表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【王国内屈指の公爵家の令嬢ですが、婚約破棄される前に婚約破棄しました。元婚約者は没落したそうですが、そんなの知りません】  作者: ナロー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/31

【レニー=ラインとグロリアは似た者同士】 2


「さっき誰かと一緒に来たの?」


 小さな長方形のチョコを食べながら、アイラはグロリアに聞いていた。

 アイラのそばに控えているグロリアが答える。


「レニーです。廊下の途中で会いました。お分かりでしたか」

「貴女がドアの前で止まった後、キャロルの部屋に向かう足音が聞こえたから。レニーだとは思ったけど、一応ね」

「さすがお耳がよろしいですね」

「地獄耳というべきかもね」

「ご謙遜を」


 アイラは紅茶を一口飲んでから。


「でも話をしている気配はなかったわね」

「話すことはありませんでしたから」

「そう? 他の使用人は割と世間話とかしてるわよ。ジェシーとか」

「彼女は明るく、気さくな性格ですから」

「そういえば、貴女が皆と世間話しているの、あまり見たことがないわね。まあ、いつも私のそばにいるからってのもあるけど」

「話し掛けられれば、応じます。必要があれば、私からも話し掛けます」

「ふうん」


 この『ふうん』は興味がないことをスルーする声音ではなく、その逆、むしろ興味を抱いた声音だった。


「さっき、レニーは話し掛けてこなかったってこと?」

「正確には、ここに来る前の廊下で話自体は少ししました。アイラ様のティータイムかと聞かれ、私が答えた後、私がキャロル様の洗濯の帰りかと尋ねて、彼女が肯定しました。それで話は終わりました」

「みじかっ」

「それで充分でしたから。レニーもそれは分かっていましたので」

「ふーん。なんか熟年夫婦みたいね。言わなくても以心伝心的な」

「ご冗談を」


 アイラはまた紅茶を一口飲む。


「もしかして、レニーと知り合いだったの? この屋敷に来る前に」

「……何故そのようにお考えで?」

「何となくね」

「…………、庭師の一人がそうであったように、エインズ邸には何人か、私が見聞きしたことがあった者がいることは確かです」

「お父様が時々拾ってくるからね。野良猫を拾うみたいに。お父様的には、強い使用人が増えて防犯に役立つって思ってるんでしょうけど」

「ですが、レニーのことはエインズ邸で初めて見ましたし会いました。彼女も同様だったようです」

「ふうん」

「無論、私が気付いていないだけで、実は噂で聞いたことのある者……顔までは分からなかった者の可能性はありますが」

「確かめないの?」

「その必要はございません。いまはエインズ家を守る使用人である。それだけで充分です」

「流石ね」


 アイラは納得したようにチョコを口にした。



 街なかの道にて。

 グロリアとレニーは二人並んで歩いていた。

 アイラとキャロルの姿はなく、その場には二人だけだった。


「…………」

「…………」


 アイラが二人におつかいを頼んだのである。


『グロリア、レニーと一緒にティータイムで食べるお菓子を買ってきて頂戴』

『お言葉ですが、ジェシーのお菓子は未だ充分に残っておりますが』

『それはそれで美味しいけどね。買ってきてほしいのは、期間限定のチョコレートよ』

『ならば私一人でも充分ですが』

『他にも色々買ってほしい物があるのよ。たまには市販の物も食べたいしね。レニーと手分けすれば、すぐに買えるでしょう?』

『…………、かしこまりました』


 アイラ様は何かをお考えになっている。

 グロリアはそう思ったが、尋ねることはしなかった。レニーと一緒に買いに行けば分かることだと判断した。

 そしてそれはすぐに分かった。


 自分達のずっと後ろの物陰から、キャロルの着ているものと思われる、地味で目立ちにくい服装がちらちらと覗いていたのだった。

 レニーもすぐに気付いたらしく、小さな声で言った。


「あれはキャロル様ですね」

「ええ。おそらくアイラ様もご一緒でしょう。お二人で簡単な変装をして」

「アイラ様一人だけなら気付けなかったかもしれませんね」

「キャロル様が同行したいとせがんだのでしょう」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