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前編
嘘つき嘘つき嘘つき
そうやって、自分の気持ちを誤魔化すしかなかった
『俺もお前に溺れかけてるぜ?』
本当は他に好きな人がいるってことを知ってた
自分は、その好きな人がいないときの暇潰しの人間だって知ってた
それでも貴方のそのぬくもりが欲しかった
貴方と一緒にいたかった
『ほら、手当てて見ろよ。俺の心臓、ドキドキしてんだろ』
貴方の鼓動はいつも通りだった
少しも速くなった様子なんてなかった
それを理解してもなお自分は、貴方にすがった
「本当だ」
なんて嘘吐いて
貴方の言葉をそのまま聞いた
ただただ、貴方といたいが為に
暇潰しでも良かったのに
『俺の大切になってくれないか』
その言葉は自分が聞きたかった
好きだった
好きだったよ
ずっとずっと、貴方のことが好きだった
今でも大好き
だから、バイバイ