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第1話:病弱令嬢、魔導工房を開く

日差しが柔らかく差し込む午後、アリア・ハルトは薄暗い書斎の窓辺で小さな魔導具を手に取り、細かく調整をしていた。病弱な体は、長時間の作業を許さない。だが、それでも彼女の瞳は前世の工学知識で輝いていた。


「ふぅ……これで、歯車の摩耗が軽減できるはず……」

指先で微細な調整を終えると、光を帯びた小型の魔導器具が静かに振動した。成功だ。


アリアは深く息を吐き、柔らかく微笑む。ここは王都の片隅にある、まだ小さな魔導工房。かつて婚約破棄された令嬢の身には過ぎた自由が、今、手にある。


「これで……私の力で生きていける」


そんな決意を胸に、工房のドアが勢いよく開いた。

「やっと見つけたぞ!」


現れたのは、王家の血を引く剣士――クールで有能だが、家事には壊滅的な王子、レオン。

「アリア、今日の依頼……いや、手伝わせてくれないか?」

アリアは軽く眉を上げる。「手伝う? あなた、工具を持つのも初めてでしょ?」


レオンは少し赤面しつつ、肩をすくめた。「……仕方ない、勉強するさ」


そこへ、熱血の獣人戦士、ライオが工房に飛び込む。

「おお! 新作の魔導具を見せてもらえるって聞いたぜ!」

彼の興奮ぶりに、アリアは思わず笑った。「君は本当に、無鉄砲ね」


最後に影のように現れたのは、黒いローブに身を包む暗殺者魔術師――セリウス。

「……観察していた。面白そうだ。参加させてもらう」

言葉少なだが、その瞳には冷たい光が宿っていた。


アリアは深呼吸し、心を決める。

「よし、みんな。まずは工房の基礎から始めるわ。ここから、私たちの物語が動き出す――」


小さな魔導工房の扉が開き、転生令嬢と最強の仲間たちの冒険が幕を開けた。

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