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第1章 その① ~はじまりの予感~

見渡す限りの広い平原。遠くには、うっすらと山々が囲んでいるのが見て取れ、ところどころ先が見えない崖と思しき場所や、丘のような情景が見て取れる。

時おり春先のような爽やかな風が、野草を撫でながら駆け巡るその平原で、軽鎧(けいよろい)に身を包んだ青年が一点を見据えたまま座り込んでいる。


「しまった…あの街、結構遠かったな。まぁいっか。ゆっくり進もっと。」


そう呟く青年は、背中に担いでいた真紅色(しんくいろ)両刃(りょうば)剣を目の前に置き、左腕に付けた少し幅広な金属のバングルをさわり始める。


機械的な音が鳴ると共に、バングルから放たれた薄グリーンの光の筋が、目の前の空間に半透明なディスプレイを形作る。


空間に表れたディスプレイの画面には、複数のアイコンやメニューが表示されており、左手の指でアイコンをタッチしながら、次々と現れるメニューを右手で操作していく。すると、画面右側にペンのようなものが表示されて浮かび上がり、それを手にした青年。


「次はこれにしよっかな。」


そう呟くとともに、スケッチブックのようにまっさらになった画面にペン状のものを当ててスラスラと走らせる。


瞬く間に描かれたのは、日本刀とも西洋刀とも言えない独特の形をした片刃(かたは)の長剣。


その姿は、刃側は日本刀のような鋭い切先(きっさき)から始まり緩やかな曲線を描きつつ、(つば)の手前で引き締まり、鋭い一山ののこぎり刃を形作っている。

(みね)側は、(つば)に向かって刃幅(ははば)が広がりながら、波が押し寄せる様な三山を鋭角に形成。

左右に伸びた長めの(つば)の中心と柄頭(つかがしら)には、一粒の宝玉(ほうぎょく)があしらわれている。


「よし。次は…何色にしようかな。」


表示された長剣に色を付けていく。


「できた。これで変換(コンパイル)っと!」


ボタン状のアイコンをタッチすると共に画面の表示が切り替わり、中央には作業の進行状況を表すバーが表示され、0%から100%に向かって進んでいく。


そして、先程とは違う音と共に完了の文字が表示された次の瞬間、画面上には立体的に成形された長剣と、それを製造するために必要な素材一覧などが映し出される。


「お!こいつもなかなか強そうだ。やっぱ俺天才かも♪」


「この素材は…全部揃ってるな。よし、実体化(サブスタ)っと!」


バングルから、加速するような静かな高音が鳴るのに合わせ、画面には“Substantiating...実体化あと1分”と、進行状況を示すバーが表示される。


その画面を静かに見つめながら待つ青年。


すると突如、遠くから轟音と振動を響かせ、牛の頭をした巨大な人型の怪物が、身の丈ほどあるまた巨大な斧を片手に持ちながら、青年めがけて向かってくる。


「きたきた!」


青年はその状況にまったく動じず、立ちあがり際に置いていた真紅の両刃剣を右手で握りしめ、勇猛果敢に怪物目掛けて突進していく。


そしてその最中、右手に握りしめていた真紅の剣が光り初め、持ち手から形状を変えていく。


形状がまだ変わり終わらないまま怪物の間合いに入りそうになる青年めがけ、振り上げられた怪物の巨大な斧が襲いかかる。


青年はその間合いを見切っていたかのように、直前で大地を力強く踏み締めて空高く飛び上がり、振り下ろされた斧は(くう)を裂き轟音と共に地面へと打ち刺さる。


あっという間に怪物の背丈を超えて高く跳躍した青年は、光り輝く太陽を背に、すでに完成した長剣を両手で握りしめ、怪物の頭上めがけて振り下ろす。


「悪りぃけど!お前なんか一撃だぁーーーーーーー!」


――


「タケル!タケルー!早くご飯食べないと学校遅刻するわよ!」


「はーい!て、あ、やっぱ一撃か。ていうかこいつじゃ試し切りにもなんないな。帰ってからパーティー組んで大龍ティアマットにでも挑んでみよっと。にしても、また強い剣を作っちゃったぜ。」


