東京村
人間の村から東に30km。森の中で暮らす彼等がいた。
たちまち、東の空に雲がかかれば砲弾の雨が降る。意味のないこと。
木が騒めく晩のこと、風の音で目を覚ましたジャックは邪なことばかりを考えていた。
着の身着のままで暮らす彼等は、もう価値がない。家畜には最低でも大丈夫のような餌。
日々の暮らしに潤いなどなく、さめざめとした様相だった。
空、青く。白い。
海の上。
どこまでも、そしてどこから。
人の気配を感じる。生きていることだ。
緑を抜けると茶色の大地。
穴があり、深く悲しい。
生きること、憧れ、そして軽蔑。
線路を進むと、焦げた臭いがする。
影が呼び、熱さの中で暮らす。
未来は残像。
生ぬるい風。
避けられない、夢。
幻の忘却。意味などない。
死者の使者が今宵舞い戻る。
手の中に熱いものを感じた。
血潮。
流れるものには逆らえない。
緑。みどりがある。
青い空は、群青。
白い空は彼方へ。
透明感のない気怠げな雰囲気の中に、日常が存在していた。
空想は空虚なものなのか。
折りたたまれた空間。
残響。蝉の声。
鼓動すらハッキリとしてくる。
ただならない緊張感が支配する空間。
跳躍。
すぐ近くにまで迫るソレは、異形。
オリジナルよりも強力なソレは、ハッキリと存在している。
跳ぶ。
新しい世界へ
ようこそ