性分
性分
安岡 憙弘
○私はいつだって決まって涙がこぼれおちそうになると、どんなときでも、壁を叩いてでも、泣くのを阻止するのです。
○私はいつだって決まってよく理解のできない罪悪感にとらわれていたのだった。しかし考えてみれば悪いことをしない、悪さをときどきあらわさない者などいないから、いつも正しい心で清く生きてるのは不自然であるとおもわれるのだったのであった。
○善いことはいつだってきまって自分の為にやっているもの。誰でも、言わばクセであるのであった。
○天才フロイトの言うように無意識は隠しおおせないなら僕らはすっぱだか同然としか言いようがない。