頭にはヘッドセットマイク、両手には指だし手袋のような装着式のコントローラーを付け、右手にはシンプルな剣のような形をしたプラスチック製の物をもった少年が、軽鎧の青年と倒れた怪物が映し出されているテレビ画面の前に立って見つめながら、少しニヤけた顔でそう呟く。

そして、画面に映し出されているそのゲームを終了し、剣状の物を置いてヘッドセットやコントローラーをはずし早々と身支度をして、階段を駆け降りる。


少年の名は、サトウ タケル。


この物語の、主人公である。


――


階段を下り、朝食が用意されたテーブルの席についたタケルに、母が声をかける。


「あんたまたゲームしてたの?その早起きをたまには勉強に使いなさいよねまったく。」


「はーい。明日はそうしますぅ。」


「嘘ばっかり。あなたもたまには言ってやってよね。」


背もたれに思いきり体重を預けながら、豪快に新聞を広げ黙々と読みふける屈強な体をした父に、母が投げかけた。


「おいタケル。」


新聞で顔が隠れていて表情は読み取れないが、何やら威圧するかのような野太い声が響いてくる。


「勉強しねぇと…俺みたいになっちまうぞ♪」


「ちょっとあなた、やめなさいよそういう言い方!そんなだからこの子が勉強しないんじゃない!まったくあなたって人はガミガミガミ」


「…。」


(お父さん怒る時の母さん怖ぇ~…大龍一撃だろ絶対…)とでも言いたそうな顔でタケルは苦笑いを浮かべつつ、いつもの席に兄の分の食事がない事に気づいて母に質問をする。


「あれ?お兄ちゃんは?」


「え?あぁ朝課外だって、もう学校行ったわよ。あんたもお兄ちゃん見習いなさい。」


「うへ~、高校ってそんな厳しいの?行きたくないなぁ、今でもキッツいのに。2年後、高校がなくなってますようにっと。」


「何いってんのよもう。早く食べて学校行きなさい!」


「はーい。」


タケルは、そう返事すると黙々と朝食を食べ始めた。

すると、ふと、テレビのあるニュースに目がとまった。


テレビでは、画面左に立っているキャスターが、迎えの席に座っている数人のコメンテーターに向かって、話しかけるようにニュースを伝えている。


“――1年前の2021年7月、世界各地で14人が次々と行方不明になるという事件が発生し、一時インターネット上で話題になったのを、皆さん覚えておいででしょうか?


この事件は、行方不明者全員が直前まで自室にいたことが確認されており、突如としていなくなったと考えられた不可解なものでした。


また、不明者同士の接点はなく、日時も国もバラバラだったこともあって謎は深まり、現在も誰一人として見つかっておらず、未だ解決に至っておりません。


当初この14件の行方不明事件は、まったく知られることなくそれぞれの地域で未解決事件として終わるはずだったのですが、複数の人が書き込んだある内容のブログが発端となってインターネット上で話題となり、世間でも知られることとなりました。


そのブログの内容ですが…まずはこちらをご覧ください。”


フリップボードを出し、貼りつけられた大きな1枚の写真をさしながら説明を続けるキャスター。


“皆さんこのゲームをご存じでしょうか?

今や全世界の家庭に普及しているSintendo(シンテンドウ)の体感型ゲームハード「CONECT3(コネクトスリー)」の専用ゲームソフト、「FinalWeaponファイナルウェポン」です。”


そう説明するキャスターに向け、若い女と男のコメンテーターから声があがる。


「あ、私やってますそれ。キャラクターの服とか自分でデザインできちゃうんで面白いんですよ。」「僕も遊んでます。」


説明を続けるキャスター。


“お二方はご存じのようですが、説明しますと、このゲームはインターネットを通じて他のユーザーとゲームの世界を一緒に冒険して楽しめる、いま世界で最も流行っているオンライン・ロールプレイングゲームです。


