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創造神の嫁探し  作者: 下手の横好き


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紫桜編その18

 『何か今年はいつもと違うな』


何軒かを回った後、1人を除き、事情を知らない役人達は首をかしげた。

まず、村人の表情が違う。

いつもなら、平静を装ってはいても、怯えや諦めの色を濃く宿した顔つきの者が多いが、今年の彼らには、希望のようなものが見受けられる。

それに、生活状況が劇的に改善している。

みすぼらしい身なりをした者がいない。

それどころか、真新しい衣類に身を包み、女性の中には高価な着物を着ている者も多い。

各家には薪もふんだんにあり、果物や野菜の大量に入った籠が見られ、米や塩の袋が積んである。

この島では獲れないはずの、海の魚なんかも軒先に吊るしてあった。


「これは一体どういうことですかな?」


役人の上役が、不思議そうに、付き添っている源に尋ねる。


「さるお方から、姫様への贈り物として頂いた品々を、村の皆にも分け与えたのです」


「さるお方?

それは本国の方ですかな?」


「いえ。

島の外から来られた、他国のお方です」


「なんと!!

結界はどうなされた?」


「あのお方は、この島の結界など、ものとも致しません。

長距離の転移魔法すら、自在にお使いになられます。

この島にある新たな物資は、全てそのお方がお一人でお運びになったものです」


「・・お屋敷の蔵はどうであった?」


男が女官に尋ねる。


「どの蔵も、食料や道具類で溢れておりました」


「それは・・喜ばしいことですが、本国としては少し複雑ですな」


個人的には良いことだが、かけ続けている圧力を台無しにされる本国が、何らかの措置を取るであろうことは明白なので、男としては、少し厄介なことになったとも思っている。

女性しか高度な魔法の習得を許されない国にいるため、長距離転移や収納の魔法を使う者が男性だとは考えてもいない。


「できればそのお方にお会いしたいのですが、・・無理でしょうな」


何分なにぶん、今はこの島におられませんので」


上役の男はそれ以上は何も言わず、調査を再開する。

共同浴場が真新しく生まれ変わり、その側に大きな養鶏場と養魚池がいつの間にかできていたことに驚き、そこを走り回る鶏たちと、ゆうゆうと泳ぐ大量の魚に目を見張る。


『この島には鶏は存在しなかったはず。

これも紫桜様への贈り物だろうか?』


「これらの鶏も、さるお方からの贈り物ですかな?」


「いえ。

ここは、あのお方が直接管理なされています。

我々にも何度か焼き鳥を振舞ってくださいましたが、ここの鶏たちの数は1羽たりとも減ってはおりません。

おそらく、食用として飼われているのではありますまい。

毎日、自ら餌をお与えになり、可愛がられていたようですから」


源の説明を聴きながら、女官はそこに立てられている看板に目をやる。

そして、書かれた内容に思わず笑みを洩らす。


『随分と気さくなお方のようですね。

この島の住人に対して、少しの偏見もお持ちではないご様子。

それどころか、なんだか優しい眼差しを感じるわ。

機会があれば、是非1度、お会いしてみたいわね』


毎年この島を訪れ、職務上平静を装いながらも、村人の暮らしに密かに同情していた彼女は、その心に、ほんのりと温かい光が灯るのを感じるのだった。



 小さな集落故、日が暮れる前には全ての家と施設を見終えた役人達は、今度は、村人の数がかなり減っていることに疑問を抱く。

去年は確か115人で、その内6人が火狐の餌になったから、差し引き109人。

それに、今年この島に流された16人を加えると、全部で125人いるはず。

なのに、87人しかいない。

残りの38人は何処にいったのか?

