評価してくださった方はほんとうにありがとうございます。


 これからもカタログ異世界をどうかよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
[一言] リアルのヨモギにも、そっくりさんは居ますけどね。 確か葉を裏返して白い毛が生えてるかどうかで判別できたハズ
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