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0009 ボロの告白。

 2時間ぐらい経っただろうか。

僕とうるしちゃんは、相槌を打ちながら、そして質問を重ねながらボロとやりとりをした。

目をこき使いすぎて、ちょっとドライアイ気味になった。


 ボロの話の内容はこんな感じだ。



 ボロとグランデが初めて会ったのはもう10年以上前のこと……

一人っ子の御曹司、鈴木勝人(カット)(グランデ)は小学校でなかなか友達が作れず、父親が友達代わりにとボロを開発してプレゼントしたらしい……

当時はファービーでもすごいとされていたのに、こんな高性能なロボットが開発されていたなんて……


 その後、ボロとグランデは仲良くなり、どこへ行くにも一緒というくらいの親友になった。

 グランデはやがて成長し、学校で友達がたくさんできても、ボロのことはすごく大切にしていた。

その日あったことを話したり、こまめに電池を変えたり、きれいに拭いたり……


 ところが1年前の夏、急にグランデの態度が変わった。

 学校から帰ってきてもボロには見向きもせず、どこかに出かけてしまい、さらには電池を全く取り換えなくなってしまったのだ。


 ボロの電池が無くなりかけていたある日の夜、グランデは部屋にある女の子を連れてきた。今までだって女の子を連れてきたことは何度もあるし、エッチなことをしてる所を見たこともある。


 でもその日は様子が違った。


 泥酔していたのか、その女の子はぐったりとして半分意識がなかった。

そしてその女の子をベッドに寝かすとグランデは服を全部脱いだ。

 ボロは『酔った女の子を相手に無理やりするなんて!』と思ったがそれは違った。

 裸になったグランデが大きく息を吸うと、グランデの肌の色がどんどんどす黒くなり、コウモリのような翼が生えてきた。さらにはお尻の部分から先のとがった尻尾まで生えてきた。

 そして寝ている女の子に向かって、念仏のようなものを唱えた。

「クックドゥードゥルドゥー、クックドゥードゥルドゥー……」

そんな風に聞こえたらしい。


 すると……


 ベッドの上にいた女の子がどんどん小さくなり、なんと鶏になった!

 グランデはクククと言うと元の姿に戻り、鶏を抱えて部屋を出て行った。

 そんな感じで、女の子を連れて来ては、インコやキツツキやヤンバルクイナなどの鳥類に変身させて連れ出す姿を、ボロは何回も目撃したという……


 そしてそのうちボロの電池は完全になくなり止まってしまった。

ゴミ箱の中に投げ捨てられた衝撃で一瞬だけ電源が入ったけれど、その後の記憶は全くないらしい……



 どす黒くてコウモリのような羽……

 そして尻尾……

 なんとなく悪魔が思い浮かんだ……




「その中にカラスも……あたしもいたの?」

うるしちゃんは聞いた。

「ウルシサンハ イマセンデシタ デスガ     ワタシハ ウルシサンモ カットサンノ ノロイニ カケラレタト オモッテイマス」

呪いか……

「なんでそう思うの?」

「カラスナノニ ワタシト ハナセルノデ」

あ! それは盲点だった。

このロボット、僕より頭がいいかも。


「ハナシツカレタノデ ソロソロ ヤスンデモ イイデショウカ  Y/N」

 僕はYESボタンを押した。

 ボロはその場に座ると、ピコという音とともに動かなくなった。


 しかし……

「うるしちゃん、大丈夫? 結構ショッキングな話だったけど……」

「許せねー! オラ、ぜってーにグランデのことが許せねーぞ!」

スーパーサイヤ人になってしまいそうな怒りっぷりだ……


「去年の夏からグランデは変わったって言ってたよね。何があったんだろう……。それに“呪い”って尋常じゃないよね……。ちょっとグランデのことを調べてみようか?」

 その時、窓の外でバサバサと音が聞こえた。

慌てて窓の外を見ると白い鳥が遠くの方へ飛んでいくのが見えた。


「あたし、グランデのことを調べてみる! トリトン……。一緒に行ってくれるよね?」

「もちろん!」

ピリリリリ。

メールが来た。


――

明日デートしない?

私、もう来ていく服を決めたんだ。

トリトン君にかわいいと思ってもらえるような服だよ。

トリトン君もおしゃれしてきてね。

あー。早く明日にならないかなぁ(はぁと)


真白

――


 ましろちゃんからだ。

 うるしちゃんが覗き見しようとしたから、携帯をしまってしまった。

「あのさ、うるしちゃん……。明日なんだけど……」

「あ! また明日もバイト? いいよ! 危なくない範囲でグランデのこと調べてくるよ! 危ないことするとトリトンに叱られちゃうもんね。きゃはは!」

思わず頷いてしまった。

めっちゃ後ろめたい……

浮気する時ってこんな感じなんだろうか……


 うるしちゃんに見られない様に返信して、寝ることにした。寝ようと思ってもドキドキして寝られない。


 明日が楽しみだから?

 それとも、うるしちゃんに嘘をついたから?


 うるしちゃんは寝言で、くそーとか待ってろよとか言っている。

僕は何度も寝返りを打った。



※作者からの余計なお世話コーナー。


ファービーを知らない方はググってください^^

かわいくないですよw


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