アリア編、その29
「貴女、何だか夕べより綺麗になってない?」
遅い朝食の席で、ヴィクトリアがアリアに訝し気な視線を送る。
当のアリアは、さっぱりした表情で、アンリのパンを齧っている。
「そう感じるのでしたら、それは和也さんのお陰です。
・・あれからずっと、愛してくれましたから」
パンを呑み込むと、恥ずかしそうに下を向いて、ぼそぼそとそう答えるアリア。
その左の薬指に輝くリングは、夕べ見た時とは材質が変わり、複雑な模様が備わっている。
『あれってミスリルよね?』
自分に与えられたリングは、何だかよく分らない金属で、模様もない。
つまり彼に抱かれると、変化するという事?
それに何で、抱かれたからといって、見て直ぐ分るくらいに綺麗になる訳?
ヴィクトリアが色々考えていると、それを察したエリカが説明してくれた。
「眷族になると、人ではなくなります。
その身体能力は飛躍的に上昇し、容姿でさえも、その人が最も美しい状態に固定されます。
盛りを過ぎていればそこまで戻り、未だ到達していないなら、それまでは成長するのです。
アリアさんは、どうやらもう少し成長するようですね。
突然の変化は、正に旦那様に抱かれた影響です。
旦那様から与えられる精には、わたくし達の美しさと能力を、一定程度まで上昇させる働きがあるのです。
また、眷族として旦那様の妻になると、リング自体も変化します。
その材質は9段階ある内のどれかで、刻まれる模様は、その方の性質と、身に宿る力の象徴を表現しています」
「何かの花と、動物の頭にグリフォンの翼を持った魔物のようですわね」
アリアのリングに拡大視の魔法を用いたヴィクトリアが呟く。
動物の頭は、猫や虎に似ているが、少し違う。
「シクラメンのピアスという花だな」
和也が言う。
「魔物の方は?」
「・・それは、本人の希望で自分の口からは言えない」
そろそろ夜明けという頃、満ち足りた表情ながらも疲労の色が濃いアリアを風呂へと連れて行き、部屋に戻ってから、彼女を眷族にした。
その際、リングに現れた魔物の名と、その力についても問われたが、その答えを聴いたアリアは、真っ赤になって、自分に黙っていてくれるよう頼んできた。
それと同時に、何故彼女が同性にも持てるのか、少し納得したようである。
「何か変な魔物なの?」
ヴィクトリアがアリアの方を向く。
「ヴィクトリアさんに同じような模様が出たら、その情報と交換でお教えします」
視線を合わそうとはせず、珈琲を飲みながらそう追及を交わす彼女に、ヴィクトリアもそれ以上は尋ねない。
「それで、わたくしのお相手は何時して下さるの?」
今度は和也に視線を向け、そう尋ねるヴィクトリア。
昨晩はエリカと様々な事を話したが、その最中にもアリアが彼に抱かれているのかと思うと、時々集中力を欠いて、エリカに『気になりますか?』と微笑まれた。
エリカが同じ王女であった事に驚き、和也には今の所、子供を作る意思が無いので、後継ぎを望めませんよと聴かされもしたが、元々王位には然程興味が無い。
王国が安泰なら、それで良いのだ。
「その前に尋ねるが、お前は自分の眷族になった後も、ずっと今の場所で暮らす積りか?
自分は嫁は取るが婿にはならない。
今の暮らしを続けるのは構わないが、そうすると、表向きは人のように老いていきながら、通常は一人暮らしをしていく事になるが」
「貴方が夫だと、公にも出来ないの?」
「極少人数に知られるのは仕方ないが、色々面倒なので、出来るだけ秘密にしたい」
「貴方の居る場所とは、自由に行き来出来るのよね?」
「それは勿論。
異世界だろうが我が城だろうが、自分の妻になったお前に、最早入れない場所は無い。
今はまだ限られた機能しかないそのリングも、転移や収納スペース、魔力の泉といった、最低限のものは備わっている」
「城?
