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あまり長編にはならない予定です。


小説の世界という設定なので現実の中世や西洋とは異なります。


色々とゆるゆるです。

物心付いた頃から私には見知らぬ世界の記憶があった。


そこで嵌っていた恋愛小説にこの世界がそっくりだと思ったのは私が7歳の頃。


そして私が10歳になった時、この世界が小説の世界だと気が付いた。


そして3歳年下の愛らしい妹が10年後に死ぬ事を思い出してしまった。


きっと私の記憶は前世と言われるものの記憶だろう。


この世界よりももっと文明が発達していて、建物も乗り物も立派な世界。


そこには貴族なんておらず、貧富の差はあれど皆平等が謳われ、この世界のようなあからさまな身分制度も差別もなく、義務教育という制度で子供達は皆学ぶ事が出来、病気になれば病院に安価でかかる事が出来る世界だった。


その世界で私はごく普通の女子高生として生き、死んだ。


恐らくは事故で死んだのだと思うのだが、そこで生きていた記憶はあれど、自分の顔や名前や死因等ははっきりしない。


小説のタイトルも思い出せないのだが、内容だけはしっかり覚えているので内容をざっくりと説明すると、私の妹アンナミラーが8歳で第二王子と婚約し、その7年後に聖女が現れる。


聖女と公務で顔を合わせる頻度が増えると第二王子と聖女は徐々に惹かれ合うのだが、それを知った教会が聖女と王子の結婚により教会の勢力を拡大させようと画策し、邪魔になる婚約者(妹)を毒殺し、その罪を婚約者の侍女に被せる。


失意の王子を支えた聖女はその後王子の婚約者となるが、教会の悪事を知り、自分のせいで元婚約者が死んだのだと苦悩しながらも教会の悪事を暴くべく王子と協力してその証拠を探し出し教会を断罪。


その後あーだこーだ(ここ説明すると長くなり過ぎる)あり王子と聖女は国中に祝福されて結婚してめでたしめでたし、という内容だった。


アンナミラーは現在7歳。


王子と婚約するまであと1年。


可愛くて仕方ない、もう天使のような妹が死んでしまう未来なんて絶対回避しなければならない。


王子は現在10歳。私と同じ歳である。


ここでふと思った。


あれ?王子の婚約者って私でもよくないか?と。


同じ歳ならば私が婚約者でもいいはずだ。


なのに何で3歳年下の妹が選ばれる事になるんだ?


その謎は数週間後に解けることになる。


私に婚約話が持ち上がったのだ。


相手は2歳年上の公爵家嫡男のエルドリック・ディスバリー様。


前世の事とか何も知らない私ならばきっと直ぐに飛び付いたであろう婚約話だ。


何せエルドリック様ってビックリする程の美形なのだ。


妹の婚約者になる(予定だが未定)王子も挿絵で見た限りとんでもなく美形だがエルドリック様とは系統が違う。


エルドリック様がクール系な美形で王子はアイドル系美形。


私は断然クール系が好みなのだが、この婚約を受けてしまうと妹が王子の婚約者になってしまう。


妹が王子の婚約者となるよりは、未来を知っていてある程度自己防衛出来る可能性のある私が王子の婚約者になった方が生存確率は格段に上がると思う。


ならばここは妹にエルドリック様との婚約を押し付けてしまえば良くないだろうか?


詳しく話を聞いてみると、ディスバリー家からの打診は我が家の娘を、というもので、私を名指しで指名してきている訳ではなかった。


ただ5歳年下の妹よりも2歳年下の私の方がいいだろうとの両親の計らいで私にその話が来たという訳だ。


おっと!うっかりしていた。


私の名前はジュリアンナ・チェスタートン。


チェスタートン侯爵家の長女である。


私の上には兄が2人いて、私はチェスタートン家の3番目の子供になる。


妹は末っ子で、皆に愛されるとても可愛らしい天使である。


私は妹を死亡ルートから脱却させるべくエルドリック様との婚約話を妹に押し付けた。


両親は驚いていたが、私と好みが似ている妹は頬をほんのりと染めて満更でもない様子だった。

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