なぜこのゲームを紹介したかといいますと、実は行方がわからなくなっている14人は全員、このゲームのコアなユーザーだったということが、先程のブログから判明したんです。


というのもそのブログには一様に、前日まで一緒に遊んでいたゲーム内の友人が、行方不明のニュースが流れたその日から突然現れなくなったそうで、知っていた地域と年齢を照らし合わせてどうやらその友人じゃないのか?という書込みをしていたそうなんです。


それが複数書き込まれていたことからインターネット上で話題となり、その後の捜査で事実であったことが判明してからは一層騒がれ広がっていったのです。


そしてなぜ今回この事件をお話したかと申しますと、先週と一昨日に、東京都新宿区と大阪府大阪市、福岡県北九州市で起きていた3件の行方不明事件ですが、その後の捜査でこのファイナルウェポンのコアなユーザーであったことが判明し、ある噂が立ち始めているのです――”


――


続けられるそのニュースの話を、お皿を洗いながら片手間に聞いていた母が、ふとタケルに尋ねる。


「ファイナルウェポンって…あなたがやってるやつじゃない?」


「そうだけど。まさか今の気にしてんの?大丈夫だって、関係あるわけないじゃん。偶然だよ偶然。行方不明にどうやってゲームが関わるんだよ。それに世界中で流行ってるゲームなんだから、たった14人って。あ、今回ので+3人か。ま、たまたまだよ、た・ま・た・ま。ごちそうさまーっと。」


そう言いながら、勉強の話に切り替わるのを警戒してか、まだ少し残っている食べかけのパンを急いで口に詰め、そそくさと玄関に向かうタケル。


「ひっへひふぁーふ!(行ってきまーす!)」


「あ、ちょっと!…」


まだ話し足りないかのように何かを言おうとする母だったが、その声にかぶせるように父の野太い声が聞こえる。


「おいタケル!…精一杯、遊んでこい♪」


「あなた!」


父が得意げな顔で親指を立てながら母に(はた)かれる姿を尻目に、タケルはニヤけながら足早に玄関へと向かう。


「あ!」


靴を履こうとした直前何かを思い出したのか、二階の自室へと駆け上がり、床に置いてあったノートを手に取り今度こそ玄関を出て行くタケル。


――

「おはよー」「おはよう!」「おっす!」


夏の暑い日差しが照りつける中、登校してきた多くの生徒たちが、友人や校門に立つ先生と明るく元気な挨拶を交わし合っている。


ここは、タケルが通う中学校。


普段通りの時間についたタケルが教室に入る。と同時に叫ぶ。


「おはよーっと!できたぜ、新作!」


「おはよー!」「マジで!」「見せて見せて!」


タケルの机に駆け寄ってくるクラスの友人達。


「今回の新作はこちら !」


そう言うとタケルは、家を出る直前に手にしたノートを机の上に広げ、一枚一枚めくりながら見せて行く。


「うおー!」「すげぇー!」「やっぱ上手いなぁ」「カッコいい~」「めっちゃ強そう…」


そのノートを見ながら、周囲から様々な称賛の声があがる。

羨望の眼差しで魅入る友人達に、描かれたものを説明していくタケル。


「この小剣は、シャルティーニ。雷状の刃が特徴で、たぶんコンパイルすると雷の属性がつくと思う。」

「この長剣は、名前はまだ決めてないんだけど、なんか金持ちになれそうなアビリティがつくかも。」

「これは、ごめんもう既に朝から作っちゃった。長剣ミンストレルテイン。」

「そしてこの邪悪そうな大剣がバルマムンド。気持ち的には闇属性なんだけど…神聖属性になりそうな予感もするなっと。」


そこには1ページごとに、細長い雷状の刃をした小剣や、高貴な雰囲気を醸し出すスマートな両刃の長剣、先ほどのゲーム内にも登場した片刃の長剣や、いびつで禍々しい感じだがどこか神秘的で吸い込まれそうになる幅広刃の大剣、他にも鎧や盾といったものが描かれており、その一つ一つに、全体像はもちろん切先から見下ろすような俯瞰図、別々な角度から見たものなど細かい描写も付け加えられている。


