第15話:菊一文字とジェイクVSドレイク
またもや不定期更新、
さて、ドレイクが話に夢中になってる所への父さんの切り込みは、しかしながら普通にいなされた。
ただ、父さんも奇襲が上手くいくとは思ってなかったのか直ぐに退いて僕の隣に戻ってくる。
そして、愛剣のグレートウォリアーを持つ右肩を解すように回しながら挑発的な、獰猛な笑顔をうかべる。
「油断してた割にはあっさり受け止めたなドレイク!
まぁ、そこは流石ギルティダンジョンの主ってか?
相変わらず欲深いこって!!」
「ぬかせジェイク……!
まさかテメェが不意打ちをしてくるたぁな…!」
「褒め言葉として受け取っとくぜぇ?」
言うが早いが再び切り込む父さん。
さて、僕も見ているだけじゃなくてやるかな。
僕は、声を殺してこっそりとドレイクの背後へ回る。
アイテム《光化学迷彩布》の効果もあってか、それともあえて無視してるのかは分からないがドレイクは気付いていない…と思う。
そして、一息に切り込む!
(通り抜けザマに一閃!)
これは《ゲームの技》じゃない。
ただの、技巧としての奇襲攻撃だ。
父さんからの攻撃と、僕の奇襲。
僕達の連携で確実にドレイクは追い詰められていく。
…奇襲・不意打ちは卑怯だって?
いやいや、戦いに卑怯も何も無い。
心の中で、そんな詭弁ともとれる言い訳をしながらも、僕は物陰からの奇襲や苦無投擲による不意打ちで父さんを援護していく。
「っ。ふぅ……中々にしぶといね。」
「全くだぜ…めんどくせぇ………
「ぐぬぬ……その女子…思ったより厄介だな……
「僕を人質にでもするつもりだったのかな?ドレイク。」
「あ?娘に手ぇ出したら………ガチで殺すぞドレイク。」
「あー怖い怖い。
全く、天下のジェイク様も嫁どころか娘ももうけたら変わったもんだねぇ!」
なんかムカつくなぁコイツの声。
てか、某英霊召喚ゲームの船乗りさんみたいな声が似合ってるのが尚更ムカつく。
…あ、思いついた。
僕は父さんに耳打ちすると、
再び影に隠れて僕は奇襲に回る。
更に先程の様に父さんがメインで攻め、僕は奇襲に徹する。
…と、隙ができたかな?
(そこだ!)
「っとぉ!掛かったな娘っ子ぉー!!」
「しまった…!」
ドレイクが父さんと鍔迫り合いになったタイミングで不意打ちに出た僕は…
しかし、あっさりドレイクに看破されて盾にされてしまう。
「はははははは!油断したな娘っ子!
良いかジェイクゥ……手ぇ出したら先ずはコイツを八つ裂きにするぜぇ……?
分かったら、武器を捨てな!」
「は?断る。」
「なっー
うん、知ってた。
捕まったのわざとだし。
構わず僕ごとドレイクを袈裟斬りにする父さん。
予想通り、相手は驚愕の顔をする。
「何故……
「誰が教えるか。」
更に、僕ごとドレイクの腹へ剣を突き立てる父さん。
と、同時に僕の身体は消失する。
「グフッ…まさか………
「【燕返し】ッ‼」
「ーーーーー。」
「そう、分身さ。」
「勝負あったな、ドレイク。」
ドレイクが倒れ、血の海に沈むと同時に隔離空間は解かれた………
うん、圧勝だね。
なんか、強敵戦で勝てたのって久々な気がするけど。
菊一文字が負けっぱなしでげんなりする、とのコメントを頂いたし、
折角覚醒したんだからここから先はなるべく勝たせてあげたいものです。
………でも菊一文字って負け系主人公路線が板についてきた気もする。




