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氷砕ける時  作者: 六福亭
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 チェロアが顔を見せたのは日が暮れてからのことだった。顔色が悪い。気分が悪いのかと思っていると、ぬっと顔を上げ彼女は尋ねた。

「元気?」

「それは僕が聞きたいよ」

 彼女に気がついたリートが、飛び上がるように寄ってくる。

「チェロア姉さんっ」

「リート君! 会えなくて寂しかったわあ。いい子にしてた? お腹は空いてない?」

「ハイ」

 リートは満面の笑顔でうなずく。やっぱりこいつ、しゃべれるだろ。

「何しに来たんだよ」

「あら、ご飯を持ってきてあげた……」

 不自然にチェロアが言葉を切った。窓の外に向けた顔は笑みを残したまま固まっている。

「どうした?」

 外からわざと作ったような高い声が。

「どうしたぁ?」

 僕はとっさにチェロアを押しのけた。胸が早鐘を打っている。この声にも聞き覚えがある。嫌になるほど。

 外にいたのは一人じゃない。でかい図体の男が雁首揃えてずらずらと、皆締まりのないにやけ面でこちらを見ている。

 スナネコ団。


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