そのイラストは、とても中学生が描いたものとは思えない出来栄えで、細かいところまで緻密に描き込まれており、その場に実際にあるかのような立体感や金属の独特の質感が伝わってくるほどのものであった。


タケルの説明を熱心に聞き入る友人達の後方から、また一人近づいてくる。


「おはよ~っす。」


「あ、おはよーユウト。めずらしく遅かったな。」


少年の名は、シバサキ ユウト。


この物語の、もう一人の主人公である。


「ちょっとテレビ見ててな。お、新作か!かぁ~また強そうなんばっか。相変わらずいい仕事してるわ~。」


「お客様のおかげですよっと!」


そう答えるタケルがニヤけた顔で話を続ける。


「それでは皆さんお待ちかねの……小剣シャルティーニ、10円からっと!」


そう発した直後、タケルの頭が(はた)かれ軽快な音が教室に響いた。


「だ・か・ら、商売すんなってのアンタは!」


「イって!…あ。」


振り向いたタケルが、(はた)いた少女を見て苦笑いしながら答える。


「…んだよマイ。今日はやけに早いじゃんか。」


少女の名は、ミヤモト マイ。


この物語の、ヒロインである。


「今日は弟二人が出て行くの早かったの。ってそんなことはどうでもいいから。今またなんか売ろうとしてたでしょ!」


「いや…えっとこれは……そうそう、個展を開いてたんだよ。」


「な・に・が、個展よ!ファイナルウェポンのアイテムの現金取引は禁止されてるでしょ!」


「ちがっ、これはあくまで作品売ってるだけだから問題ないって!画家と一緒だよ画家と!」


「つべこべ言わない!おばさんに言いつけるわよ!」


「あ、いや、それだけはちょっとマズいかなっと…」


「そもそもあなたたちも買わない!ゲームにそんなお金使ってどうすんのよまったく!ガミガミガミ」


周りの人間にも飛び火していくマイの説教の最中、いつの間にか少し離れてその様子を眺めていたユウトが、間に割って入る。


「お二人さんは今日も熱いねぇ~」


そう言われるて息の合った返答を返すタケルとマイ。


「はぁーーッ!?」


「あ、いや、そんなに怒んなよ…ハハ、冗談冗談。ところで、そんな怒りっぽい2人もブルブル震えちゃう取って置きの話があるんだが…」


「またはじまったよ~ユウトのオカルトーーク!もういいって!」


そういって笑う友人達。


「いやいやそういうなよ今度のはマジだって!」


「はいはいわかったよ。で、今度のはどんな話?」


「恐怖の……後頭さん……。」


「はいダメぇー、全然コワそうじゃない!」


またも爆笑する友人達。


「いいから聞けってば!ここからだよここから!今日のニュース見たヤツいるか?ファイナルウェポンが関わってるって言う行方不明事件の話。」


「いや見てない」「俺も」


どうやら登校時間が早かった生徒は見ていないようだったが、そこでタケルが答える。


「あ、俺それみた。1年前に世界中で突然行方不明になった人たちって、全員ファイナルウェポンの高レベルプレイヤーだったっていう話でしょ?全然知らなかった。」


「そうそうそれ。でな、最近ほら、日本でも起きてただろ、3人行方不明の事件。その人たちもファイナルウェポンの上級プレイヤーだったみたいで、世界中で起こった行方不明事件と似てるんだと。」


最初の反応とは打って変わり、聞き入るタケルとマイと友人達。話を続けるユウト。


「でな、少し前にファイナルウェポンの噂でこういうのが流れてたの知ってるか?

