表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0から1へと 天から地へと  作者: Nel²
1章 「死をもって悪を知る」
2/3

1 私と私 俺と僕

声ガスル


ダイスキデ、ダイキライデ、ニクイアノ人ノ声


友人でも家族でも恋人でもないその声は


私の脳に焼き付くような声をしていた



「....ここは?」


目が覚めると私は知らない天井を眺めていた


そこで私はしくったと思った


この状況なら「知らない天井だ...」ということができたのに


私は鷹にも負けを取らない速さで起き上がるとすぐにあたりを見渡した


周りにはほとんど何もない


本当に何もないのだ


特出すべきところはまるでダンジョンの中に来たかのように錯覚させる正方形の模様が入った壁と床だ


「この床はなんか学校を連想させるね...」


とりあえず状況を把握しよう


まずは寝る前に何をしていたかだ


えーと確か....


...何も思い出せない


ってか私って誰だ?


自分の名前すら思い出すことができない


自分の姿も親も地元も仕事場も友達も!


そもそも私は働いていたのだろうか...


これは困った


どうやら私は記憶喪失らしい


こういうのは漫画で何かきっかけがあれば記憶が戻るというのを見たことがある気がする


まあきっかけも何も思い出せないから詰んでるんだけど


まあいったん記憶のことはおいておくとしよう


さて大問題なのはここがどこかわからないということだ


見渡す限りに壁、壁、壁


大体10mくらいの長さの壁に四方をおおわれているのだ


「...デスゲームか何か始まるんじゃないか?」


そうなったら当然私には人を殺す勇気なんてないため真っ先に死ぬだろう


とりあえずここから脱出しなければならない


それが第一目標である


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


...何日経っただろうか


もうおなかもペコペコで今にも死にそうである


ああ...こんなことなら新作のパフェ食べておくんだった...


ばななとチョコ、そして新作アイスの入ったいかにもおいしそうなパフェ


高いからと食べずにいたのを今更になってとても後悔した


ああ、誰でもいいから超絶美少女の子が助けてくれないかなぁ...


ガチャリ


まるでドアが開いたかのような音が当たりに鳴り響いた


ついに幻聴まで聞こえるようになったか


この空間にドアなど見つからなかった


その為この音を幻聴だと思っていた


「だれかいるの?」


透き通るような美声があたりを満たす


誰もが聞きほれるような美声


これがセイレーンの声といわれても私は全く疑わないだろう


ああ、ついに天使が舞い降りてしまったのか


そう思い私は声のした方角へと顔を向ける


そこには天使でも悪魔でもなく、紫髪の猫耳の生えた少女が立っていた



私はあっけにとられているとその少女は私に話しかけてきた


「えっと...大丈夫?」


ああなんて可愛いんだろう...じゃないじゃないなんか返事をしないと


「あ、え...あ」


ここずっと水を飲んでいないせいか声が出なかった


それでも、ふり絞って声にもならないような声を出した


「み...ず....」


それが私と彼女の出会いだった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