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出会ったころのよう

 じ~さんは顔を背けました。足を止めたまま。

 その間に、みーちゃんはいつものように羊の皮を被りました。そして、クルリと振り返り、じーさんに笑顔を向けます。

「じ~さん!」

 飛びつくみーちゃん。

「こわかったよ~、なでなでして」

「うそつきは、なでなでしてあげないもん」

 シュンとするみーちゃん。

「どうせ、私はうそつきだもの」

「それなら、僕もうそつきだ」

「え?」

 じ~さんはみーちゃんをなでなでしました。

「なぁに? うそって……」

「なんでもない」

「変なじ~さん。……ねぇ、色んなところに行ったけど、じ~さんの好きな場所に行ってみたい!」

 みーちゃんのキラキラした瞳は、出会ったころのようでした。

「今から?」

「うん、今から!」

 元気な声も、出会ったころと変わらない。出会ったころと変わったことろなど、どこもないようでした。



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