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タマショックから始まったダンジョンの存在する現代生活  作者: 工具
02_自主的縛り人生でハクスラな遠征するよ
62/68

02-26

 本日は二月二十日木曜。次の遠征出発が明後日に迫っている。

 明日の午後は体を休めて遠征に備えたいし、今日はがっつり訓練を――その前に遠征準備帰還の最初に作ったリストを確認しておこう。やるつもりだったのに忘れててやってないことがあるかもしれない。

 出でよメモ帳――ではなく≪[無尽]の【魔本】≫。


 ダンジョンダイブ用靴下とアンダーウェアの魔具化。

 主砲的な一発がでかい魔術を用意する。


 最優先のこの二項目は完了してる。

 切り札な魔術の習熟はいくら時間をかけても満足できるとは思えないから、余った時間を全部次ぎこむくらいで妥協しよう。

 あえて言うならあの魔術に名前を付けないといけないのか。複数の魔術を段階的に発動していって最終的にデカイのをズドンとやる(たぐい)は<儀式>になるし、個々の魔術とは別にひとまとめにした名前もあった方が良い……って教わったハズ。どないしよ。


 [箱段]の中身をそのまま取り出せないかを確認する。

 電子レンジみたいな魔術が欲しい。

 戦闘中に武器を持ち替えられないか考える。

 魔器なしでの魔術の練習。


 やることリストで他に消化できたのはこのあたり。

 電子レンジ魔術は微妙なラインだけど、上から三項目は[倉庫]の魔術で解決した。

 魔器なし魔術は[魔術]の魔術でどうにかなりそう。術式の暗記という最大の壁が立ちはだかってるのは追々ガンバル。ガンバレ未来の僕。


 [封入弾]に<呪術>を込めた時、どういうプロセスで<呪術>がかかるかの確認。

 マッサージみたいな疲労を持ち越さないための魔術が欲しい。

 [造水]と[喞筒(そくとう)]の組み合わせて一つにしてみる。

 [貫通弾]と[炸裂弾]を混ぜた魔術を作る。


 この辺はすぐじゃなくていいかなー。繰り越し課題にでもしておこう。

 遠征までの一日半は、[魔術]を組み合わせて更に威力の向上を目指し切り札な魔術の練習に使う。


 よし。やるぞおらー。


 制御に結構苦心してた<儀式>が[魔術]の魔術で様変わりしてうひょー。これちゃんとした名前つけたらたぶんまた感覚が変わるんだろうな。




 まるで修行パートかのような一日半と、休養の半日、それぞれを全力で過ごした僕は人生三度目の遠征に出発する朝を迎えた。三度目だったかな。四度目の気もする。二度目や五度目じゃないのは確かだ。


 前回との一番の差は言うまでもない。愛染(あいぜん)弁柄(べんがら)躑躅(つつじ)が持たせてくれたお弁当に、あったかいものや熱いものが含まれている。


 [倉庫]の魔術で収納した物が痛まないかどうかは、水晶球を半分に割ったみたいなプルプルした餅のような何かを愛染(あいぜん)が僕の目の前で作り、完成と同時に僕が[倉庫]の魔術でそれを収納して翌日皆で食べてみることで検証した。愛染(あいぜん)(いわ)く、常温での賞味期限が三十分程度の状態で収納したため、翌日になっても味が落ちてなかったし大丈夫だろうとのこと。

 結果的にお弁当が痛んじゃっても僕がお腹壊すだけだしなんの問題もない。あ、その時は食材が勿体ないから問題はあるか。


 今回の遠征に関しては、レベル三≪武装人形≫カスタムと遭遇する辺りまでは前座にすらなりえないのでサクサク進む。[肉体強化]と[身体強化]と[拙速]を併用して全速力でダッシュしつつ、邪魔な≪武装人形≫は≪[金剛][惨刑]の【槍】≫で軽く突き倒していく。

 魔具が残ったら回収のために足を止めないといけないなあ。今のところないけど、そうなると魔具が拾えるのはうれしいのか面倒くさいのか分からなくなる。


 走り続けながら魔具を拾うには、サイコキネシスみたいな触れずに物を動かせる魔術とかどうだろうか。[サイコキネシス]は超能力なのか魔術なのか、みたいなのを最近のニュースで見た覚えがある。

 [肉体強化]に適した魔素が精気として呼び分けられてるし、<呪術>に適した魔素を呪力とか呼んだりするんじゃないかな。そこからさらに発展させて、今考えてた[サイコキネシス]みたいな物理法則に干渉する魔術に適した、サイキックパワーみたいなのも存在するんじゃないだろうか。

 なんか思考がそれてる気がするけど、大事な事な気がするから次の小部屋でメモしておこう。


 呪力とかサイキックパワーとかのことを忘れてしまう前に小部屋を発見し、安全を確保したうえであれこれ想像を広げながらメモを取ることができた。これでもう忘れでも大丈夫。

 そうすると元々何を考えていたのかを思い出した。走りながら≪武装人形≫を倒したときに魔具が残ったらどうするか、だ。


 休憩ついでにちょっと悩んでみて、思いつかなければ[サイコキネシス]の魔術を作ってみれば良いかと雑にまとめようとした瞬間、パッと閃いた。

 愛染(あいぜん)達とは違って明確な自我を持たない、僕の後ろについてきて魔具を拾うだけみたいな魔術生物を<生成>してみるのも良いんじゃないかな? 魔具と判断するのは魔素の保有量で識別するとか、それで上手くいかないなら僕がマーキングした物を拾うような半手動でも別にいい。

 ちょっと大変そうでもこっちの方が面白そう。メモしておこう。


 うし。気分も上向いた。ガンガン進むぞー。

≪[無尽]の【魔本】≫

§それは魔本である§

§それは尽きることが無い§


≪[金剛][惨刑]の【槍】≫

§それは槍である§

§それは金剛である§

§それは惨たらしい刑罰をもたらす§

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