ある場所で極稀に、プレイヤーキャラやノンプレイヤーキャラ、モンスターとも違う感じの妙な半透明のキャラクターが出現して“これ、欲しくないか?”ってしつこく聞いて追いかけて来るっていう…。で、そのまま逃げ続けると今度は、画面に向かってくるっていう…。」


少し身震いをする友人も出始める中、淡々と話を続けるユウト。


「でな、逃げずに「いる」って応えると…ちょっと借りるぞタケル。」


そういいながら、タケルのノートの端に“g0toUSaN.exe”と書き込んでいくユウト。


「これが“ゴトウサン”って読める事からそう言われてるらしいんだけど、パソコン用のファイルを置いて消えちゃうんだと。そしてそのファイルをパソコンに移して実行した後、画面に背を向けて、ヘッドセットマイクで“後頭さん…後頭さん…私を冥界へ連れて行って下さい…”と唱えるとぉ…」


と次の瞬間。


「うわぁーーーーー!」


いきなり友人の一人が大声を出し周囲を驚かせ、全員が一斉に体を強張らせる。


「お、おま、脅かすなよ!!全力でハタくぞ!マジで!!」


と、この手の話題に弱いタケルがあわてふためいた顔で、驚かした友人に向かって言い放ち、その姿をみた周囲は爆笑の渦に包まれた。そしてまた、ユウトが話を続ける。


「おいおいオイシイとこもってくなよ~。…でだ、そう唱えると…画面から…こう両手が伸びてきて、後頭部を……ガシィッッ!!っと掴まれてそのまま画面に引きずり込まれる…ってさ。」


先程の爆笑もつかの間、また一瞬にして場が凍りつく。


「今回のは…ユウトにしては怖かったな…。」


と、一人の友人が話し、満足げにユウトが答える。


「だろ?」


そしてさっきの驚きをまだ引きずっているタケルが引きつり顔で話し始める。


「ハハ、ん、んなわけないじゃん。どっからそんな話きいてきたんだっての。おれ一応、ファイナルウェポンで五本の指に入るクリエーターだぜ?そんな話あったら知ってるって!」


「…だよなぁ。実はこれ、全部今朝のテレビで言ってた事。あれ絶対ねつ造だよねつ造。話題作りに脚色しただけだな。って……俺も最初思ったわけよ。ところがだな…。」


「は?どうしたっての?」


「そのニュース見て、気になってネット上探してみたんだけど、そこで偶然見つけた攻略サイト内の掲示板に書いてあったんだよそのことが。書き込まれた日は昨日。テレビ局はたまたまそれをみて大げさに話したんだなきっと。」


その話を聞いて、タケルの表情が少し真面目な顔つきに変わっていく。


「攻略サイト?…ユウト、そのサイト後で教えてよ。」


「ん?どうした?」


「いや、実は俺の武具を良く買ってくれてる…あ、ゲーム内でね…お得意さんのゲームマスターが言ってたの思い出した。最近ゲームがうまく行かないからって適当に変な噂振りまいてまわってるヤツがいるって。それかも。」


「ゲームマスターに武具売るって、すげぇなお前…。って、そうなんだ。まぁ教えるのはいいけど…多分もうないと思うぞ。」


「は?」


「いや、さっき登校中にさ、また気になって携帯で見てみたんだけど、もう404、サイトごとなくなっててページが見つかりませんだってさ…」


「そうか…。」


「ま、携帯で見たからかもしんないから、一応後からタケルのアドレスにメールしとくな。」


「おう。」


そういうと場の空気が少し変わり静寂が流れたが、すぐさまマイが場を和ませようとする。


「もう!朝っぱらから変な話しないでよね!!」


そういいながらユウトをハタくマイ。


「イタ!すみませんアネさん。」


そう切り返したユウトをさらに(はた)くマイ。その二人のやり取りにまた周囲が笑いはじめる。

すると教室の扉があき、担任の先生が入ってくる。


「おはよー。はい席につけぇー朝礼はじめるぞー。」


「はーい!」


勢いよく返事をする生徒と、タケルの周囲にあつまっていた生徒たちがいそいそと散らばって席につき、朝礼が始まるのであった。


――

すみません、かなり抜けてました…。


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