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56 良い変化、悪い変化

「リサ、お話しの途中で悪いんだが、俺とラヴィちゃんはちょっと急いで先に行かなきゃならないんだ」


「……先って、ロゼッタ姉様のお屋敷?」


「まぁ、そこも通り過ぎるけどな。もっともっと先なんだよ。色々あって、急がなきゃならないんだ」


「……色々って何?」


(リサはちゃんと話さないといけないタイプだった。うーん、手短かに完結にわかりやすく……)


「俺さ、誰かに操られてしまって、人を傷つけて縛ってそのままにして来たんだ。その人は俺の娘みたいな年頃で、訳もわからないまま俺から襲われて、きっと今でも縛られたままで怖い思いをしていると思う。ラヴィちゃんが俺の目を覚ましてくれたおかげで、こうやって助けに行こうって気持ちになったんだ。それでさ、俺1人で行くとまた怖い思いをさせるかも知れないから、ラヴィちゃんにも一緒に来て貰って、あの女の子を助けるのを手伝ってもらうところだ」


(どうかな? リサに伝わったかな?)


「ローズ、本当なの?」


「ええ、リサ、マッテオさんが言ってる事は本当よ。見てこの写真、身体中を切り裂かれて血塗れのロープで束縛された可哀想な女の子。もしもこの子がマッテオさんの娘さんだったらなんて……そう思ったら、わたし居ても立っても居られなかったの」


(おいおい、そこまで酷く切り裂いたりしてないだろっ。その写真を見ても、もうちょいソフトだったと思うけどな)


「マッテオ、助けるの?」


「ああ、助ける」


「じゃあ、リサも行く」


「えっ? お前も来るのか」


「ローズ、良いでしょ?」


「うんっ、リサが一緒なら心強いわ」


「決まりよマッテオ、行くわよマッテオ、ロゼッタ姉様にお話ししてあげる。リサが言ったら通してくれるから、ロゼッタ姉様はリサの言うことは全部お見通しだから、怖く無いのよ。全然怖くなんか無いのよ」


(……知ってる。そもそもお前に手伝ってもらうつもりだったよリサ。ロゼッタはお前無しじゃ俺には無理だからな)


「リサ、ロゼッタ姉様ってリサのお姉さまなの?」


「うんっ、リサの事を大好きでとっても大事にしてくれるの。ロゼッタ姉様はいつまでもリサのお姉さま。だから早くローズの事を紹介したいの、リサの心が弾んでるのっ、ロゼッタ姉様がなんて言うか楽しみなリサが居るの」


 リサとラヴィちゃんが立ち上がった。


「みんな〜、リサお出かけしてくるねっ。……うん大丈夫、みんなもゆっくりしてね、行ってきます」


(リサって花と話す時だけ普通に話せるんだな)


 マッテオがリサの様子を見て思った。


「じゃあ行こう。リサ、頼むわ。ロゼッタにはリサから話して貰うと凄く助かる」


「心配要らないマッテオ、マッテオは心配しすぎ、みんなが早く助けてあげてって言ってる、マッテオの娘を助けてあげてって言ってる……」


(いや、その写真の子、俺の娘じゃないし……えっそうだったっけ? 俺の娘……俺の娘だったのか? そんな気がしてきた……写真をもう一度見ないと)


 リサとラヴィアンローズは手を繋いで先を進んでいる。遅れてマッテオがついて行くが、その顔は浮かない顔。予想外の情報がマッテオをどんどん変化させているのであった。

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