第3話 異動
斎藤悠真は重い足取りで上山署の玄関をくぐった。
昨夜の列車での出来事——赤いランドセルの少女、奇妙な感覚、そして頭の奥に残る笑い声——が微かにざわめく。
署内の空気は張り詰め、上司の鋭い視線が悠真を射抜いた。
「悠真、昨夜の列車で居眠りをしたとな? 鉄道警察官として何を考えている!」
その声は低く、重く、背筋に冷たい緊張が走る。
「目の前の職務もまともに全うできない者が、列車の安全を守れると思うのか!」
悠真は頭を下げ、声を震わせるしかなかった。
「……申し訳ありません」
上司はしばらく沈黙した後、低く呟いた。
「お前はもうすぐに鉄道警察に戻れるわけではない……特別捜査課に異動だ。ただし、ほんのわずかな可能性だけは残っている。お前次第だ」
悠真は重く息をつき、言葉を返せなかった。
「……鉄道警察に、戻りたい……」
小さくつぶやく声に、かすかに昨夜の少女の笑い声が重なった。
「うふふ、なんだか楽しいね……」
叱責と異動決定の重圧を抱え、悠真は署を後にした。
玄関の扉を押し開けたその瞬間、視界の端で何かが揺れた。
目を向けると、そこに——
赤いランドセルを背負った少女が立っていた。
昨日の列車と同じ、無邪気な笑顔で悠真を見つめる。
「災難だね」
声は柔らかく、軽やかで、現実世界の空気に確かに響いた。
悠真は立ち止まり、体を固くした。
「……お前、どうしてここに……?」
少女は首をかしげ、微笑むだけだった。
「私幽霊なの、だから、私が死んだ理由を知る手伝いをしてくれたら……鉄道警察に戻れるように、一緒に手伝ってあげる」
悠真は迷いながらも、ゆっくり息を吸った。
「……分かった。協力、してみよう……」
少女はくすりと笑い、自己紹介を始めた。
「私の名前は……神崎ミラ。幽霊だけど、現世に出られるの。1日に出られるのは最大1時間半だけ。だから、悠真さん、時間は大事に使ってね」
赤いランドセルが光を反射して微かに揺れる。
「あ〜と〜私、悠真さんの目に取り憑いてるから、目は大切にね、」
幽霊でありながら、どこか少し明るく感じられる少女の姿を見て、悠真の胸は静かにざわめいた。
「……わかった。やってみる……」
どうも〜清水ナナシです〜、いや〜やっぱタイトルがタイトルだから見てくれる人が少ないっすね〜、でも、一応この作品は完結まで行こうと思ってます。第3話でミラちゃんという名前だってわかりましたね〜、いや〜このあと、この子どうしようか、ま、とりあえず見てくれてありがとうございます。これからも執筆頑張りますのでよろしくお願いします




