表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/22

第9話:菊一文字とホントウノテキ

かなりかなり遅い更新…

ごめんなさい。

・・・ミーシャさんの手により浄化(?)されたキリトは、金髪デブだった姿から正にアリスちゃんの兄と言える金髪のイケメンな姿に変わった…?


そんな…キリトを見て確信した様子のミーシャさんは、アルト君とアリスちゃん、そしてリィンさんに向き直った。



「…皆さん、聞いて下さい。

【ピュアハート】の効果は、“呪いがかかる前に戻す”なんです。

それでこの方…キリトさんの姿が変わった…と言うことは、誰かがキリトさんを操っていたと思われます。」


「…にわかには信じられないな…


「…ですわね…。」


「……。」


「…そうですか…ですが、私の魔法で姿が戻ったのなら、キリトさんを操り、貴方達兄妹を争わせて、誰か得をする人物が居るのではないでしょうか…?」


「・・・・・居るとするなら、それは―――


「ミュラッ!!」




アルト君が何か言おうとした瞬間、扉が勢いよく開いて誰かが入ってきた!?

その人物を見てアルト君、アリスちゃん、リィンさんが驚きの声を上げた!



「ノワールさん?」

「レイナ義姉様!?」

「レイナ様…?」



んっ??ノワールさん??レイナさん??

多分【ノワール】が家名…なのかな。

その漆黒の艶髪をツインテールに纏め、キリッとした切れ長の紅い瞳を持つ凛とした雰囲気の女性は、アルト君達と一緒に居るボク達を警戒する様に睨み付けてきたけれど、【ブレッドファミリア】のバッヂに気付くと雰囲気を弛緩させた…?



「…無事か、アルト、アリス、リィン。」


「ああ、俺達は平気だ。」


「ですが、レイナ義姉様は何故ここに…?」


「当然、キリトを助けにきた。

だが…その様子だと既に終わっていた様だな…?」










翌日、目を覚ましたキリト…いや、キリトさんはアルト君とアリスちゃんに平謝りした…

“自分にそんなことをした記憶はない”にも関わらず。

驚きなのはボクたち8人とレイナさん以外の人は、キリトさん本人を含めてキリトさんがクズだった時の記憶が無いことだ。

それに関してはキリトさん曰く『洗脳されていた間の記憶は残らないからじゃないかな?』らしい。


本来の自分を取り戻したキリトさんは、最初に冒険者達を言いくるめて(と言うか善人化する様に改めて洗脳して)街から出ていってもらい、盗賊ギルドを呼び戻した。

どうやら盗賊さん達に婚約者(レイナ)さんを預けていたらしくて、だからレイナさんは盗賊さん達を引き連れて現れたらしい。


続いて武器屋さんや大工さん達に教会の建て直しを依頼し、神父さんを呼び戻すべく動き始め、

神父さんが戻るまでは代理をミーシャさんにしてもらう事になった。


そして、街の再建に乗り出した。


因に、その間はキリトさんからの依頼でボクたちブレッドファミリアはキリトさん達の領主のお屋敷に住まわせてもらっていた…


ボクたちももうここまで来たらトコトン付き合うつもりだったしね!!


その間に本来のキリトさんを見極めさせてもらったけれど、領主代理に相応しい手腕&善政をしいてくれて、数ヵ月であっという間に街を元に戻してくれた…!

と言うか、アルト君達が言うには前より凄くなってるとか…?


対するキリトさんは『いやいや、僕は街の方々から奪ってため込んでいたらしいお金を街に還元しただけですから…。』と言っていたけど…


それだけじゃあない。

おかしくなる前のキリトさんは、街の人達に慕われていたのが大きいんだ…

そして、街の人達には洗脳されていた間の記憶は無い。

だからこそ、殆どの街の人達はキリトさんに好意的だったんだ。

一部のおかしなキリトさんを知っている…と言うか、おかしくなってからのキリトさんに洗脳された人達はアルト君やレイナさん達に協力する、と言う形で働いてくれた…




うーん……なんだかんだで半年くらい過ぎちゃった…

まぁその間、ボクたちだって遊んでいた訳じゃない。

黒幕について調べ、対策を練って、色々と準備を進めていた。



その間に、ミュラ兄妹の関係は良くなっていった…良かった…

ご都合主義っぽくても、偽善だとしても、キリトさんを殺す事にならなくって…


因みに、キリトさんとは関係無く既に両親は他界しているらしいのでキリトさんがそのまま領主代理をする事になった。

このキリトさん、本来ならばノワール家に婿入りする話になっていたらしい。

だけど、両親が事故で他界したため、当時はまだ未成年だったアルト君が領主となるその日まで領主代理を引き受けた…

婚約者であるレイナさんの事は大好きだがミュラの街を領主不在にする訳にもいかない。

そんな正義感から行っていた領主代理を…




冒険者ギルドのギルドマスターに邪魔をされた。




ほんっっっとうにこの世界の冒険者ってのはクズだねぇ…………


以上が、今回の事件のあらましである。



ただ、ギルドマスターをしているだけあって、今回の事件の首謀者は、かなり強いらしい。

それこそ、レイナさんが盗賊さん達と一緒に何度も戦っても勝てなかった位に。

もちろん、レイナさんも盗賊さん達も弱くはない。

Lv.20の大台に乗っている。

……と言うか、レイナさんはお嬢様のわりには強くない!?;

それだけ、避難生活が過酷だった…ってことなんだろうけど…


因みに、リィンさんもLv.21と中々に高レベルだったりした。

曰く、二人の身を守る為に戦っていたらそうなっていたらしい。


・・・冒険者ギルドが送り込んでくる冒険者、そんなに強いんだ…?


