12 はじめましてのご対面
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モフモフうさぎ>ロビーさんにはもう聞いたんだけど、ラヴィちゃん農家?
ラヴィアンローズ>?
(どういう事だ? ノウカ……ネカマ……3文字繋がりでもねぇよな)
モフモフうさぎ>ごめん、いきなり。説明するわ、えっとマップの座標 (-17,-487)辺り目指して来て
ラヴィアンローズ>ほーい
(なんだろうね、農家って。まあ、とりあえず行ってみるか)
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座標を見ながら行くと
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白刃のロビー>あっ来た
モフモフうさぎ>遅かったなー、また死んだのかと思ったぜ
ラヴィアンローズ>いやぁ、実はあの巴御前さんとフレ登録していたんで
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何気に自慢を挟んでみる馬鹿な俺。
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モフモフうさぎ>へえ〜、あの声の可愛い子と?
白刃のロビー>あんなのが趣味なんですか?
(んっ、ロビーさん嫉妬か?)
ラヴィアンローズ>つい、うっかり。あっそうそう、あの、じゃない、はじめまして!
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(よく考えたら、実物と会うのは初めてだっんだ。そこに居たのは、ダークエルフのイケメン男子とキラキラ光る純正エルフの美人お姉様のカップル。ヒューマンを選ぶ必要が無かったら俺もエルフ[女の子]を選んでいたはずだ、カマ必須アイテムだしな。腕を組んでうつむき加減にこちらを見ているダークエルフは、モフモフうさぎさん、両手を前で丁寧に合わせて、礼儀正しいお辞儀をしているのは白刃のロビーさんだ。茶髪でロンゲのヒューマンの俺はどう見えているんだろう?)
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ラヴィアンローズ>おーいっ
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と、俺は手を振りながら近づいていく。2人が居るのは芋掘り会場から少し離れた場所だった。
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モフモフうさぎ>来た来た、ネカマなのに手が早いとはさすがっ!
(ロビーさん今ちらっとモフモフさんのこと見たよな。というか物凄くね? アニメチックなキャラではあるけど細かい動きの再現度が、どこまでもリアルに近い)
白刃のロビー>ラヴィさん、ついに逢えましたね。よろしくお願いします!
(うっこの女キャラやっべえ。中身が男ってわかってるのに、女の子だと思えて来ちゃう。今、ゾクッとしてキュンと来た)
ラヴィアンローズ>ロビーたんって呼びそう。かわゆすぎる
モフモフうさぎ>早く声出してみたいよな、いちいち文字を読むのってなんか疲れる
白刃のロビー>でも文字の会話も打ち込んでいるわけではないから、ストレスにはなりませんね。普通に話している感覚で勝手に文字に変換されてますし
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(確かに、ブラインドタッチ不要なシステムだった。文字を読んでいなくちゃ、会話なんて耳に入って来ない状況だよ。俺ずっとエルフのロビーさんを見ていられるわ)
金髪ストレートロングでレイヤーがかかっていて、細い眉に切れ長の優しい目、淡いベージュのシャツは首元で僅かに広がり耳に赤青のイヤリングが見える。胸の膨らみは服で隠されているが、俺の目は誤魔化されない。
(すごくいいスタイルだっ。オシャレだし清楚で華もある。おしとやかに佇むその姿は、俺の理想のまんまだし)