表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
427/467

46 夜の豹、改めナイトパンサー

 新しい*ギルメンが加入して大所帯となったギルド夜の豹は、心機一転ギルドの名称をナイトパンサーに変更していた。そもそも巷でも、誰も夜の豹とは呼ばずにナイトパンサーと呼んでいたので、ギルメン達にとっても変更されたギルド名に違和感はなかった。



 ◇◆


「リッチーってあんたの剣じゃ斬れないでしょ。もう『ミストラルの剣』は使えるようになったの? ちょっと聞いてる、AZニャに言ってんのっ」


ガキーン、ガキーン


「あっ、それ僕に言ってたの? ちょっとごめんっ、今それどころじゃないし! それより巴さん援護してちょ」

「うぉりゃー、セカンドセレイド・クロスファイヤー」


バンッ、バスッバンバンバンッ


「うへぇ、ダッジさんの火剣キター! 凄えぇ。霊体のリッチー斬れるんすかっ」

「おうよっ、任せろっ! AZニャ。それより巴ちゃんっ、左の街道側頼むわっ。俺んとこのメンツにゃリッチーはちと厳しい」

「了っ」


 魔弓士ミドルクラスを突破した巴御前が、ブルーのオーラを纏った弓を手に叫ぶ。


「ちょっとあんた達っ、レインアローを上から撃つよー。1箇所に集めたらせーので退いてぇ」


キン、ギンッ、ズバっ


「ぎゃぁ痛え、やべー死にそう、ちょっち斬られたぁ」

「巴さん助かりますっ。こいつら愛愛愛(スリーラブ)の普通の剣じゃ斬れない。魔法じゃないと無理ですっ!」

「何でもいいけど属性エンチャントが付いてりゃダメージは入るよぉ。あとは本人のスキル値が高いかどうかだけ、属性の相性もあるけどねぇ、ほらっ退がって。行くよぉっ、スパイラル・レイン・トルネードォー」


 巴御前が放った矢はノーガンミールの青い空気を切り裂いて空高く打ち上げられた。そして矢が光と化した瞬間、渦巻きのエフェクトと共に矢の雨が地面に突き刺ささった。


ズバババババババババババババババババババ


「「「「ヒグゥエァァァァァァァァ」」」」

「「「「ヒギィヤァァァァァァァァ」」」」


 10体は居たリッチーが、水属性の矢の雨に打たれて悲鳴をあげる。身体じゅうに開いた穴から白い煙がもうもうと立ち昇る。


「今よっ、穴が空いたんだから実体化したわ。さっさと突っ込む! ほら行けこらぁぁー」

「はいよー、ミタラシたん行くぜぇっ無理すんなよぉ、おいらの後ろに続けー。だあぁぁ」


バシッ、バスッ、ズババっ、ガチーン、ザクッ、ババババババ


「おうおうやるねぇ愛愛愛(スリーラブ)ちゃん。僕の出る幕ないじゃんっ」

「せりゃー、とうっ、そりゃあよっ、はいっ、ふんっ、剣が当たりゃこいつらぐらいどうって事無いんだっ、おりゃぁっ、いっちょあがりっ!」


 リッチーが着ていた黒い布が全て切り裂かれて奴らは消滅した。愛愛愛(スリーラブ)の剣撃によって弾かれた、リッチーズクラウドピックが地面に残されている。


「わおっ! やるじゃんスリーラブくん。そっちはよしっ、ほんじゃミタラシたんは材料拾っておくことね、ってガルさんはどこ行ったの?」


ドコ ドコ ドコ ドコドコドコ


「うぉぉぉぉぉお、タミメータ見つけたァァァァァ」


 右の街道の枝道から地面が揺れる音と、ガルフの叫び声が聞こえた。


「どこ行ってんのよ、大声出すなとか色々言ってたのに自分は森の中?」

「タミメータっす、えっとえっと『ギリュウワル・ソード』はどこだぁ」


ドンドンドンドンドンドンドン・・


「1匹じゃなさそう、もう来るよっ、さっさとしてっ。あーもうそもそも盾役がモブを引っ張ってくるんだから、誰が他に盾になるのよっ? AZニャ、あんた我らの尊い犠牲になりなよっ」

「やだよぉ〜、俺じゃぶっ飛ばされてから踏み潰されて終わりだよぉ。まじ怖えんだぞぉ」


 尻込みするAZニャを押しのけてダッジが登場した。


「うしっ、ガルフさんと入れ違いで俺がタンクするからミタラシたん、回復とバフ頼むぜっ」

「了解だよぉ団長、じゃなかったダッジ。アイダブケイ」


 =ダッジのプロスペクトタワーシールドの防御力が2倍になりました=


「ワゥワゥわああ、もう来るよぉ。ホーリオール」


 スリーラブ(愛愛愛)が近寄って来て回復魔法を唱えた。

 ポワワーンという音と共に金の魔方陣が地面から浮かび上がる。


 =パーティメンバーのHPが回復しました=


「すまーん、気配がしたー、ビンゴだったァァァァァ、もう着くぞぉぉ、カウント7秒前、6、5、4、3、2、1……」



「「「「(ゼロ)」」」」


 全員が身構えたっ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