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ブサイクの逆襲  作者: 黒田 容子
本編
5/33

ブサイクの決意

 それは、ある夜のことだった。入出荷データを全部送信して、作業員も全部帰した頃だった。


お前等、葬式かっ!

今、それぐらい暗い空気が事務所には漂っていた。

「俺、ちょっとタバコ吸ってくるわ」

 現場を任された作業責任者たちが、連れ立って外に出て行く。


 実は、この頃(というか未だに。)、作業トラブルに振り回されてる毎日が続いていた。ほぼ、ウチに非があるトラブルばっかりだけど。

 もちろん、このまま荷主がズルズルと仕事を続けさせてくれるはずがなく…一番恐れていた展開を迎えていた。


 提携打ち切りの勧告。


 申し訳ないが、現場としては 素人なりに頑張ったと思う。あたしもそうだったけど、各事業所から取り急ぎで現場社員に仕立て上げられたメンバーだ。イチオウ、中には、現場運営が専門職の社員もいるけど、彼らとて百戦錬磨のベテランというワケでもない。

 そんな中で、社員が束にっても結果出せる訳がない。


 立ち上げの責任者は、アタマを抱えていた。


 客先からは、「生産性が悪すぎる。これでは、繁忙期は耐えられない」挽回のチャンスは、まだ貰っているという。


 なのに、社内会議では、早くも「早く立ち上げにケリつけて、ヘルプで借りてる社員をさっさと返せ」せっつかれてるらしい。


 ホント、ヒドいね?

 ウチのカイシャの皆さんよ?アンタたち、肝心なこと忘れてない?


 作業員たち、どうすんの?

 現場が無くなれば、彼らの収入が無くなる。

 それでいいの?

 散々助けて貰っておきながら、ソレで良いわけ?


 チャンスがあるなら、最後まで待ちなさい!アンタたち、銭勘定ばっかりしてんじゃねえ!!


 あたしは、なにもしないまま、作業員たちに謝りたくない。が やれる手を尽くしてやる。

 もし万が一、上から横やり喰らうなら、色々試してからの方がいい。


 あたしは、早速 自分の仕事手帳を引っ張り出した。

 見てろよ、あたしを現場に押し込んだ上連中ども。お前等が喉から手が出るくらいの売り上げ、叩き出してやる。


 あたしは、密かに一発逆転の一大勝負を思いついていた。勝負には、カードと駒は必需品。揃えて挑むわよ


 ノッたあたしは、早速 何ヶ所か電話を掛け始めたのであった。


 さあ、こっからブサイクの逆襲が始まる

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