『冷え切った手』
あたしの手はいつも冷たい。
人間ってのはいつだって
自分の言われたことは覚えていて
そのくせ自分が言ったことは忘れてるもんだ。
あたしも君達も同じだ。
手が冷たい人は心が温かい。
だの
手が温かい人は心が冷たい。
だの
そんな「迷信」みたいなもんはどーだっていい。
昔から、いわゆる「占い」みたいなもんにゃ囚われないタチなのだ。
君達の手はいつも温かい。
あたしは其処に感じることは無い。
誰かが決めた。ただそれだけの
「ルール」「迷信」「占い」等
くだらないし、そんなもんで世が上手く回るなら誰も苦悩することは無い。
いつ何が起きるか分からない。
「安定」と「スリル」の狭間で
人々は生きている。
だからこそ日々は華やぐ。
冷たいだけじゃ退屈だ。
温かいだけじゃ退屈だ。
生温いぐらいがちょうどいいってとこだ。