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約束

 大きく見えていた木も、一面に広がっていた海も一望できる高台に、じ~さんの姿はありました。

 みーちゃんを失ってから、じ~さんはこの場所を離れることはありませんでした。


 じ~さんはすこしの草を食べ、景色を眺める毎日を過ごしました。



 草がいよいよ尽きてきたころ、新しい草が生えてきました。

 それは、みーちゃんが深い眠りについた場所でした。

「私が先に死んだら、そこから生えてくる草をじ~さんは食べてね」

 そんな言葉が聞こえたのか、じ~さんの瞳にはじんわりと涙が溜まっています。そして、ゆっくりと草を口に入れました。

 すると、どうでしょう。

 じ~さんの目は見開かれました。

 じ~さんは草を大事に何度も何度も噛みます。──その草は、じ~さんがとてもおいしいと言った、あのときの草でした。




 ゆったりとした時間が流れていました。

 ──流れていたはずでした。


 じ~さんは景色の美しさのあまりに、それとも、草のおいしさのあまりに、危険を察知できなくなっていたのでしょうか。

 じ~さんの背後には、獣が潜んでいました。



 恐怖で悲鳴をあげながらも、じ~さんは最後まで逃げようとはせず、この場所にいたのです。

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