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彼女の世界  作者: KEI
2/2

彼女の事情

 たった一言にもかかわらず、なぜか俺の中にあった強気な彼女の印象は霧散した。

 遡ってみると、過去にも似たような病みツイートが存在していた。

 

 このとき俺は何かを感じ取ったのかもしれない。

 誰にでも弱音を吐くときくらいある、彼女のツイートもただの愚痴の類かもしれない・・・

 そう思ったのに(大丈夫?)とメッセージを送っていた。


 彼女は(大丈夫です。気にしないでください。)といつものように強気だったが、俺には少し弱っているように感じた。

 (何も事情を知らない俺のほうが話やすいかもよ?話したほうが楽になることもあるし。)

 少し無理があるが、なんとかして彼女を助けたかった俺は話を聞き出そうとした。

 (なにを言っても、変だって思わないでください。)

 彼女も辛くて限界だったのかもしれない、だからこそ俺に話すことを選んだのかもしれない。

 そう思ったからこそ、彼女のことを完全に助けられるまでやれることをやろうと思った。

 (もちろん、思わないよ。君のタイミングでいいから話して。)

 

 彼女はいろいろ話してくれた。

 父親からしつけ以上の暴力を受けていること

 友達と一緒にいても心の底から笑えないこと

 どんなに心を許している人といてもひとりぼっちな気がすること

 何回も死のうとしてること など

 

 最も悩んでいるのは、ひとりぼっちが恐怖で過呼吸になることらしい。

 夜になると必ずといっていいほど恐怖で涙が止まらなくなって、翌日目を腫らすことは頻繁らしい。


 助けてやりたいのは最もだが、俺達は所詮LINEだけの関係。

 ずっと傍にいて恐怖から守ってやることもできない。


 俺は考え抜いた末に、自分自身が使い続けてきた〈合言葉〉を教えることにした。

 

 驚くことに、俺自身も小さいころからひとりぼっちなることを恐怖に感じることが多かった。

 そんなときに作り出した〈合言葉〉は、恐怖を取り除くには充分な役目を果たした。


 (その〈合言葉〉ってなんですか?)

 (それはね・・・〈ふたりぼっち〉だよ。)

 

 

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