年寄りや子供が全くおらず、女性の数も少ない気がする。


「去年より38人も少ないが、一体どうされたのですかな?」


「それが・・流行り病が発生したり、食うに困ってどこかに行方をくらませたり・・あとは、火狐との戦いに悲観し、奴らに食われるくらいならと、自ら命を絶つ者も出たようでして、それで・・。

何分、病をうつされるわけにもいかず、年に2度の収穫の際に税を取り立てる時にも、いちいち村人の数を調べませんので」


源が神妙な顔をして、そう説明する。

この島に流される者は”穢れし者”故、2度と本国の土を踏むことはない。

過酷な場所で、いつ死ぬとも分からぬ故、島には村人の戸籍すら存在しない。

あくまで、本国からは動物と同じように、数で管理されている。

せめて戸籍があれば、誰がいなくなったかくらいは分かるのに、毎年ろくに村人の顔も見ずに、課税の頭数だけ形式的に数えているせいで、人数以外のことはまるでわからないのだ。

源達は、そこをうまく衝いて、今年は59人も隠している。

2年前、初めて20人程度を隠した時と、言い訳も似たようなものなのだが、もともと本国は、重要な資金源たる鉱山と違って、こちらは単なる嫌がらせの面が強いので、あまり深くは追求してこない。

本国にとっては、”穢れし者”など、使い勝手の良い奴隷と同じなのである。

死んだら死んだで、また補充すればいいくらいにしか考えていない。

もっとも、軽い罪を犯しただけで、その家族まで”穢れし者”として島流しに遭うため、本国の治安はかなり良く、ここ数年は、この島や鉱山に送られる人数が激減しているのが悩みの種だ。


「・・そうですか。

紫桜様や皆様がご無事で何よりでした」


薄々おかしいことには気が付いているが、明確な証拠がない限り、皇族である紫桜に疑いをかけるわけにはいかない。

それに、命懸けで火狐と戦う彼らに対して、毎年それを間近で見ているこの役人達は、同情的でもあった。

先代までと異なり、今の天帝が興味を持って報告書を見る箇所は、紫桜に関する記述だけなので、住居や施設などの建物の中以外に、わざわざあちこちを探し回るようなことまではしなかった。



 その頃、避難先の地下住居の中では、1人の子供が心細さを感じていた。

母に連れられてここへやって来たが、その時に、慌てていたせいか、父親に買って貰った人形を家に忘れてきてしまったのだ。

鉱山送りになった父親が、自分がまだ小さい頃に、誕生日のお祝いにと、無理をして買ってくれた人形。

寝る時はいつもそれを抱いて寝ていたせいで、かなりくたびれてはいるが、今でも大切な、父親の思い出の品である。

一緒に来た母親は、今年は戦うと言って、今この場にはいない。

顔見知りの人達も少なく、不安だけが膨らんでいく中で、とうとう少女に魔が差してしまう。


『ちょっとだけなら見つからないよね?』


少女は地下住居を出て、家へと人形を取りに向かうのであった。



 『うう、少し水を飲み過ぎたかな。

もう我慢できそうにない。

幸い、役人達は村の者と話をしている。

林の陰で、さっさと用を足して来よう』


1人の兵士が、近くの林へと駆けて行く。

この島では、火狐の住む広大な森以外、木々が生い茂る場所は限られているが、老朽化した家屋等の修繕に大量の木材が必要になることから、村の何箇所かに、それ用の木を育てる林があった。

あまり陽の当たらない、鬱蒼うっそうとした林の中で、手早く用を足した男が持ち場に戻ろうとすると、道のない林の中から、1人の少女が走ってくるのが見えた。


『うん?

あんな子いたっけな?

今年は子供が見当たらなかったはずだが・・・まさか!』


兵士の男は少女の跡をつけていく。

程無く、民家の1つに入って行った少女は、すぐに人形を抱えて出てきた。


 各家を調べる際、数えた人数の重複を避けるため、調べ終えた家の者達は、一旦村の広場に集まることになっている。

なので、そこに母親の姿はない。

人形を取りに戻っても、見つかって叱られることはない。

少女がほっとして家から出た時、1人の男に声をかけられた。


「どこから来たんだい?」


ぎょっとして身をすくませる少女に、再度尋ねる男。


「もしかして、どこかに隠れていたのかい?

