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第1話 電車

終電のホームは、夜風に冷たく揺れていた。

斎藤 悠真は制服に身を包み、鉄道警察官としての職務を全うするべく、車内を見渡していた。

座席の端、窓際にぽつんと座る少女。小さな 赤いランドセル を背負い、15歳ほどに見える顔は、かわいらしい笑顔で頬を赤らめていた。

悠真がそっと近づくと、少女が顔を上げ、声をかけてきた。

「うふふ、どうしたの?」

無邪気な声に、悠真は一瞬呼吸を忘れる。職務質問をするべき相手なのに、言葉が出ない。

「……あの、ちょっといいかな?」

声をかける瞬間、電車のドアが ガタン、と閉まった。

振り返ると、座席にいたはずの少女は消えていた。

電車が動き出し、暗いトンネルに入る。

次の瞬間、視線を向けた 自分の号車より後ろの車両 に少女が立っていた。

窓越しに見える姿は、座席には座らず悠真をじっと見つめている。

頬は赤く、かわいらしい笑顔を浮かべて、こちらを見つめていた。

「……なんで、そこに…?」

悠真が呟くと、少女は微かに首を傾げ、小さく笑った。

その笑い声が車内の静寂に響き、悠真の体をぞくりと貫いた。

ランドセルの赤が蛍光灯に反射して揺れる。

悠真は抗えず、後ろの号車へと歩き出すしかなかった。

少女の導きが、体の奥で何かを揺さぶる。

どうも清水ナナシです。この作品が初めての投稿で少しドキドキしてます。みなさん執筆の応援よろしくお願いします。

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