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68 リサとモフモフうさぎ

「ただいまっ、ラヴィちゃん。ありがとうリサ、マッテオさん、それと阿、吽。色々あったけど戻って来たよ」


 ボロボロで血が滲んだ服を着たモフモフさんが立ち上がって言った。


「感無量である、兄者」


「無念であったのが感無量とはな、弟者」


「摩訶不思議であるわな、兄者よ」


「全てこの男のおかげよ、弟者よ」


「うるさいのっ阿吽(あうん)、リサはこれからお話があるから、リサのお話する時間なの。モフモフうさぎ、黒うさぎ、お前はリサにたっぷり借りが出来たの、だから、リサにたっぷりお返しするの」


 可愛い顔をして、相変わらずのリサが生き返ったばかりのモフモフさんに念押ししている。それを見て、マッテオさんが苦笑いをしている。


「そうだなっ、俺も話が聞きたいんだが……」


 恐る恐る言ってみたマッテオさんだったが、キッとリサに睨まれて速攻で諦めたようだった。


 ――――――――――――――――――――


 俺たちは境内から寺の建物の入り口に移動して話をした。あの大きな金剛力士像の阿、吽も話が聞きたいらしく付いて来たので、お堂の中には入らず入り口でモフモフさんの話を聞いたんだ。


 その後に俺の方の話、つまりマッテオさんと出会って、リサと合流して、階段を登ったら踏み潰されそうなモフモフさんが居たってとこまで話をしてから、みんなで考えた。


 結論はこうだ。モフモフさんの出会ったマッテオさんとリサは、今俺達が居るこの世界では消えてしまった。


 だけど、俺、ラヴィアンローズが出会ったマッテオさんとリサは、ここに来るまでモフモフさんの事を知っていなくて、モフモフさんと会った途端に死んだ事を思い出した。


 つまり、俺とモフモフさんは別の世界にそれぞれ居たんだが、バグが起きて世界が一緒になってしまって偶然鉢合わせてしまった。その途端に今の世界の記憶……記録がマッテオさんとリサに流れ込んで、モフモフさんに1度出会って殺された事を思い出した。


 多分これが1番説明がつく話になったんだ。


 リサにバグの説明をするのが大変だったのと、リサがみんなを、花達を見て来るって言い出して、ついでにモフモフさんも連れて行かれる事になって、結局みんなで花の回廊まで1度戻ったりして、なんやかんやでやっとロゼッタの屋敷にたどり着いた訳で……


「ロゼッタ姉様のお屋敷って、結局このお寺の事でよかったのかな?」


「そうよ、ローズ。ロゼッタ姉様はこの奥に隠れているの。だからリサが呼ばないと出て来ないの、それからモフモフうさぎっ、黒うさぎ、その手の危ない奴を起こさないのよ。リサ、そいつちょっとだけ怖いんだから、約束なの」


「もう二度と傷つけない。約束だっ」


 ボロボロを着たイケメンのダークエルフ、モフモフさんが両手のガントレットを見ながらこたえた。


「モフモフさん、それがもしかしてライジングサン?」


「うん、そうなんだ。本当は1対の双剣なんだけど、何故か今はガントレット。でもこの方がいいや、あいつ自分から動き出して暴れたりする、相当タチの悪い性格をしてんだ」


(あいつって、どういう事?)


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