貴方、ご自分の城があるの?」
「当然だ。
この世界に降りてくる前は、ずっとそこに居たのだから」
「それは1度見てみたいわね。
・・話を戻すけど、わたくしは、出来れば貴方の眷族になった後でも、王宮で暮らしていきたいわ。
自分の身内を守りながら、あの国を支えていきたい。
エリカさんから、この星は貴方が彼女に与えた物だとお聴きしたけれど、そうであっても、あの国だけは大事にしたいの」
「そんなに大切なのか?」
「ええ。
お母様との思い出もあるし、妹達や他の家族と仲良く暮らしてきた場所ですもの。
・・愛着があるのよ」
「・・その為政のせいで国が亡びる事になっても、手出しはさせないが?」
「それは分ってるわ。
だからわたくしが残って、見守ってゆくのですもの。
今のわたくしにとって、最優先なのは貴方。
貴方の言う事には、もう2度と逆らったりしない。
貴方のする事は、その全てを受け入れる。
でもちょっとくらい、我が儘を言っても良いでしょう?」
昨日の一件が影響しているのか、気が強い彼女には珍しく、少し上目遣いでそう言ってくる。
「駄目ですよヴィクトリアさん、そんなに彼を甘やかしては。
言う時はガツンと言わないと、色々大変ですよ?」
「そうですよ。
妻という立場は、イエスマン(パーソン)ではいけません。
夫が間違っていると感じたら、仮令ひっぱたいてでも、それを諫める立場です。
そこに深い愛情さえあれば、この人は、大抵の事には笑って許してくれますから」
アリアとエリカが揃って口を挟んでくる。
「・・エリカさん、もしかして経験がお有りなのですか?」
「ええ。
まだ最初の頃に、思い切りやってしまいました」
あどけなく笑うエリカに、彼女の外見からはその想像もつかないヴィクトリアは、呆気に取られる。
当の和也は、聴いていない振りをして、窓から庭を眺めていた。
「・・そんなに直ぐに相手をして欲しいのか?
既に妻として迎える事は確定しているのだ。
別に焦らずとも、ゆっくり時間をかけても良いんだぞ?」
「もう十分よ。
この先は、貴方と関係を持って、心身共に妻となってから育んでいく。
皆さんと同じ立場になって、その上で、わたくしにしか出来ない役割を探していくわ」
「あなた、彼女の気持ちに応えてあげて下さいな。
夕べも、アリアさんとの事を気にして、よくお眠りになれなかったようですし」
「エリカさん!」
「フフフッ、御免なさい。
でも、これからはきちんと自己主張されませんと、妻の数が増える分、中々順番が回ってきませんよ?
旦那様はどちらかというと、草食系ですから」
「草食系?」
「女性の方から食べられる存在、というくらいの意味ですね」
「・・エリカさんもそうなのですか?」
「さあどうでしょう?
ご想像にお任せしますね、フフフッ」
この後、結局今夜もヴィクトリアはここに泊まる事になり、昼間は王宮での仕事があるからと、一旦城へと戻って行った。
授業に向かうエリカ(子供達には、ジョアンナを通し、遅れることを伝えてある)、今度は和也の肖像画を描き始めるというアリアと別れ、和也は1人、ギルドに顔を出す。
掲示板を見るも、大したものはない。
少し考えて、折角だから、別の大陸にも顔を出してみる事にする。
この星には6つの大陸があるが、完全に人が支配しているのは最大のマライカンと、あと2つ。
残る3つの内、最小の大陸であるゼダはエルフが支配し、2番目に大きなエスタリアは、様々な部族が国を作っている。
そして最後の1つ、3番目に大きな大陸であるアーナは、人が住む事のない、魔獣と動植物の楽園であった。
この星をエリカに与えると決めた時、和也はアーナの周辺に結界を張り、和也の許可なく人が立ち入れないようにした。
地球のアフリカ大陸の2倍程の面積を持つこの大陸を保護する事で、星に緑を残し、生物の多様性を確保したのである。
ギルドを出て、エスタリアをざっと神の瞳で遠視していた時、とある光景がその視界に入る。
結局それが決め手となって、和也はその場に転移するのであった。
「もう終わりですか?
