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創造神の嫁探し  作者: 下手の横好き


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エリカ編その13

 それからのエリカとの夜は、互いに忘れられないものとなった。

知識として知ってはいたが、2人とも初めてのことであったので、照れもあり、なかなか進まなかった。

だが、全裸のエリカが、その両腕を和也の首にまわし、自分の豊かな胸を和也の胸に押し当てながら、『あなたという存在を、わたくしに余すところなく感じさせてください。わたくしの身体で、あなたが知らない場所などないように、存分に味わってください』という言葉を耳元で囁いた後は、和也に理性というものが存在せず、その無尽蔵な体力と精力に任せて、エリカの意識が途切れるまで求めてしまった。

まもなく意識を取り戻したエリカに、初めてであるエリカの身体を気遣うことなく求めてしまったことを詫びると、『ただ、あなたに求められているという喜びしかありませんでした』と返されて、完全に理性が吹き飛び、その後何度も求めては、彼女が意識を手放すと、衰弱したその身体を魔力で回復してはまた繰り返すというとんでもない暴挙に出てしまった。

なんとか理性を取り戻し、体力の限界を迎えて闇より深い眠りに落ちたエリカを、その腕の中に優しく抱きしめた頃には、窓辺のカーテンが、朝日を受けてぼんやりと光を放っていた。


 余談だが、エリカの初めての証の付いたシーツを、聖なる布として仕舞い込もうとしたら、軽く頭を叩かれて、取り返されてしまった。

咄嗟に同じようなものを作って入れ替え、こっそり収納スペースに隠したのは、エリカに対する唯一の秘密である。


 その日の朝、エレナはいつもより早めに部屋を出た。

昨日は考えることが多く、早々に自分の部屋に引き籠もってしまったので、やるべき仕事が溜まっていたせいもあるが、和也から目を離してはいけないような胸騒ぎがしたのだ。

最初は、変な男がエリカに纏わり付くのが気に食わなかったが、その男がたった1日で大きな功績をあげ、王家と親しくなるにつれて、それが焦りに変わってきた。

エリカを取られるかもしれない。

エリカの側に居られなくなるかもしれない。

そんな不安と恐怖に襲われ始めた。

エレナにとって、エリカは全てである。

生まれてすぐに親に捨てられ、王宮に拾われてからは、侍女として、エリカの遊び相手兼世話係として勤めていたが、エリカが成長し、公務に携わることが多くなると、周囲の者達が、自分ではなく他の者をエリカの担当に据えるようになった。

エリカは反対してくれたが、他国に対して外聞が悪いとの理由で、受け入れてもらえなかった。

エレナは、エルフとダークエルフとの間に生まれたハーフである。

そのせいで、肌の色が褐色で、瞳は蒼く、銀色の髪をしている。

顔立ちは、整った、知的な印象を与えるものだが、ハーフエルフという一点で、全てを否定されていた。

ダークエルフとは、もともとは、エルフよりその体内に魔素が溜まりやすいだけの存在であったが、不幸にも、通常の魔法を扱う能力がエルフよりもかなり劣り、体内に溜まった魔素を吐き出す手段として、魔獣の使役魔法を編み出した存在である。

その体内に溜まる魔素が、魔獣のそれと非常に相性が良く、操ることを容易にしていた。

当然のごとく、魔獣が脅威であるこの世界の国々に良い顔をされるはずもなく、種族として孤立し、少数で隠れ住むことが多かった。

結果として、それがよりダークエルフを不気味な存在として位置づけ、彼らの本来の姿以上に、忌み嫌われていた。

そして、エルフとダークエルフとのハーフは、そのどちらからも歓迎されない、中途半端で肩身の狭い立場であった。

そんな中で、エリカだけは自分にいつも優しかった。

どんな時でも自分を庇ってくれた。

直接仕えることは出来なくても、せめて、遠くからでも毎日見ていたかった。

そんな、ささやかな幸せな日々が、和也が現れたせいで壊れようとしている。

絶対に許すことができなかった。

昨日は部屋でずっと、ある計画について考えていた。

今の自分にとって選択可能な、エリカと離れずにすむ最善の策について。

セレーニア王国のエリカ王女といえば、近隣諸国で知らぬ者のいない程の美姫である。

画家ならば誰もがその姿を画布に止めようとし、吟遊詩人達は競ってその美しさを詩にしようと試みる。

当然、年頃の彼女のもとには各国の王や皇子などから数多の縁談が持ち込まれるが、エリカはそれを一顧だにしなかった。

どんな貢物であろうと受け取らず、決してセレーニア王国から出なかった。

そんな彼女に、何とかして取り入ろうと、その侍従達にまで貢物をする国も後を絶たず、エレナにも2~3の国が連絡を取っていた。

その中に、近隣諸国最強と言われるエルクレール帝国がいた。

この帝国の皇太子は、エリカを一目見た瞬間からその虜になり、どんな犠牲を払ってでも手に入れようと画策していた。

エレナは、自分をエリカの専属メイドにすることを条件に、帝国がセレーニアに侵攻する際の手引きをしようかと考えていた。

そんな、暗い考えに囚われつつあったエレナは、和也の部屋に差しかかろうとした際、その扉が薄く開かれるのに違和感を覚え、思わず身を隠した。

息を殺して見守ると、そこからエリカが静かに出て来て、辺りを見回しながら自分の部屋に戻っていった。

毎日のようにエリカを見てきたエレナだからこそ、その表情の違いに気が付いた。

気付いてしまった。

エリカが、紛れも無く、女の顔をしていたことに。

乙女ではなく、大人の女の色香を醸し出していることに。

・・エレナの中で、何かが壊れる音がした。


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