家事
食事を終えてさぁ片付け!となると意外と難しいものだ。
原因は、俺の力のなさ。
いや、子供にしてはあるだろうが、それでも大人に比べれば全然だ。
食器などが重くてしかたがない。
片付けのために流し台のあるキッチンを覗いてみると、綺麗なシンクのキッチンと、冷蔵庫が備え付けられていた。
シンクの隣にはコンロと冷蔵庫、上に食器棚がある簡単な作りとなっている。
流し台には子供用の台が設置されていて、普段から皆で家事をこなしているようだ。
食器運びを少年陣が、洗い物を少女陣がそれぞれ担当していたが、運ぶのに三人も必要ないため、俺も洗い物を手伝うことにした。
「すごーい!バルって器用だね」
前世と同様に、洗い物をしているとシェーナに驚かれた。
普通にスポンジに洗剤をつけて洗っているだけなのだが…。
子供にしては手際がいいほうなんだろう。
そりゃ…学生時代のアルバイトで、嫌でもやったからな…皿洗い。
この家に食洗機はないのは痛いところだ。あれがあればそもそも洗い物をしなくていいし、回している間に別のことができるから、効率もいい。
単に設備としておいていないのか、存在事態がないのか謎だ…。
けど、当たり前のように、洗剤やコンロはあるんだよな。
つまりガスや電気の概念はあるってことだ。
どうやら技術的なものは、俺がいた世界と変わらない。
かといってテレビなどの電化製品があるかと言われれば、答えはNO。
部屋を見ていたが、テレビの類いは全くなかった。代わりに、ラジオがある。つまり電波を飛ばす技術はあるってことだ。
まだラジオはつけていないが、今度確認しておこう。
主な空調設備は暖炉のようで、エアコンや電気カーペットのようなものはない。
夜には稼働しているらしく、季節的には今は冬だとルリちゃんが教えてくれた。
一応、四季らしきものはあるらしいし、呼び方も同じようだ。
結論を出すと、この世界は前世に比べれば文明は若干退化している。
一瞬タイムスリップかと考えたが、俺の知る歴史の中にゾンビなんて出てこない。
似たような、しかし全く別の世界なのだろう。
その証拠に言語が全く違う。
今話している言葉だって、俺は日本語のつもりで話している。聞き取りだって日本語だ。
しかしあの本棚を見る限り日本語というもの事態無さそうだから、多分脳内で、勝手に日本語に変換されてるだけのようだ。
なんてぼんやり考えながら、洗い物をこなしていく。
大皿なんて重くて片手では持てないので、シンクに置きながら洗っているから、時間がかかる。
五人分の皿となると結構な量だが、シェーナとルリちゃんと手分けしたから、なんとか終わらすことができた。
「早く、終わったね。」
ルリちゃんも満足そうに笑っていた。可愛らしい笑顔だ。
シェーナとは違う可愛さがあるため、まだちゃん付けがとれないのは秘密だ。
クリスたちはというと、洗い物が終わるまで、おとなしくソファで待機していた。
俺たちが終わったのを確認すると、各々やりたいことをやり始める。
ラルクは一旦部屋を出るがすぐに戻ってきた。その手には本が握られ、これから読書に勤しむ模様。
クリスは終わった途端に俺のところに駆け出してきたのだが……。
なぜだろう…なんかちょっと、嫌な予感がするぞ…。




