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第4話 元主人公アイナ



 その日、友人がいなくなってしまった。


 私達は無力感に押しつぶされた。


 血だまりの家を訪ねた後、その場にいた不審者に目の前で敗北したのだから。


 けれど、いつまでも落ち込んでなんていられなかった。


 私達は立ち上がって、彼女を助け出すために行動した。






 友人を探して様々な場所へ向かった。


 幸いにも当てはあった。


 彼女をさらった人間達が家の中に手がかりを残していったからだ。


 きっと彼女が抵抗したからだろう。


 私達は落ちていた手帳を見て、彼女の居場所をいくつか絞った。


 そして、有力な場所を二つにしぼった私達は、それぞれ別行動をすることにした。


 私は風の町ウンディへ。


 ガイアスは帝都グアド・グランデへ。


 風の町はとてもおだやかで、心地いい場所だった。


 けれどそんな町で友人がひどい目にあっているかもしれないと思うと、いても立ってもいられなくなった。


 私は、すぐに町の中を調べて回った。


 それから少しした頃、ネコがやってきた。


 レミィが飼っていたネコだ。


 ほかに友人が血だまりの家の中で保護をした後、病院に預けたはずなのに。


 その猫は手紙を持っていた。


 手紙を書いた人間は、ネコを頼んでおいた友人。


 コニーとこの場所でなのっていたらしい彼女は、手がかりをつかんだようだった。


 私はすぐにその情報を調べる事にした。


 そこで私は、ライトという人間に目星を付けた。


 調べてみると「ネクト」という組織に所属しているらしいと判明した。


 だから私は次に「ネクト」のある場所や、「ネクト」のメンバーを探す事にした。






 次の手がかりを見つけたのは、賭博の都市キタリカだ。


 多くの富豪たちがより集まるその都市で、ライトを発見した。


 私は、彼の跡をつけて、「ネクト」の支部を発見。変装して、メンバーとして潜入した。


 ライトの目的や弱点を探ってわかったのは、彼がレミィを助けようとしているらしいという事。


 悪い人間ではなかったのだろうか?


 そう思ったが、私達を問答無用で倒した事を思い出した。


 悪い人間ではないからといって、良い人間であるとは限らない。


 自分の目的のために、人を犠牲にしなければならない人だって世の中にはいるのだから。


 私はそのまま「ネクト」にい続けて、ライトの動向を探った。


 そうした中で、ライトはレミィを保護している事が判明した。


 人目に触れさせないようにしているのは、危険から守るためらしい。


 レミィは、よく命を狙われているようだった。


 私はどうにか、隙をみてレミィに接触できないか何度も試みた。





 苦労して隙を見つけ、レミィと接触した私は彼女が記憶喪失である事を知った。


 彼女の性格は以前とそんなに変わらなかった。そこは嬉しかったけれど、やはり忘れられいるというのは悲しかった。


 私はレミィからライトの事について尋ねた。


 けれど意外にも、レミィは命の恩人であるライトの事をあまりよく思ってはいないようだった。


 自分達に本気で接していないようだ。と言っていた。


 その言葉をうけて、私もしっくりきた。


 私も、ライトと接する時に違和感を感じていたのだ。


 彼はまるで、お芝居でもしているかのように見えたからだ。


 レミィに「私と話した事は内緒にしてほしい」と頼んで、ガイアスに連絡をとった。


 ガイアスはすぐに合流するといった。


 余裕ができた私は、ライトと正面から話をする事を決意した。


 一度敗北した相手だけれど、思い込みで相手の内心まで決めつけるのは良くない事だから。






 けれど、ライトは会話に応じるふりをして私を攻撃してきた。


 人質を取られた私はなすすべもなくやられるしかなかった。


 選択を間違えたのだ。


 私は最後の力を振り絞ってガイアスにメッセージを残した。


 保護していたネコの首輪に手紙を仕込んだのだ。


 ガイアスとの合流予定場所を定期的に散歩コースにしているため、きっと手紙は届いてくれるだろう。


 元主人公ですらない彼だけど、きっとやり遂げてくれるだろう。


 信じている。


 私は、彼が目的を成し遂げてくれる事を願いながら意識を落とした。



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