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【未完】タマショックから始まったダンジョンの存在する現代生活  作者: 工具
01_自主的縛り人生でハクスラ

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01-23

 さて今日は午前中で≪実践道(じっせんどう)≫を切り上げてちょっとやることがある。手持ちの武器を一通り振り回してたらお昼御飯を食べた後までかかっちゃったから、厳密には午前午後の区切りじゃないんだけど気にしない。

 使えるようになったらしい二つ目の【神壇(しんだん)】を半月以上忘れてたので確認しよう。


 昼になってキリが良いしと午前中に拾った魔具を≪[開示]の【神壇(しんだん)】≫で確認しようとエントランスに来て、その時やっと二つ目の【神壇(しんだん)】のことを思い出した。

 同じような機会は何回もあったのについさっきまで思い出すこともなかった。

 せっかく使えるようになったはずなのにちょっと勿体ない気もする。


 ま、困ってないし後悔するほどじゃないか。とりあえず名前すら覚えてないので≪[開示]の【神壇(しんだん)】≫に左手で触れたまま、もう一つの方に右手でぺたり。


≪[開示]の【神壇(しんだん)】≫

§それは神に近づく場所§

§それは明らかにして示す§


≪[融合]の【神壇(しんだん)】≫

§それは神に近づく場所§

§それは溶かし合わせ一つにする§


 そんな名前だった。ちゃんと覚えておこう。


 名前はさておき[融合]か。≪[結合]の【根付】≫って魔具を持ってるし、≪[抽出]の【根付】≫と併せて魔具の魔術を別の物品に乗せ換えたりしてるけどなんか違うのかな。【神壇(しんだん)】とか言う上に使用権限を与えられないと使えないなら多分ただの魔具とは別物だよな。


 わかんないもの考えても仕方ない。思いついたことを試してみよう。となると一回帰って魔具を放り込んである部屋漁ってみよう。実験台に丁度いいのがきっとある。




 家へ戻って魔具を放り込んでる部屋を漁ろうとしたら愛染(あいぜん)にインターセプトされ、事情を説明。使うことはないだろうと判断した魔具の魔術を抜き取って封入した積木のセットを持ってきてもらった。


 多分過去の僕は魔具が積み上げられていく部屋を見て整理したいと思い、ふと積木セットが視界に入り、きちんと箱に入れれば嵩張らないとか、小さすぎて紛失することはないとか、込められた魔術に関して直接魔具に書いて問題ないとかの理由で積木セットを魔術の入れ物に選んだんだと思う。

 魔具になった積木には込められた魔術の名前やどういったものかが書いてあるので三つ目の理由にはちょっと自信がある。


 とりあえず積木に書かれた魔術に関する説明を読んで一番要らないだろうセットを持って≪果てへと至る修錬道≫に戻り、≪[融合]の【神壇(しんだん)】≫であれこれ試し始めた。

 試すというか、≪魔術道(まじゅつどう)≫の師匠に貰った大体のマニュアルに書かれていることを確認する作業みたいなものだ。


 まず、今まで≪[抽出]の【根付】≫を使って魔具から魔術を[抽出]し、その魔術を≪[結合]の【根付】≫を使って入れ物として用意した別の物品と[結合]することで使いやすい魔具を作っていた。

 魔術を[抽出]された魔具だった物は魔素に還る――別の表現をするなら消えてなくなる。そして物品同士の[結合]はできない。


 高校に入ってから≪実践道(じっせんどう)≫へ行くときに身に着けている防具類はこの魔具二つを使うやり方で用意した。


 欠点は魔具としては強度に難があるし、元の魔具のまま魔術を使うよりも別の入れ物に魔術を移した後は魔術を使いにくくなっていること。

 強度に関しては市販品だと内包する魔素が少ないのが理由で、魔術を使いにくくなるのも多分同じ理由だと思われる。


 婦人もののブラウスに振袖を羽織ってマフラーを帯代わりに締めてテンガロンハットかぶるよりも、今のライディングジャケットとライディングパンツにプロテクターの方が比べる必要がないくらい動きやすいので多少の強度の差は気にしていない。あの頃にはもう戻りたくない。


 それに対して≪[融合]の【神壇(しんだん)】≫を使うとどうなるか。


 魔具と新しく魔術の入れ物とする物品を融合すると、入れ物にしたい物品に魔術が封入されるし魔具だった物は魔素になって新しい魔具の強化に利用される。


 無駄がない上に完成品の性能が高い。すごい。


 あと二つの物品の形をそのままにくっつけることもできる。

 この場合は魔素に<還元>される部分が少ないほど強度の底上げは小さくなる。

 そう。三角と丸と四角と棒をくっつけた元積木の木製おでんのように。勢いと思い付きで作ったこれどうしよう。腕六本脚六本顔三個の阿修羅美少女フィギュアも作れるんだろうな。絶対にやらない。


 木製おでんを目の前でゆらゆらしていたらふと思いついた。

 同じ魔術を封入されている二つの魔具から同時に魔術を[抽出]し、その魔術を≪[合一]の【根付】≫で一つにまとめて新しい入れ物に[結合]したらどうなるか。ちょうど積木セットの残りに同じ魔術の魔具が四つ残っているので試そう。


 結果、[合一]させる前よりも魔術が使いやすくなってるし出力も上がっている気がする。なんとなく。

 もしや、≪[隠密]の【アームバンド】≫の隠密力が高いのは複数の魔術を[合一]させたくらい上等な魔具だからだろうか。普通に考えてちょっとくらいの[隠密]で公権力側のヤベー人達に居ない者扱いされないよね。


 あ、今僕[抽出]と[合一]と[結合]で三種の魔術をバラバラの魔具で同時に使ってた。しかも一つの魔具で三つの魔術を使うのと感覚が違う。

 これって魔術の修錬に良いんじゃないの。それ以前に前から[抽出]と[結合]は同時に使ってたってことだ。二種の魔術を同時に使う感覚を掴もうとしてたあの時間は一体何だったのか……。

≪[開示]の【神壇(しんだん)】≫

§それは神に近づく場所§

§それは明らかにして示す§


≪[融合]の【神壇(しんだん)】≫

§それは神に近づく場所§

§それは溶かし合わせ一つにする§


≪[抽出]の【根付】≫

§それは根付である§

§それは抜き出す§


≪[結合]の【根付】≫

§それは根付である§

§それは結びつく§

§それは合わさり一つになる§


≪[合一]の【根付】≫

§それは根付である§

§それは一つにまとめる§


≪[隠密]の【アームバンド】≫

§それはアームバンドである§

§それは人の知覚から隠す§




――本日の戦果――


≪[収縮]の【マフラー】≫

§それはマフラーである§

§それは強くしまる§

§それは縮む§

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