もしその場所を教えてくれたら、お父さんに会えるかもしれないよ?」


「・・本当?」


男としては、おそらく父親が罪でも犯してここに流されたのだろうと、多少あてずっぽうにそう言ってみたのだが、どうやら当たりだったようだ。

そんなことくらいで、鉱山送りになった者が戻されるわけがないのだが、所詮は”穢れし者”である。

知恵が足りないらしい。

ここで手柄を立てれば、来年はこんな島には来なくて済むかもしれない。

男はわざとらしい笑顔を作って、少女を怯えさせないように告げる。


「本当だとも。

天帝様は、正直者にはご褒美をくださるお方だよ」


少女が迷っている。

もう一押しだな。


「・・急がないと、鉱山の毒ガスで、お父さんが死んでしまうかもしれないよ?」


「!!」


「いいのかい?」


「本当に助けてくれる?」


「勿論だとも」


ニヤリと笑ってそう保証する男を、とうとう少女は、地下住居まで案内してしまうのであった。



 兵士が1人足りないことに気付いた役人達は、その場を動かず待っていた。

他の者達に問いただすと、向こうの林に用を足しに走っていったと言うので、最初はあまり気にしていなかったが、いくら何でも少し遅すぎる。

林には民家がなく、その先の、少し離れた所にある家は、既に調べて人がいないので、村人に危害を加えるということはないであろうが、先程から、林のある方向を、案内役の源が厳しい目で見つめているのが気にかかる。

彼の気分を害するようなことをしなければよいが。

上役の男がそう考えているところに、いなくなった兵士が1人の少女を連れて戻ってきた。


「何処に行っておったのだ。

長く持ち場を離れるのであれば、一言声をかけていけ」


兵士にそう叱ってから、連れている少女に眼を向ける。


「この子はどうした?」


「はい。

実は、用を足しに向かった林の中で、この子が駆けて来るのを目撃しまして、その跡をつけましたところ、村人達が隠れている秘密の場所を発見致しました」


さも得意げに、そう報告する兵士。

褒められることを少しも疑ってはいない。

だが、それに対する役人達の反応は、彼が期待するようなものではなかった。


「本当か?

何人くらい隠れていたのだ?」


「私1人では彼らを全員拘束することはできないと考え、場所だけを確認し、報告を優先致しましたので、正確な人数は分かりませんが、この者によると、50人以上は居るそうです」


それを聴き、役人達の表情がさらに曇る。

てっきり褒められると思っていた兵士が、それを見て、だんだん不安になる中で、上役の男が、苦虫を噛み潰したような顔をしている源に尋ねる。


「・・どういうことか、ご説明いただけますかな?」


不正を追求する側であるはずの彼の言葉には、あまり力強さが感じられず、こういった場にありがちの、嫌味や怒りも含まれていない。

ただ、困ったことになったという、戸惑いのようなものだけが感じられる。


「さあ?

私も今初めて知ったところなので、何とも言えませんな。

道理で今日は年寄りや子供の姿を見かけないと思いました」


源としては、こちらが故意に隠したことを認めるわけにはいかないので、しらばっくれるしかない。

役人達もそれは分かっているから、こう言われれば、それ以上は強く追求できない。

もし万が一、紫桜がこのことを知らなければ、下手に追及すると、皇族を侮辱したとして、今度は自分達の命が危うくなる。

それに、隠れていた数が問題だ。

子供の言うことが本当なら、去年自分達が調べた人数に、今年送られてきた人数を全部足してもなお、10人以上多いことになる。

それはつまり、去年の自分達の調査が間違っていたことを意味する。

天帝様がご覧になる報告書に誤りがあったとなれば、自分達もただでは済まないだろう。

ここで源を非難したところで、それが防げるわけではない。


「大事な話故、少々こちらに」


上役の男は、兵達に聴かれぬよう、少し離れた場所に源を連れ、2人だけで話をする。


「申し訳ないが、後ほど、紫桜様共々、この件についてご相談させていただけませんか?

