信託
今回はキャラ紹介お休みします
如何せん少ないし、ネタバレになるから伏せること多いので蒼龍くんとか藤也くんとかみたいに中途半端になってしまうのはなんか嫌なので
「───────今、言うのは違うかもしれないけどさ」
作戦会議が終わり、しばらく無言で歩いていたがふと、蒼龍が口を開く。
「なんだ?」
「実は来月、結婚式を開くんだ。
相手は鬼の女性でな、妊娠もしている。
……藤也に、そういや言ってなかったな」
───それは、あまりにも、パンチのある、内容だった。
……え、妊娠? いつから?
いかんいかん、頭が真っ白になった。
先ずはとりあえず祝福だろう。
「おめでとう……彼女、いたんだな?
言ってくれても良かったのに」
いやマジで。言ってくれよ蒼龍。
藤也と一緒に茶化しに言ってたってのによ。
「いや、許嫁さ。
俺らの家は鬼との交配を積極的に行うんだ。
一つは、鬼と人とのハーフにはたまに呪変臓を持つ者が現れる。それを作り出すためだ。
鬼の血しか残らないのはまずいんで五代に一回のペースでの鬼との交配だがな」
……なるほど、身体能力の上昇等もあるし理にかなっている。
「二つ目は、鬼との交流を深める為だ。
一応、ウチの家系はまぁ、弟といい親父と言い女を囲いたがるダメなヤツらではあるが、鬼に対する態度はかなり緩い方だったしな」
「……そういやさ、蒼龍はいつからその、処刑人って役目を?
───────美江さんに聞いたけど、弟さんを殺したって聞いたけどその時とか?」
「……ん、あぁ美江さんにはそう言ったなそういえば。
初めて殺害したのは十歳のときだ、藤也の父親をな」
その、冷淡とした口調に思わず固唾を飲み、言葉を喪った。
……普段オレ達には見せない蒼龍の顔。
それに慣れてないのもあるが、ホントに蒼龍の周りが凍ったように幻視した。
「……話、戻すけどよ。
弟───────朱雀は殺してない。
実際は縁を切って、ドイツへ追放してやった。
なんでも、吸血鬼の姫様に惚れたんで父親に結婚の許しを得に行ったんだとよ。
馬鹿だよなホントによ」
……訂正だ。やっぱりなんやかんや言って蒼龍は甘い。
思わず頬を綻んでしまいながら、オレは蒼龍に。
「藤也も、結婚式に参加出来たらいいな」
そんなことを、つい言ってしまった。
どこか照れくさそうに頭を書きながら蒼龍は。
「…………まぁ、そうだな。
うん、参加出来たら、俺も嬉しいよ」
そう。どこか心苦しそうに答えた。
その直後に、オレの携帯が振動し着信の知らせを送る。
携帯には、楓の電話番号が掲示されていた。
普段は寝てるハズだが……なんの用でこの時間に?
通話に応じ、楓に要件を訊ねた。
「もしもし、どうしたんだ楓?」
『後でメッセージに送るけど、藤也くんに似た人が、鬼を殺害してる様子を動画でネットに出回ってるけど、藤也くんじゃないよね?』
「なっ………………!? とりあえず、その動画をおくってくれないか?」
分かった、と楓が答える。
通知が来た瞬間にメッセージを確認して、楓が送ってきた動画を見る。
そこには、確かに藤也らしき……否、藤也本人が嬉々として、艶めかしさがある表情で鬼のことを残酷にスプラッタしている動画が流れていた。
……楓には悪いが、とりあえずは誤魔化そう。
しかし、彼女は勘が非常に鋭い。
もう既に悟っていてもおかしくない。
それに、特定されるのも時間の問題だ。
ここは─────
「……それを、確認する為に藤也の入院している病院に向かってるんだ。
藤也は入院しているから、そんなことするのは不可能なハズだし、それに……呪術で誰かが藤也に化けている可能性もある」
一応、彼女は呪術等の存在は把握している。
呪術の存在は一般人には隠されている。
呪術というのは誰でもすぐに扱えるが、ソレを知られては悪用される可能性があるからだ。
だから、亜人種課や偉い方、そしてその家族達しかその存在を知らない。
しかし、楓が知ってると言ってもそれは抽象的なイメージしか出来ないだろう。
少し狡い誤魔化し方だが、今はそれで収めるしかない。
『……なら、因幡君に変装? してる人に気を付けないとね。
油断してたらグッサリと刺されちゃいそうだし』
「勿論、気を付けるよ。
とりあえず、情報ありがとうな楓」
「どういたしまして」
そう返して、楓が電話を切る。
蒼龍にも聞こえるようにスピーカーに設定していたので、しっかりと聞いていた蒼龍の顔は青ざめていた。
もし、これが玄人さんの目に入ったらマズイ。
あの人ならば、即座に動けてしまうのである。
現に、彼への挑発で似たような動画を送ってきた鬼がいたが、ソイツは十分も経たない内に玄人さんに殺された。
……ホントに人間なのか疑わしくなってしまう。
で、
藤也の現状は、ネットに彼の恐ろしい所業の動画が流れているというのが現時点で分かる事だ。
玄人さん自身、忙しい身分なので恐らく見る、知るまでの時間は相当あるハズ。
それまでに藤也を捕まえないと彼が玄人さんに殺害される可能性がある。
……急がなければ。
走ろうとするオレを、蒼龍が肩を掴んで止めた。
「待て、まだ余裕はある。
……玄人さんはこの事を知ってるからな。
休む前に、玄人さんには受け明けた。
行ってこいって、受諾してくれたよ。
だから、藤也の情報をお前に伝える」
「藤也の?」
あぁ、と蒼龍が頷いた。
「藤也は呪装具の伝巧絶歌という名称のモノがある。
ソレの力は、装着した者が呪術を使う時、詠唱を省略出来るというものだ」
「呪術の省略?
でもそれって、可能なのか? 確か、呪術ってのは詠唱を行うことで初めて機能出来るって……」
亜人種課の訓練校の授業で聞いた内容だ。
呪術は絶対に、詠唱をしなければならないと。
それは、相手を呪う為の大事な過程であり、そうでなければ成立しないと。
確かに、教授はそう言っていたハズだ。
「因幡家は元々、有名な陰陽師である安倍晴明の弟子だった家系みたいでな。
その時に、詠唱ナシでも唱えれる技術を教わったらしい。
ソレを形にした呪装具が、伝巧絶歌だ」
「なるほど……」
「それをつけて戦闘を行う藤也は、まさにマシンガン。
拳銃止まりの呪術師じゃまず、同じリングにあがれない」
「……でも、オレ《・・》は問題ないんだろう?」
そう。
オレならば、藤也に優位に立ち回れる。
蒼龍は、その理由を知っているからこそオレを真っ先に藤也とぶつける事を考えたのだ。
「おう、じゃなきゃ任せねぇよ。
……俺は迂回して藤也を後ろから奇襲する」
「あぁ、頼んだぜ蒼龍」
任せろ、と蒼龍が拳をオレへと差し伸ばす。
コツン、と拳がぶつかりお互いの無事を祈りながらオレと蒼龍が別行動を開始させるのだった。
一週間ほど(調子良ければ数日間)更新お休みしますー
やっぱりまだ調子が良くない、全然文が出てこない