でも今のボクたちなら…?


ボクもカノンちゃんも半年前の戦いや、今までの鍛練の成果でレベルが上がっている。


他の皆だって決して弱くはない。


とは言え…ギルドマスターとやらのステータスが分からない以上、安心はできない……

そもそも、この半年間大きな動きがないのが怪しすぎる………

けど、もしかしたら、ボクたちブレッドファミリアが関わった事でお父さん(ジェイクさん)お母さん(ステラさん)が出てくるのを恐れてる…?


実際、半年間もシュレイドの近くにいたらパンの移動販売に来たお父さんやお母さん、ルドルフさんと合流して、それからは皆でこのミュラに留まってくれている。

移動販売を他のメンバーに任せてまで留まってくれたんだ…

尤も、ボクたちの為と言うだけではなく、冒険者ギルドのマスターを討伐するならば、と力をかしてくれる為でもある。


お父さんが言うには、このミュラの街は冒険者ギルドにとっても重要な拠点なのだとか。

・・・シュレイドの街よりも大きく、交通の要でもあるから…とか。


確かにこの街は色々な道へ繋がっているし、壁で囲ってるしね…

とにかく、盗賊ギルドにしても重要な拠点なので、盗賊ギルド側からも正式に指名依頼が来ているらしい…






因みに、今のボクとカノンちゃんのステータスはこんな感じ。



疾風迅雷幼女【カノン】…Lv.17


武器攻撃力…【菊一文字】7794*50%


体力…903

魔力…657

力…3144

防御…2303

俊敏…353+500

技…430

運…測定不能



我が家のお稲荷様【菊一文字】…Lv.18

青属性

体力…1754

魔力…1052

力…4650

防御…1722

俊敏…465

技…587

運…2525



やっぱりレベルは上がり辛いけど、Lv.15から上がり辛くなり、Lv.20で引退する人が多いこの世界で半年間でこれだけ上がるのはかなり早い方だ。

カノンちゃんに関しても高レベルの盗賊さん達に鍛えてもらえたのだからかなり幸運だったと思う。



・・・ボク?

ボクは……………








「…行くよ…希夜(きよ)ちゃん。」


「うん、お姉様。」




実のところ寝なくても良いボクと希夜ちゃんの武具精霊コンビで真夜中に巡回してほぼ毎日冒険者共を倒していた結果、だったりする。

因みに、希夜ちゃんのステータスはこんな感じ。



【希夜一文字】…Lv.25

無属性

体力…1112

(!)魔力…2400

力…770

防御…1110

(!!)俊敏…3160

(!!!)技…4110

運…255


武器攻撃力(刀)…【希夜一文字】770*100

武器攻撃力(双銃)…【雷/電】6165*100/7270*30

武器治癒力(治癒杖)…【ホーリーロッド】5567



銃と治癒杖(ちゆじょう)に関してはボクとミーシャさんからのプレゼントである。

そして例のごとく妹の集めていたチートな装備品によりステータスが大幅に上昇している。


えっ?何でボクが銃なんか持ってるのかって??

実のところこのチートなストレージ、妹がしていたソシャゲの持ち物が全部使える事に気付いたんだよね…。



まぁ、それはともかく――



「お姉様っ。」


「いきましょうか、希夜ちゃん。」



今日も今日とて冒険者がやって来た。

レベルは……やっぱり中々に高い。

だけど―



「ボクより弱いなら負ける気はしませんッ!!【煌メキノ剣閃】ッ!!」


「アタシも負ける気はしないねぇッ!!【エアリアルバレッド】!」


「グハッ!?」


「ギャァァァ!?」



ボクは突進、希夜ちゃんは飛び上がってからの乱射で各々冒険者共を駆逐する。

高レベルの冒険者であろうと、装備品で超強化されたボクたちの敵ではない。


が、どうやらこの日は違った様だ………




「っぐぅっ!?」


「希夜ちゃん!?」


「…俺達がなにも対策をしてないと思ったか?」



追加で大量に現れる冒険者…

しかも、手には何やら銃の様なモノが…?



「お姉様…あれはヤバイ……!」


「…えっ?」


「お姉様ーーーー!!」



言われた瞬間には、もう遅かった。

脳天を撃ち抜かれたボクは、希夜ちゃんの叫び声を聞きながら意識を手放した―――




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