ならば死んで下さい」
「ひっ、た、助けてくれ」
「駄目です。
最初に手を出してきたのは貴方方でしょう?」
ザシュッ。
男の首が地面に転がる。
数人の男達の死体から流れ出る夥しい血が、辺り一帯を血生臭い臭気で満たしていた。
「ふう、やっと少し収まったかしら。
相変わらず、難儀な身体よね」
女性がそう呟いて、現場を立ち去ろうとした時、何処からともなく、1人の少年が転移してくる。
「ちょっと待て。
少し話がある」
自分を見るなり、いきなりそう声をかけてくる少年。
周囲に転がる死体など、まるで目に入っていないかのように、平然と話しかけてくる。
「貴方誰?
この場を見て私に話しかけてくるなんて、怖いもの知らずのお子様?
それとも、・・貴方も私を殺しに来たの?」
女性の眼が、少し鋭くなる。
「君は魔人だよな?」
ビュンッ。
女性がいきなり剣を振るってきた。
もし避けなければ、その剣先は和也の首があった場所を薙いでいる。
「危ないな。
もしかして、只の戦闘狂なのか?
話し合いが出来る程度の知性があると思ったのは、自分の気のせいか?」
『避けた?』
完全に不意を突いた積りで放った攻撃を、少年は然程驚く事もなく、平然と避けた。
「転移して来るくらいだから、それなりに強いだろうとは思ったけど、どうやら当たりみたいね。
丁度良いわ。
悪いけど、貴方も私の為に死んで頂戴」
その美しい顔に魅惑的な笑みを添えると、彼女は猛然と切り掛かってきた。
「どうやら本当に脳筋の馬鹿のようだな。
仕方がない。
少し相手をしてやる」
鋭い攻撃を連続で仕掛けてくる彼女に、和也は呆れながら、カウンターを繰り出した。
ドゴッ。
「うっ」
彼の蹴りを受けて、女性が2m程吹っ飛ぶ。
直ぐに起き上がり、態勢を整えるが、その顔には、先程とは少し異なる笑みが浮かんでいる。
「これは久し振りに大当たりね。
容赦なく魔法を使えそう」
大きく後ろに跳んで、ガンガン魔法を連発してくる。
風刃や火球等の下級魔法ばかりだが、1発1発の威力は通常の3倍はある。
だが、それらは全て、和也に届く前に不可視の壁に阻まれ消滅してしまう。
「ふ~ん、子供のくせに、本当に強いのね。
じゃあこれはどう?」
言いながら、今度は鎌鼬や氷柱、業火等の中級魔法を連発してくる。
だがやはり、それらも和也に届く事はない。
「・・貴方、何か特殊な魔法具でも持ってるの?
まさか、お仲間という事はないわよね?
あまり時間をかけ過ぎると厄介だから、本気でいくわね。
これで今度こそさようなら。
・・雷炎!」
上級魔法、しかも通常の倍以上の威力のあるそれを、短時間で放ってくる。
天から自分目掛けて降りてくる魔力の渦を見ながら、和也は呟いた。
「こんなのをこんな場所で使うな」
パチン。
和也が指を鳴らした途端、その魔法がキャンセルされ、跡形もなく消え失せる。
「!!!」
初めて女性が青ざめる。
ゆっくりと口を開く和也を凝視しながら、彼女は恐怖で1歩後ろに下がった。
「さて、何が良い?
