ごめん
俺は、あなたがじいちゃんから自分の話を聞いた日の後も何度も店を休んだ。
あなたとまた会うと、気まずいくなると思って避けているのか、ただ体調が悪くてなって休んでいるのかというと、それはどっちもだろう。
俺が休んで一ヶ月たった。あなたが来る日曜日に久しぶりに店に立った。あなたが店に来て俺に、
「お身体大丈夫ですか?」
と、心配して聞いてくれた。
「はい、もう大丈夫ですよ。心配をかけてしまってすみません。それと、じいちゃんが余計なことを言ってすみません」
「よかったです。そう聞いて安心しました。おじいさんは、余計なことを言ったのではありません。遼さんのことを教えてくれました。だって、遼さんは自分のことを教えてくれないのでおじいさんに聞けてよかったです」
「すいません。これから少しずつ話します」
それからというもの、俺自身少しは成長したと思う。少しずつ自分のことをあなたに話すようになった。あなたは、俺の話を笑顔で聞いてくれた。
まず、改めて自分の名前が楠木遼であなたと歳が一つしか変わらないことを話した。あのときのあなたの驚いた顔は今でも忘れない。じいちゃんから聞いたはずだというのに。たぶん、わざと初めて聞いたことにしてれたんだと思う。あなたの優しいさだ。
「歳が一つしか変わらないんですか?てっきり、二十歳は越えてると思ってました」
「そんなに、老けて見えますか?」
「そうじゃなくて、大人に見えます」
他愛な話をして、二人して笑うことが当たり前になった。
俺は、今日もいつものように店に立った。しかし、あなたと話している最中に倒れた。あなたが、俺の名前を呼んでいると思いながら意識がなくなった。
俺は、目を覚ますとまたここかと思った。それは、病室だった。また発作が出て倒れたんだ。意識が戻って少しボーとしていると、おばあちゃんが病室に入ってきた。
「目が覚めたのかい?良かった、良かった」
おばあちゃんから話を聞いた。俺は倒れて三日間意識がなく、もしかしたらこのままだったかもしれなかったらしい。
あなたは、毎日お見舞いに来てくれたそうだ。
「今日こうなことがあったんです。明日は、あれがあるからがんばります」
と俺に話してくれたらしい。
そのあとに、ばあちゃんが話してくれた。俺が、あとどれぐらい生きていけるかということを。
元々俺は、二十歳まで生きれないと言われていた。でも、もうあと一年も生きれないとらしい。あなたには、まだ言ってないらしく、
「自分から言いなさい」
と、ばあちゃんに言われた。
でも、ごめん。あなたにだけには、絶対に言いたくない。やっと仲良くなれたのに、一年も生きれないことを知ったら、あなたは泣いてしまうかもしれない。
俺のことでもう泣いて欲しいくない。あなたには、笑顔でいて欲しいから。
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