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15 ゲートは間近

 ハンマーボキッが先導するモンスタートレインは、その規模を膨らませてしまっていた。

 近くに居た冒険者や、他のモンスターに対してアクティブに反応するタイプのモンスターが、ことごとくモンスタートレインに釣られて集まって来ている。


「はぁっ、はぁっ、やゔぁぃ」


 大切なドロップアイテムを抱えて走る冒険者。


「頑張れっ」


 そう声を掛けて、ヒューマンよりも足の速いエルフの冒険者が先に逃げて行く。


 今やモンスタートレインに追いかけられているのはハンマーボキッだけではなく、周辺で狩りをしていた冒険者達の集まりなのであった。


 その中で、しぶとく走り続けるハンマーボキッ。


「誰がこんなにモンスターを連れて来たんだよっ、最初は2、3匹しかいなかったのに、くそっ」


 周りを走って逃げている冒険者にも聞こえる声の大きさで、ハンマーボキッが文句を言っている。



 △▽ △▽ △▽



 夜の豹のメンバーにも危険が迫って来ていた。


「おいっ、右手前方から複数体のモンスターの足音がするっ」


 ロイ・クラウンがナイトパンサーの判断を仰ぐように言った。彼らが走る方向の先には、アクエリアに繋がるゲートが設置されている。最短方向を選んで走るメンバー達だが、このまま進むとモンスターと鉢合わせになるという事だ。


「左に全速で300m走って、そこで気配を殺す。みんな頑張れっ」


 ナイトパンサーの指示を聞いたメンバーは、木々の間を進む道を選んだ。スピードは出せない、それでも出来るだけ早く進む。

 

 300m進んだ所で身を潜めて、気配を殺した夜の豹のメンバー達は、先程の右前方から来ていたモンスターの集団が、背後から迫る大きな音の方へ向かって行ったのを確認して胸を撫で下ろした。


「団長、俺達こんな木が多い所に入り込んでしまっているし、このまま出来るだけ崖の方へ移動して後ろのモンスターをやり過ごすって方向性はどうだ?」


「規模が分からないから賭けになるけど、この場所では全速で走る事は出来ない。ならばその案に乗るのが良い、みんな、ゲートに向かうのは中止だ。ここから左手の方向へ静かに、そして可能な限り速く進む。行くぞっ」


 先頭を行くのはロイ・クラウン。彼を挟む様に少し開いて、巴御前とスタンガンが進んでいる。3人はエルフだ、耳も目もヒューマンの後から付いて行く3人よりも優れている。


「いっそログアウトって言う手も有りじゃないか?」


 AZニャが小声で言った。


「この霧の谷ストレイって場所じゃログアウト出来ない。もう試したんだ、AZニャ。帰還スクロールでも無い限り、ここから離脱する事は不可能なんだよ」


 揺れる地面が不安を煽る。周りの木々の揺れてカサカサ擦れる葉の音が更に危険を漂わせて、無言になるAZニャであった。



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