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第17話:菊一文字:利刀と落ち着いた希夜:律

「ーいや、ホントにすまないお姉ちゃん…;」


「あ、うん。やっぱりタチ悪く暴走してただけだよね…?;」


「ああ、今は『希夜(あたし)』と『(わたし)』の記憶が噛み合ってるから大丈夫だ。」


「はぁ…………;」



にしても、妹の場合は『希夜(今世人格)』がメイン人格になったのか随分大人っぽくなったなぁ。

ただ、僕の呼び方は『お姉ちゃん』になったみたいだけど。



「ようキク、キヨ、落ち着いたか?」


「あ、父さん。ええ、ご心配お掛けしました、もう大丈夫ですよ。」


「悪いなお父さん、操られた直後の寝起きのせいかちょっとばかし暴走してた。今は落ち着いてるぞ。」



そう答えた希夜をジィっと見つめた父さんは納得した様にひとつ頷くと希夜の頭に手を置いてニカッと笑った。



「ま、何にせよお帰りキヨ!」


「…!ああ、ただいま、お父さん!」


「まったく〜!キクっちとキヨっちがふざけてる間に大変だったったッスよ!?」


「いや、僕達もふざけてた訳じゃないからね!?;」


「さっきから連戦だな、ジェイク。」


「おやっさん!依頼人(キリト)達の護衛ありがとな!」



贋作菊一文字達を全滅させたので皆が集まってきた。

母さんはカノンと手を繋いで来たね。



「キクお姉ちゃん!キヨお姉ちゃん!おつかれさまぁ〜!」


「うぐっ…!?」


「希夜!?」



んっ!?

カノンちゃんが笑顔で手を振ってきたのを見た希夜が鼻を押さえて蹲ったんだけど!?

慌てて僕もしゃがんで希夜の顔を見ると………あぁ…うん。



〔お姉ちゃん、カノンたん激萌えなんだが。〕


〔やっぱ間違いなく律だねこれは。〕



うん、萌え悶えてただけだねコレ。

口調こそ希夜ベースだけど性格とかは律がメインっぽいね。

そんな希夜は素早く、かつ何も無かったかの様に立ち上がるとカノンをフワリと抱きしめた。



「カノンもお疲れ様。」


「…!えへへ~♪」



うん、後ろからじゃ顔が見えないけど、アルトくんとアリスちゃんが目を白黒させ、キリトさんとレイナさんがビックリしてるのを見るに、希夜ちゃんは人目をはばからず蕩けた顔をしてるんだろうなぁ………

あ、リィンさんは相変わらずの無表情だけど希夜の顔を見た瞬間、『…え。』とか呟いてたから多分驚いてる。

あ、アリスちゃんがこっちに来た。



「…キクさん?

その…キヨさんがちょっと…いえ、かなりおかしくありませこと?」


「…うん、間違いなく性格は変わったかな。

でも変わらず僕の妹ではあるから心配はしないで。」


「…キクさんが言うなら信用しますわ。」


「ありがとね、アリスちゃん。」


「いえ。」



アリスちゃんは一応納得したらしくキリトさん達の所に戻った。

と、一息ついた所で父さんが号令をかけた。



「よし!全員引き上げだ!!街へ帰るぜ!!」






ーこれで、対ドレイク及びミュラの街の騒動に決着がついた。


が、実質的に僕も希夜も別人……

『利刀』と『律』に変わってしまった。

勿論、ジェイク父さんやステラ母さん、妹のカノンに対する家族としての親愛や敬愛は変わらない、変わらないが、確かに変わってしまったんだ。






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