物理、魔法、精神操作、お望みの苦痛を欲しいだけくれてやる」
「・・ま、待って。
御免なさい。
もう抵抗しないから、殺すのだけは止めて。
何でも言う事聴くから。
私は死にたくない、死んではいけないの」
淡々と語る和也の表情から何を読み取ったのか、彼女は真っ青な顔色をして、そう懇願してきた。
「命乞いをするくらいなら、どうして攻撃してきた?
お前がした攻撃は、そのどれもが並の人間なら即死するレベルだ。
自分は最初に言ったよな?
話があるって。
それを聴こうとしなかったのは、お前のミスだろう?
ならここで殺されても、文句は言えまい」
和也の右の掌に、見た事もない、青い炎が生まれる。
「ひっ、御免なさい。
本当に御免なさい。
どうか訳を聞いて下さい。
私の攻撃本能には理由があるんです!」
最早泣きそうになりながら助けを求めてくる彼女を暫く見つめた和也は、徐に掌の炎を消すと、面倒臭そうに言い放った。
「最初からそう言え」
その言葉と表情に、彼女は自分が助かった事を知り、思わず地面にへたり込むのだった。
騒ぎに気付いた者と会わないよう、女性を連れて転移した深い森の中で、お互いに向かい合って腰を下ろしながら、話をする。
改めて良く観察してみると、深緑の長い髪と色白の肌、引き締まった身体と豊かな胸が、彼女の一見冷たそうに見える瞳と相俟って、とても理知的に見える。
先程までの野蛮な彼女からは、今の彼女を想像するのが難しいくらいだ。
「先にそちらの話を聴こう」
2人の間に漂う気不味げな雰囲気を取り払うかのように、和也がそう口にする。
「・・先ずは助けてくれて有難う。
どうやらギルドの依頼を受けた人じゃないみたいね。
私の名はエメラルド。
お察しの通り、魔人よ。
多分、最後の生き残り。
私が死ねば、この世界から魔人はいなくなるわ」
「・・自分は御剣という。
こことは別の、マライカンという大陸から来た」
「マライカン!?
・・もしかして、貴方は私達を創った、古の魔術師達の生き残りなの?」
「いいや。
この世界に来たのは、そう古い事ではない」
「?
私を一目見て魔人だと分るくらいだもの、そういった事には詳しいのよね?
「取り立てて詳しい訳ではない。
お前の身体を流れる魔力を見て、そう感じたに過ぎない」
「そんな事も出来るんだ。
若いのに、凄く優秀なのね」
「自分は子供ではないぞ」
「分ってる。
さっきはちょっとカチンときて、そう言っただけよ。
私の魔法が全然効かないんだもの。
・・あんな事、初めてよ?」
彼女の顔に、初めて柔らかい笑みが零れる。
「じゃあ、最初から話した方が良いかな。
少し長いけど、我慢してね」
そう言って、楽な姿勢を取ると、彼女は語り出した。
「私達、魔人と言われる者達は、遠い昔、マライカンの地下迷宮から逃れて、この大陸までやって来た。
魔術師達が、人間達の猛攻から身を護る最後の手段として開発を進めたらしいけど、どうやら間に合わなかったみたいね。
地下深くに追われ、やっと最初の魔人を生み出した頃には、それから100年以上が経っていた。
そして、強い魔力を持つ魔術師達がどんどん死んでいき、最終的に生み出された魔人の数は、僅か5人。
彼ら(彼女ら)は、弱体化して人の中に隠れ住むようになった魔術師達の支配を脱し、新たな大陸で自由に生きようとした。
・・でも、彼らの身体には、ある欠陥があった。
その身体が生み出す魔力が多過ぎるという事。
そして、それを常時放出していかないと、精神か身体の何れかが病む。
広大な地下迷宮で、人間や魔物相手に無差別に魔法を使えた頃とは異なり、ここではそうはいかない。
迷宮はあるけど、どれも小さく脆いものばかり。
人目を気にする必要も生まれた。
強いとはいえ、たった5人では、国は作れない。
他の種族相手に好き勝手な振る舞いをすれば、かの魔術師達と同じ運命を辿る。
だから最初は、皆ある程度の苦痛を我慢して、何とか穏やかに暮らしていた。
人里離れた場所で、時々魔物相手に魔力を減らしながら、隠れ住んでいたの。
・・でもね、到頭それで精神を病む者が出てしまった。
その男性は、人としての思考が出来なくなり、仲間にまで攻撃し始めた。
それに応戦して、その男性を含めた3人が亡くなり、残ったのは男女1名ずつ。
それが、私の両親。
彼らは以後、慎重に魔力を管理しながら生きてきたけど、古の魔術師達の数を減らした難病に罹り、数年前に呆気なくこの世を去ったわ。
きっと、遺伝子の中にその要素が含まれていたのね」
森の景色に向けられたその視線に、僅かに諦観したような色が混じる。
「私、みっともなく命乞いしたでしょう?