こちらとしても、大事おおごとにするつもりはありませぬ。

できれば、穏便に済ませたい故」


「分かりました。

姫様には、そうお伝え致します。

・・ご配慮、感謝致します」


何に対しての配慮かは明確にしないが、源もこの役人自体は嫌いではないので、そう付け加えておく。


「では、これからその場所へ案内せよ」


見つけた兵士のもとに戻り、そう告げる男。

兵士が連れていた少女は、地下住居にいる者達に見つかれば、この少女が密告したことがばれてしまい、母親もろとも吊るし上げを食らう可能性が高いため、後でこっそり親元に帰すよう、源が一時的に保護した。

あやめに預けたかったが、彼女は広場に集まった村人を監視するために赴いた兵士達についているので、今この場にはいない。



 「ろくな道具もないのに、よくこれだけのものを造れたものだ」


奥深い林の中の、大きな切り株の側に、巧妙に偽装された地下への入り口がある。

その周囲を兵達に見張らせながら、役人達は、1人を兵の監督に残し、梯子を降りて、地下住居へと入って行く。

降りた先、大人一人がどうにか通れるくらいの空洞を少し辿ると、やがて広い空間が現れる。

壁や天井を木の板で補強してあるその空間は、内部にいくつかの仕切りがあり、それぞれが部屋のように造られていた。

そしてその中に、年寄りや子供、若い女性の姿が見える。

いきなり彼らが入ってきたことに怯える者達の人数を、正確に数えていく役人達。

全部で58人いる。

先程の少女を入れると59人。

昨年、21人もの人数を数え違えたことになる。

そういえば、2年前から急に数が減ったはずだ。

だとすると、自分達は2回も間違いを犯した可能性が高い。

・・最早、溜息しか出ない。

怯える者達に、ここから出て、村人が集まる広場まで向かうように告げて、自分達も地上に戻る。

出迎えた兵達に、中にいる者達に危害を加えることなく広場まで連れて行くよう命じ、自分達は源と共に領主屋敷へと急ぐ。

到着早々、源が紫桜に彼らのお目通りの許可を貰いに向かい、慌しく場がしつらえられた。



 「面を上げなさい」


襖が開かれるや否や、平伏している者達にそう声をかける紫桜。

駆け込むようにやって来た源から取り急ぎ事情を聴いた彼女は、内心の動揺を隠しながら、平静を装って彼らに尋ねる。


「して、何か相談事があるようですが?」


「・・はい。

実は先程、大勢の村人が”自主的に”隠れていた場所を見つけまして・・。

59人もの村人が、地下に隠れておりました。

困ったことに、その者達を全て人数に加えると、今年流されて来た者を除いても、昨年我々が確定した数を大幅に超えてしまい、天帝様に報告書をお出しした身と致しましては、非常に好ましくない事態になりまして・・。

兵達が見てしまった以上、どこで漏れるか分からぬ故、人数自体を修正することは最早難しくなりましたので、ここは紫桜様のお知恵とお力をお借りして、どうにか辻褄を合わせられないかと思いまして・・」


上役の男は、あくまで村人が”勝手に”隠れていたと言い張り、紫桜は何も知らなかったということにして、話を進めている。

そうすることで、万が一の危険を避け、なおかつ紫桜が手を貸し易い状況を作っている。

これまでのことはこちらの不注意だから、追徴課税はしないと暗に言っているのだ。

そして、それが分からぬ紫桜ではない。

彼女は安堵を悟られぬよう注意しながら、彼らに告げる。


「わたくしに頼もしい後ろ盾がついたことは、既にご存知ですね?」


「はい。

お伺い致しております」


「では、数が合わない分の人数は、その方が外からお連れしたということに致しましょう」


「・・確かに、それが一番良い方法かとも思われますが、そのお方に、事前に許可をお求めにならずに大丈夫でしょうか?

