命の選択/1959
6話目です
いつも読んでくださる方、初めての方もありがとうございます。
頑張りますので宜しく申し上げる。
明日も22時に投稿します。
研究所の女視点--
「じゃ私はサボたん(仮)と一緒に行くために準備をするわ、所長アレの申請しといて」
所長はめんどくさそうに
「へいへい、所長使いが荒いやつだな、ほんとに」
そう言うと、電話かける。
それを見届けて私も準備するため部屋を出る。
「俺もあいつの整備はいる」と、ゴンザさんが立ち上がり、
「俺も手伝うっす」と慌てて立ち上がる、チャラ男。
「皆さんファイオーです」と言う天使。
部屋を出て私は、耐Gスーツに着替える。
これ、暑いし、重いし、見た目ブチャイクだから嫌いだけどそうも言ってられず着替えてく。
大体30分位各々準備をかけ私達は会議室に再集合する。
「ちゃんと、申請は通しておいたぞ」
「こっちも整備完了じゃ!いつでも飛べるぞ」
「俺の愛も込めたから、完璧だよー!!」
「私も、あの子に今回の移動用データをインプットしておきました」
「ありがとう皆、じゃ行ってくるわね、サボたん(仮)着いてきて!」
「「「いってらしゃい」」」
そして、私は覚悟を決めて部屋を出る。なんせ、私の専門は、設計と、操作なのだから。
「弟達行きますよ!」
「了解しました、兄様」にサボたん(仮)の後ろに、量産型サポートマシーン、サポーん達が付いてくる。
そして、私はドックにある、Aetherionの前に立つ。
速度マッハ15まで出て、黒一色で統一された、超高速飛行艦。私達の移動の要である。インプットされた、マップを自動飛行可能であり、手動運転に切り替えも可能。さらに、この中で数年位なら余裕で暮らせる設備が整っている。我らの叡智恐るべし!
「よし、ハッチオープン!」その言葉に反応し、Aetherionが開く。
「よし、サボたん(仮)、皆行こう!」
「了解です、マスター」一斉に返ってくる。
私達は乗り込む。
私は、操縦室に行き、サボたん(仮)達には、目標地点に着いたら、すぐに降りて行けるようにハッチの近くにいてもらう。
「そんじゃ行きますか!」その瞬間、Aetherion飛翔した。
「まぁ、自動飛行だから、特にやる事はないけどね、」
そんな事を思っていると、大体10分もしないぐらいで目標地点である一番近い木にたどり着く。約3000キロ程度の距離Aetherionには分けないのだ。
そして、私はAetherionを手動モードに切り替え、旋回する。
あの木が何かこちらに危害を加えないか、確認するためだ。
その結果あの木は生えているだけで、特に何もしてこないことがわかる。一安心だ。
私はサボたん達が空から降りやすい位置に移動する。
そして、思考リンク型アンテナデバイスに、「起動」と、思考を飛ばす。
これを使うことで、思考を飛ばす事が出来るのだ。これをつけてる相手同士で会話をしたり、お互い見ている光景を、リンクさせ互いの視点を理解できたりする、優れものだ。
私はサボたん(仮)に、リンクを飛ばす。
サボたん(仮)や、弟達には、初期装備として実装されており、いつでも連絡可能なのである。
だが、会話が出来たり、視点リンク等が出来るのはサボたん(仮)のみであり、弟達は、オーダーを理解できるだけだ。
「サボたん(仮)人命救助を開始するわ、私は上から観た視点をリンクするから、この地点に救助した人を保護して」
私はサボたん(仮)に、目標地点の座標送る。
「分かりましたマスターでは、行ってきます」
サボたん(仮)は、ドックを開け、皆についてくる様に指示をする。
そして、一斉に飛び降りていく。
ジェットパックを使い勢を調整し、無事着地をする。
ほっと一安心するのも束の間、この世の地獄の様な光景が映し出される。
建物は崩壊し、親を探し泣きじゃくる子供、瓦礫を必死にどかそうとする人、車から出れなくなっている人、パニックになり、叫んだり、走りまくる人。あまりの悲惨さに目を背けたくなるがそんな暇はない。
私は急いでオーダーを出す。
