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10 ルミワームクエスト発生

 ── 経験値


 視界の隅に表示したステータスの画面で経験値の欄を見ると、赤い字でマイナス4500って表示されていた。ついでに今のレベルを見ると


 聖騎士 レベル1


 [次のレベルまで、あと4600の経験が必要です]


 だそうだ。普通ならレベル2になるのに必要な経験値は100。だけど今の状況では、マイナス4500をまずはゼロに戻して、さらに経験値を100稼いでやっと4600の経験値がクリア出来て、レベルアップ! おめでとうっ!!!


 なんだかフツフツと怒りがこみ上げて来る。


(PKされて死んでもデスペナが発生って、それはわかるけど不満爆発だっ。レベル1の俺が経験値4500を稼ぐのにどれだけかかるんだ? チマチマやってる間に、PKされていないナイトパンツとかのレベルが先にどんどん上がっていくじゃねーか)



 ────────────────────

 ラヴィアンローズ>なんか真っ赤な数字で経験値が4500ってなってるわ。お先に真っ暗なんですけど


 モフモフうさぎ>ちっ、4500か。ラヴィちゃんは、何回死んだ?


 ラヴィアンローズ>確か3回


 モフモフうさぎ>俺の経験値って、只今マイナス6000だぜ。ウケるだろっ


 ラヴィアンローズ>えっ、マイナス6000? まじっすか


 モフモフうさぎ>おおっふ、今、俺チュートリアルの途中なんだけど、最悪だああああうおぶっ


 ラヴィアンローズ>何が? 何が?


 モフモフうさぎ>のんびりやろうぜ、みんな同じさ。まぁ、ラヴィちゃんも街のゲートをくぐったらオッサンに捕まるから、話をしてみなよ。チュートリアルのNPCだから


 ラヴィアンローズ>はーい

 ────────────────────



 言ってるそばから、俺は街に入る吊り橋を渡ってゲートをくぐった。街の外から街に入る吊り橋は、見ただけでも結構数があった。デカイ街が湖の上で時計回りに回転しているのに、街に入る為に少ない吊り橋を追いかけるなんて面倒くさいことは、しなくていいみたいだ。


 街に入ると、俺はゲートの傍に立つNPCのおっさんから衝撃のクエストを与えられた。


 ── 挨拶とかは省略



 ────────────────────

 クエスト担当NPC>まずは習うより慣れろだ。この街の南の門の外に、ルミワームという穴掘り芋虫が住み着いて繁殖しておる。まぁ5匹も退治すればおぬしのレベルも2になるだろう。まずはレベルを上げて来い、そうすれば他の事も教えてやろう

 ────────────────────



 ── レベル2になる為には、ルミワームを5匹倒せって。5匹で経験値が100になるんだから、1匹20の経験値って事か


 だがしかし、俺様は次のレベルになる為には4600の経験値が必要だと表示されている。計算すると……


 4600÷20[ルミワーム1匹分の経験値]=230 匹


 レベルを上げる為には、ルミワームを230匹倒さねばならないって事か。ついでにモフモフうさぎさんの分も計算したら、305匹も倒さねばならない!


(ルミワームを倒せ、南の門の外でって。えっと南の門ってどこよ? 今入って来た門? )


 門の外を見て俺は愕然とした。


 街の外の風景が、ゆっくりと移動していた。街が回るという事は門の位置も変わっていく事。つまり南の門というのは、ちょうど南の位置にある門の事を指すわけだ。


(このチュート使えんわぁ)


 独り言がオープンチャットに書き込まれそうになって、慌てて消しながら俺はゲートから外を眺めてみた。15m程の吊り橋の下は青く透き通った湖だ。泳ごうとしている自由なプレイヤーの姿も見える。


 アンタレスの今日は晴天、太陽が高い位置にある。


 結局、昼間の今なら太陽がある方向が南だという事。つまり、ゲート越しに太陽が見える位置が南であって、南の門となるって事だろう。太陽はまだまだ右側に見える。もうちょっと街が時計回りに回らないと、目の前の吊り橋は南側に達しない。


 ── 待てないよっ、誰も目の前に居ないし



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