おそらく、本国から何らかの干渉があると思われますが」


「あのお方は、そのような細かいことを気にはなさいません。

本国に、どうこうできるような方ではありませんから」


「・・随分と信頼なさっているご様子ですが、どちらの国のお方かお尋ねしてもよろしいですか?」


「わたくしも、よくは存じません。

明日が終わるまでは、ほとんど何も教えていただけませんから」


「明日、でございますか?」


「ええ。

赤い満月の後に、婚姻の儀を行ないますので、その時に、いろいろとお話くださるお約束ですから」


「!!!」


紫桜がさりげなく爆弾を投げ入れる。

上役の男は驚愕の表情を浮かべ、次の言葉を口に出せるまで、暫しの時間を要した。


「紫桜様の後ろ盾のお方とは・・・男性のかたでしたか」


「ええ。

とっても素敵で、頼りがいのある方ですよ」


御簾越しではない、素顔を晒している彼女の顔は、眩いばかりの笑顔に溢れている。

女官を含めた、その場にいる役人達は、その笑顔に見惚れて身動きすらできない。

それに、紫桜のこんなに弾んだ声を今まで聞いたこともなかった。

何年この島に通っても、酷い境遇の中にありながら、決して華を失わない彼女のことを、嫌いな者はここには1人もいないが、本来なら、皇族である紫桜から向けられるはずのない表情を垣間見せられて、4人の役人達の好感度はますます上昇する。


『どうやら援助と引き換えの婚姻ではないご様子。

・・よかった。

皇族という高い身分でありながら、紫桜様は我々うだつがあがらない下級役人でさえ、ちゃんと”人として”扱ってくださる数少ないお方だ。

お幸せになって欲しい』


「紫桜様のご婚姻ともなれば、本国がどう動くか想像もつきませぬが、我ら4人、心よりお祝い申し上げます。

今日はもう遅い時間故、これにて失礼致しますが、数合わせの件につきましては、紫桜様のお言葉に甘えさせていただきとうございます。

よろしくお願い致します」


上役の男の言葉に、他の3人も揃って頭を下げる。

下げながら、女官は少し意外であった。


『てっきり本国の貴族達の味方だと思っていたけれど、そうじゃなかったのね。

まあ、あの笑顔を見てしまったら・・ね』


内心で苦笑しながら、女官は、今までよりも少しだけ、彼らのことが好きになった。


「有難う。

わたくし、あなた方は本国の貴族連中の味方だとばかり思っておりましたが、どうやらそうでもなかったみたいね。

今までのお詫びも兼ねて、僅かではありますが、お酒と料理を持たせるから、船の中で楽しんでね」


彼らの声色と表情から、発せられた言葉に偽りがないことを感じ取った紫桜は、和也から援助された有り余る食料のほんの一部を、彼らに提供することにした。

役人といえど、この島に派遣されるくらいだから、あまり良いものを食べてはいないのだろうという配慮である。

和也のおかげで暮らしにゆとりができた結果、それまで気にも留めなかった者達を、より深く、より詳細に、見ることができるようになってきた。

そのことが、紫桜の魅力をさらに引き出しているのだが、本人は、あまり自覚してはいない。

他ならぬ紫桜からの厚意に、喜びで平伏する役人達を残し、彼女は謁見の間を離れる。


『おじい様が亡くなられて以来、初めてね。

赤い満月の前日が、こんなにも穏やかな夜になるのは。

・・和也さん、早くあなたに会いたい。

1日会えないだけで、こんなにも寂しくなるなんて・・。

みんな、あなたのせいなんだからね?』


役人達にご馳走を持たせて戻ってきた志野に、明日の朝食後、精鋭達を集めるようにと告げると、和也のいない夜の寂しさを紛らわすかのように、早々に床に就く紫桜であった。


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