「怪我人と、瓦礫に埋まった人を最優先に保護、パニックの人を誘導に三体回して、誘導する機体や、救助する機体は、サボたん(仮)あなたの指示で動かして、私は優先して救わなければいけない人を判断していくわ!」
「了解しましたマスター、1.2.3.号機君達は、誘導を頼む、4.5は、私のサポート、後の皆は、各自、保護を頼む」
そう指示を出すサボたん(仮)
私は上空から見てわかる、崩壊が危ない所、命の危機が近いものをピックアップし、その都度伝える。
そして、そこに必要な台数をサボたん(仮)が計算をだし、各自に指示する。
だが、突然来た機械に人々は恐怖を示す。
これは、救助の妨げになると思い、私はAetherionから、拡声機能を使い呼びかける。
「私達は、ルクス・アスピラです、皆さんを救助しに来ました、その、ロボット達は私達の仲間です、安心してください!」
そう言うと安堵感が生まれ救助より捗っていく。
「私は、花丸、オモシロイロボットですので、安心してください」
サボたん(仮)も、安心付けようと頑張ってる。本当にいい子に育っていく。
私の指示、サボたん(仮)の指示で、てきぱきと進み救助が進む。途中からは、6体のサポーんを目標地点につけ、応急手当をしていく。それでも犠牲はやはり出る。もう救助は間に合わない、しても意味がないと私が判断した人、、救助しても命を紡げなかった者、、、
私の手から命がすり抜けていく感覚、無力感に押しつぶされそうになるが、折れるわけにはいかない!
そして、
遂に、
10時間をかけ、
ここら編一帯の救助を終える事に成功した。
救助に成功した人数1万6385人。死者数不明である。
私は目標地点の人たちを全員機体に移し、救命室にいれるべき人を選別し移すようにサポーん達にオーダーを出す。軽傷者には、普通に座ってもらい家族と離れ離れになっていた者達など各々に、点呼をとってもらい再会を果たしてもらう。そして、会えなかった人達を落ち着かせ、1人1人名前を聞いていく。名簿に記録し情報の保存。サボたん(仮)達のサポートもあり、なんとか作業を終えていく。
そして、時折、命の危機がある人達をを病院に降ろしてく。一箇所では無理なため、何箇所も転々としたが着実に少しずつ預けていく。
重傷の人殆が、名前等の情報を伝える事が出来ないため、サボたん(仮)が映像と、どの病院に送ったか、紐付けし保存していく。
「行きより、帰りのほうが速いてのは嘘みたいね」
つい愚痴こぼしてしまう。
「マスターもう少しです、頑張りましょう」
そう元気付けてくれるサボたん(仮)に力を貰い頑張る。
少しずつ作業は進みようやく、研究所にたどりついた。
「皆さん、私達の研究所にたどり着きました、もう安心してくだい!ここなら当分の間の備蓄や、住める環境があるので、安心してください、お金の事や、食料なんかも安心してください、我が国の自衛隊にたんまり要求するんで!」
そう言うと、ちらほら笑顔が出てくる。よかった。
、
、
そして、皆さんを研究所におろしていくと、そこには
皆がいた。研究所の皆だ。
環境を整えつつ待っていてくたらしい。
そこから研究所の皆が、移動していい場所、連絡手段、施設の使い方を説明し、自己紹介をしていく。
ようやく、終わったんだ。
そうと思うとどっと疲れが押し寄せて来た。だけどまだ2箇所あると思い足腰に力を入れると、所長が近づいてくる。
「安心しろ、あと2箇所は我が国誇る自衛隊クストス・インウィクトゥスが救助活動を始めてる。よく頑張ったな、少し休め」その言葉を聞くと、気絶するかのようにその場で眠ってしまった。
視点変更 映像を見る青年 有矢
俺はそのあまりのリアルに、現実に、悲劇に、衝撃に、恐怖に、熱意に言葉を失っていた。
「有殿これは、こんな事が現実にあれば、、」
「俺らの星にもしこの木が、華が、来たらどうなるだろな、、俺達人類は、否、星はこの衝撃に耐えられるのか、、」
俺等は映像を静かに観る事しか出来なかった。
まだまだ序章です。
読んでくださってありがとうございます。
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