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大きな火。
それが、比酎の東を点々と灯した。この街の建物は石造りと木造が混じっている。石造りの方が圧倒的に多く、新しい。
五日前から。
誰かが街の建物に火を放っていた。
塑山派の連中がわざわざそんなことをして、意味があるのか?
トルストはそんな疑問を持った。むしろ、逆に自分たちを追いつめるだけではないか。ただ、民を怒らせるだけだ。
すぐに、その放火に備えた警備の兵が繰り出され、夜の街を歩いた。木造の建物は街の三割にも満たないが、それらは東の内陸部に集中していた。しかも、中途半端な形で空き家となっているのだった。何軒も木造が続いているわけではないため、火が回ることはないようだ。
蔵上家側の人間がやっているのか。扇動された子供が、あまり深く考えずにやっていることなのか。
何にせよ民は不安がっているし、川の近くで火をたいて騒いでいた塑山派の連中に対しての抗議の声も上がっている。
王の命令により、館の周りの灯かりとなるリムの数の増量が行われている。比酎の街の中、そして、国境沿いにいる兵の中から朗読者がかき集められ、それぞれ練成で花型のリムを強化したり、召喚したりしていた。
トルストや他の壬竜課の部下たちもそれに混じって、館の周りで腰をかがめていた。




