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ページ11

まさかこんな再会の仕方になるとは思いもしなかった。いつか勝負を挑むにしろ、どんな生態かを研究観察しに行くつもりではいたが、向こうから俺の前に姿を現すとは予想だにもしていなかった。


腰のホルスターから短剣を引き抜き、戦闘態勢をとる。真紅の巨体のドラゴンの圧倒的な威圧感に体が畏怖して震えているのが分かる。横目でアルナを見ると完全に腰が砕けて身動きがとれていない様子だった。何とかして逃げなければと思う反面で、絶対的な強者に挑んでみたい。いらぬ欲がわき起こる。悪い癖だ。劇的な人生を望む俺にとって、この世界に始めてきたあの時から、ドラゴンという存在は無くてはならない象徴で目的のようなものになっていた。


『二年ぶりだな』


ドラゴンが牙の並ぶ口を開いたかと思うと、発せられたのは言葉だった。しかも、やはりあの時にドラゴンは俺に気が付いていたようだ。


「・・・俺を喰いにでも来たのか?」


『否。我が魔境より紀元の人間の門出の祝福に来たのだ。期待外れだったか?』


「「は!?」」


唖然とした。ドラゴンが祝言を言いに来たというのだ。戦闘する気満々だった俺は、死を覚悟までしていたのかもしれない。人生で最も大きくため息を漏らした。


『む? 分かりづらかったか? 我が深淵深緑の魔境より生まれ落ちた紀元の人族であるレッドが、他の地へと向かい、我が魔境の名声を広めに行くと言うのだ。祝わんでなんとする?』


「え!? レッドが紀元人!? ・・・どうりで、・・・そっか、・・・そうじゃないと」


ドラゴンの言葉を聞いたアルナは腰が引けていたのにいつの間にか復活していたかと思うと、俺の顔をチラリと見た。そして何かを考え込むようにぶつぶつと独り言を言い始めたいた。


『そこでだ、レッドよ。我から贈り物をやろう、我が名を名乗れ。我が名はイブ・ジャバヴォック。紅の狂竜が継ぎし名だ。そして今よりレッド・ジャバヴォックと名を改めよ』


ちょっと待て、そう言おうとした。がしかし、イブ・ジャバヴォックと名乗ったドラゴンは、もとより俺に喋らせる気が無かったのか、どんどん話を進めていった。途中から何が起こっているのか現状が理解できなかった俺は、イヴ・ジャバヴォックの言葉が頭に入ってこなかった。いや、違う。全身の魔力が燃え上がるように迸り始めて、それを制御するのに頭脳が疲弊していたのだ。自分の身の丈の合わなかった魔法を使った時に起こる感覚と同じだった。小さな魔水晶を渡されたり、何かの魔法を使われ体が紅に輝いたりしていたが、もうされるがままになっていた。


気が付くと満足そうな表情のイヴ・ジャバヴォックが紅の巨体が飛翔して、東の大空へと飛んで行ったのだった。


いまだにぶつぶつと独り言を言っているアルナに声を掛けようとして、手の中にイヴ・ジャバヴォックに渡された小さな魔水晶へと目を向ける。大きさはビー玉ぐらいで、首にかけられるようにネックレスになっていた。さっそく着けて、魔力を流してみる。すると魔水晶かが淡く光だし文字を浮かび上がらせた。




【名前】レッド・ジャバヴォック

【年齢】10歳

【種族】ヒューマン

【出身地】深淵深緑の魔境

【身体】身長142.5cm、体重34.2㎏、etc

【魔法属性】

火詠唱5、炎詠唱1、水詠唱5、氷詠唱1、雷詠唱4、土詠唱2、風詠唱5、光詠唱2

火魔方陣5、炎魔方陣1、水魔方陣5、氷魔方陣1、雷魔方陣4、土魔方陣2、風魔方陣1、光魔方陣2

竜魔導1

【スキル】

思考10、記憶10、学習10、探究10、算術10、

短剣7、長剣4、槍3、盾3、拳術5、蹴術5、

望遠3、跳躍10、回避10、歩術4、騎乗1、

【称号】紅の狂竜の名を継ぎし者

【加護】紅の狂竜の加護



どうも魔水晶は個人情報をスキャンするのと能力をスキャンする魔水晶が合わさったようなものだった。こんな二つの機能を同時に使える魔水晶があるとは知らなかったし、こんな小型なのは見たことも無くて驚いた。

だがそんなことどうでもいい。それよりも俺の能力がおかしなことになっていた。なんなんだ?【竜魔導1】って! 魔導なんて聞いたこともないし、ましてや竜が付いてる時点で特別なのが俺でも分かる。それに称号と加護が何か増えてるし・・・いいことなのか? 悪いことなのか? もうわからん! あー タバコが吸いたい。胸ポケットを探る癖が治らんではないか!

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