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ギルティカフェ第四話「天使」 

 赤い花畑に二人の男が佇んでいる。アノンと...四角い正方形の頭で、上には天使の輪っかのようなものが浮かんでおり、スーツにはたくさんのトランプが貼り付けられている男だ。二人は言い争っていた。


「今の天使達は暇なのか? わざわざこんな辺境まで罪人を探しにくるなんて...もっとやるべきことがあるはずだろう?」

アノンは四角い頭の男に煽りながら続ける。

「だから天使は嫌なんだ。人間界を全く守らずに堕落して...悪魔のほうがよっぽど働いているじゃあないか!」

四角い頭の男はアノンの言葉に全く動じず、ただニヤニヤしていた。


「働き過ぎもよくないんだよアノン。どうせ人間はそのうち滅びるからな」

四角い頭の男はアノンに侮蔑の笑みを浮かべた。

「更にいえばお前はそんな人間ども以下のクズだ。勝手に人間の運命を変えてからに...」


 男は冷静な口調で話を続ける。

「お前はよりにもよって悪魔なんかに助けを求めた。天使とは敵対する悪魔にだ! ああおぞましい! 吐き気がする! できるなら今この場でアノン! お前を殺したいところだ!」

男はだんだんと口調を荒げていく

「どうせ今その悪魔といっしょにいるんだろう? すぐに案内しろ! 今ならそれで上も許してくれるとよ!」

アノンは怒りを抑えながら答える。

「罪の無い少女を殺そうとした屑を断罪しただけのこと、それの何が悪い! 人間にできないなら我々天使がするべきことだろう!?」

アノンはだんだんと怒りをあらわにして続ける。

「堕落した天使共に変わって私がやっただけだ! そしてリリーはそれに応えてくれた! 悪魔の方がよっぽど正義の心を持っているではないか! このクソどもが!」

アノンは興奮をおさえられなくなっていた。かつてないほど冷静では無くなっていたのだ。


 それをあざ笑うかのように男はアノンの胸ぐらを掴み、頬を殴ってきた。

「いいから案内しろ? お前の戯言に付き合っている時間はな...うがっ?!」

アノンは男の顔に出てきた血を飛ばした。なんとその血は酸のようなもので男の顔を溶かしてしまったのだ!


「ぐああああああああ! き、貴様!」

アノンはその苦しむ様を見て嘲笑いながら

「勉強不足だったな? 私の血は酸と似たような性質を持っているのでね? ...! ハハ! 正方形頭から台形になってしまってるなあ!? 自慢の正方形が溶けてどんな気持ちだい????」 

頭の形が台形になった男が激昂し、アノンを殴りかかろうとするが、アノンの口から大量に吐き出された血で頭に続いて上半身も完全に溶かされ、下半身だけになってその場で死んでしまった。


「...また天使共が来るかもしれない...私の店...そしてリリーとカラを守らねば...」

アノンは呟きながら自分の店に帰っていった。


 店に帰ってきたアノンに残っていた二人はすぐ駆け寄ってきた

「ア、アノンさん! 怪我はないですか!」「おいアノン! どうだったんだ結局!?」

あわてる二人をなだめるようにアノンは

「ああ また忙しくなるかもな。とりあえず今日はもう休ませてくれ」

とアノンは店の奥に入っていった...



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