表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/71

第二十一話 脆弱性

ノーマル種の突然変異…火が効かない新種…。

これだけでもお腹一杯すぎて吐きたいくらいなのに、スクリトフのやつが追い討ちをかけてきやがった。


「…今なんていった?」


「だから、新種には弾丸が効かなかったといったんだ。」


この世界の文明の力…銃が効かないチート特性をメインディッシュとばかりに詰め込まれて、完全にリバースしてしまう。


待て、もう待ってくれ、ほんとに理解が追い付かない。銃が効かない??そんな特性永遠に追いかけてくる逃げゲーのゾンビだけにしてくれねーかな!?


「そんなやつどうやって倒したんだよっ!」


銃が効かないと言うことは遠距離攻撃が聞かないと同義だ。噛まれたら…計画には傷つけられたら終了のパラウス相手に近距離攻撃を仕掛けるなんて、ナイフ一本で即死スキル持ってるゾンビの群れに飛び込むような無理ゲーだ。


「…お前、数式苦手なんだな。」


………は?食いつく俺と対照的に淡々と用件だけのべるスクリトフに、やっぱりなんかムカついてくるものがあった。なんだよその俺は全部知ってる上で落ち着いてますって態度…。


「倒し方は報告書の序盤に書いている。数式苦手で読み飛ばしただろ。」


報告書って確か結論から書いてることが多いらしい。が、俺はこの世界の数式とか難しい言語は読めないので読み飛ばしてしまった。


え、なに…この世界って倒し方を数式で表す理数系文化なのか??てかどこに書いてるんだよっ。


はぁ、と呆れたため息が頭上から降り注ぐ。言うまでもなくスクリトフだ。なんだそのバカにしたような…いやまぁ、バカだけど。とにかくムカつくため息は!


報告書に右往左往していた俺にものすごく乱雑にここだと言わんばかりに報告書を指差された。


なるほど、そこか。目を向けたが…やっぱり難しい方程式が乗ってるばかりだ。…が、そんな方程式の森のなかにポツンと言語の家が立っていた。


「……水で弱体化…?」


どうやら難しい方程式はその弱体化を数式化したもの……らしい。理解できないので憶測だが、そんな感じだろうきっと。


「体温が高熱になりすぎたために少量の水分さえ致命傷を与えられる脆弱性が生まれてしまったわけだ。」


なんでも火耐性パラウス出現時、あいつらはマグマの檻を歩いて突破してきたらしい。燃え盛りながらも体は焼失せず、弾丸も高温になりすぎた皮膚に当たった瞬間に溶ける…といういわば歩くマグマのようだったそうだ。当然そんなのが歩けば回りは燃えていくしで大惨事。


で、あわてふためいている軍人だったが、設備担当の奴が燃え広がった炎の消火活動中にパラウスごと水をぶっかけたそうだ。


するとあら不思議、パラウスの皮膚がみるみる剥がれて墨のように朽ち果てたそうだ。


「水滴ほどの水分を含ませたものでもかなり効果がある。軍人の一人がナイフに水をつけて投げたら頭に突き刺さったそうだ。」


水のないナイフでは溶けてしまうが、水滴さえついていれば攻撃できる…どころか致命傷を与えられる。


銃が効かないも聞いてとんでもない奴が出てきたと思ったが、強いのか弱いのかよくわからないアンバランスなステータスだな…。


「なるほどなぁ。新たな新種発生経路に耐性もち…そりゃ大事だ。それにしてもスクリトフはよくこんな難しいの読めるな。」


おおむね世界でどんなことが起こっているのか理解でき資料を返した。ゲームならなんかこう、資料が落ちていたりとかムービーが流れて前振り置かれるけど、現実はそうじゃないしな。もらえる情報はありがたく頂いていこう。


「俺結構勉強してるけど、その数式なんてどこにも乗ってなかったぞ。研究育成所レベルじゃね?」


研究所とは俺たちの世界で言う大学みたいなものだが、世界的位置付けは全然違う。


パラウスを研究したり、世界をより良くするための開発を行う人員を育成する場所…つまりこの世界で二番目に地位の高い「研究者」になるための施設だ。


入るためには難問の受験に論文、さらに膨大な金が必要で気軽には入れるものじゃない。


頭も必要だが金もいるため元々軍人だった奴が研究者にジョブチェンジするなんてことも良くある話らしい。


まぁ、入るには最低限ものすごく頭がよくないといけない。一応研究育成所の受験対策本や予備校的なものもあるがレベルが高すぎて俺みたいなのは入ることすらできないだろう。


俺だって中身は成人しているし最低限の知識は持ち合わせている。それこそ6歳の子供にしては天才レベルで頭はいいだろう。今からずっと勉強してれば研究育成所に入れるくらい頭はよくなるかもしれないが、好き好んであんなとんでも生物の研究なんてしたくないからパス。


まぁそんな俺からしても難しいと感じるんだからこの報告書はきっと研究者とかその関連者が書いたものだろう。ほんとどこで入手してるのやら……。


なんて疑問はすぐに解決することとなった。


「…育成所にいたからな。それは知り合いから横流ししてもらったものだ、読めないと笑われる。」


世界で一番頭のいい場所にいた…だと……。

まじでこいつ、どんなスペック持ちなんだよ……っ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