両親が死ぬ間際、私に言ったの。
『お前だけは幸せになれ。誰か好きな人を見つけて、魔人の血を残してくれ。そうでないと、自分達が生み出された意味がない』って。
人の中に混じれず、やりたい事もほとんど我慢して暮らした両親。
その無念の気持ちが、言葉の響きとなって、私の胸に突き刺さった。
両親を弔い、その意思を継いで夫となる人を探しに町へ出た私だけど、当然、上手くいかなかった。
生まれてこの方、親以外の人と暮らした事なんてないし、人間がどれ程柔な存在かも知らない。
まさかお尻に触ろうとした人を殴っただけで、その人が死ぬなんて思いもしない。
慌てて逃げたけど、直ぐに追手が掛かった。
他の町ならと考えてそこを訪れても、ギルドを通して指名手配されてるらしく、見知らぬ人からいきなり攻撃される。
そしてそいつらを相手にしている内、私の中の血が目覚めた。
無慈悲で残忍、そして狡猾。
両親が必死に押さえ込んできた魔人としての血が、人を殺す度に喜びに震える。
・・流石に不味いと感じたわよ?
だから以後は町に入らず、森や、せいぜい村に入って糧を得ていたのに、それでも時々ああして攻撃されるのですもの。
私だって、理由なく人を殺す事は悪い、それくらいは知ってる。
でも、私は自らが生きるためなら、身を護るためなら、躊躇いなく人を殺す。
貴方にとって、それは悪い事?
もしそうなら、私の命以外なら、何でも差し出すから、お願い、私を助けて。
・・お願いよ」
言いたい事を全て吐き出した彼女は、和也の審判を待つべく、項垂れる。
握りしめた両の拳が、僅かに震えていた。
暫くして、和也が口を開く。
「・・自分の眷族になる積りはあるか?」
「え?
眷族?
人ではないと思っていたけど、貴方、高位の魔物か何かなの?」
「自分は、所謂神というやつだな。
世界を創った創造神、それが自分だ。
もしお前が自分の眷族になるなら、お前の命は勿論守ってやるし、その身に宿る、厄介な遺伝子や衝動をも、消し去ってやろう。
但し、それと引き換えに、自分の支配下に入り、その命に従う事を強制する。
・・どうする?」
「神?
そんな存在が本当にいたの?
・・分りました。
あなた様に従います。
どうか私を、その眷族の一員に加えて下さい」
「自分が神だと信じるのか?」
「はい。
仮令嘘だとしても、私はあなた様に付いていきます。
・・そう決めたんです」
「自分が悪魔だったらどうする?」
「その時は、一緒に堕ちる所まで堕ちましょう」
何かが吹っ切れたように、彼女が笑う。
その笑みに釣られて、苦笑しながらも、掌にリングを生み出す和也。
晴れて眷族として生まれ変わったエメラルドは、身に宿っていた負の要素が完全になくなり、湧き出る余分な魔力は、リングが吸収し、全て力へと変換してくれる。
ルビーと共に、この世界で和也を裏から支える頼もしい存在が、また1人増えた瞬間であった。