16 ネトゲ写真部の本領発揮
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白刃のロビー>んー無理だけど、ラヴィさんもしたいの?
ラヴィアンローズ>えっ、うん
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(えっ)
ロビーちゃんが近づいて来る。そして両手を広げるから俺も……抱き合ってみた。
エルフって背が高いから、俺とあまり身長は変わらない。だからロビーさんの顔が俺の右肩に乗っかる感じで密着してる。
(声を聞きてぇ、この状態で)
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モフモフうさぎ>はぁ、はぁ、はぁ、俺の殺気を感じる? ラヴィちゃん
ラヴィアンローズ>あっモフモフさん、お願いスクリーンショット撮って! 4、5枚
白刃のロビー>こらっ♡
モフモフうさぎ>マジか〜、純正男子がここに居るのに、よりにもよって。どうなの、どんな感じ?
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そう言いながら、モフモフさんは俺とロビーさんの周りをグルグル回って、座って見上げたり斜めにしてみたり少し離れてみたりと、どうやらスクリーンショットを撮ってくれてるみたいだ。
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白刃のロビー>モフモフさん、後で私にもその写真ください
ロビーさんが俺から離れながら言った。
モフモフうさぎ>いいけど、俺は?
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声は出てないけど、ロビーさんは素敵な笑顔でモフモフさんに抱きついた。いやっ側から見ててもびっくりなはっちゃけぶり。受け止めたモフモフさんがよろめく勢いだった。
(時間が止まってるね、そこの2人。僕が素敵な写真を撮ってあげよう!)
俺はカメラで撮るポーズをしてみる。
(ちくしょー、似合いすぎてる)
いや〜ネトゲ写真部の俺としては、写真を撮るとなると手抜きが出来ない性格なんだな。
まずは美男美女が目立つように背景を芋畑に設定する。
(グヘヘへッ完璧だ)
こっち向きがモフモフさんで、抱き合ってるロビーさんは背中の方から写した。背景の左隅でちょうど芋虫が空中に跳ね上げられた、奇跡の瞬間を捉えたんだ。
(まあ、おふざけはここまでにしよう。やっぱりいい写真を撮りたくなって来たぜ。前にやってたネトゲでもいっぱいスクリーンショットを撮ってブログであげてたもんな)
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ラヴィアンローズ>もうちょっとそのままでいいかな?
モフモフうさぎ>オッケーカモンッ
白刃のロビー>変な感じ、今自分の本当の身体の感覚が全部こっちに来てるみたい。戻れるのかな?
モフモフうさぎ>幸せ……
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(聴いてねえし)
立ち位置を変えて、街を背景に1枚パチリ。
凄く近づいて、肩越しに2人の息遣いが聞こえそうな写真をパチリ。
モフモフさんが絶対喜ぶロビーさんがモフモフさんを、見上げる写真をパチリ。
最高の出来だ! とりあえず撮った写真を確認してみる。
スクリーンショットをドラムロールの「ス」で探す。
スキル
スクリーンショット
スタック
ステータス
スペル
スポーン
・
・
・
の繰り返しか。
スクリーンショットを開くと、今撮った写真が3枚一覧で表示されている。
(よしっ、ちゃんと撮れている)
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ラヴィアンローズ>次いくよー、はい動かないでね
白刃のロビー>えっ、まだですか?
モフモフうさぎ>オッケー、ラヴィ
(くっ、ロビーさんの背中に回した手で親指立ててグーとかしてるし、まぁいいか、それも撮ったし)
ラヴィアンローズ>いいよっ、そうそう
ラヴィアンローズ>はいっ、お互い見つめてっ!オッケー、いいね、いいねっ
ラヴィアンローズ>ロビーちゃん、よそ見しない、いやっ、それもいいっ
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俺はたくさん写真を撮って満足した。撮った写真はメールで2人に転送したところで、他のみんなが励んでいる芋虫クエストだが、どうせ芋虫なんか今すぐどうしようもないって事で、街の中に戻って話をする事になった。
街の外はセーフゾーンじゃないからPKの心配があるし、街の中はPK禁止だろうから安心して話が出来る。
それにロビーちゃんは街の中を見てみたいって言うから、そうだなって事で俺たちは近くに移動して来た吊り橋を渡って、期待に胸を膨らませて街に入って行ったんだ。