教室戦争
毎日続く教室での戦争。
戦争といっても、ただのいじめ。
僕はそれを傍観する。
「やめて」も言わない彼女。
それを良い事に、女たちは自分たちのストレスに使う。
彼女の身体はきっと傷だらけ。
酷いときには、煙草を腕に当てられてた。
それを僕は何も言わずに、ただ見てる。
彼女は毎日、毎時間、ずぶ濡れ。
教師は見て見ぬふり。
彼女は何も言わない。
この教室はイカれてる。
そう思いながらも、僕もただ見てるだけ。
放課後、僕は職員室に行ってから帰ることになった。
職員室から教室に鞄を取りに戻れば、彼女はいた。
赤く目を腫らした彼女。
「・・・やっぱ、辛いんじゃん」
彼女の気持ちも考えず、僕は思った言葉を投げかける。
彼女は、無表情から一変し、怒りの表情に変わる。
「逆らったら、悪化する!!あんたに、私の気持ちがわかるの?!」
大声で叫ぶ彼女。
こんな彼女を誰も見たことがないだろう。
「わからないよ」
落ち着いたトーンで、僕は彼女に言う。
「なら!言わないで!そんな簡単に・・・!
親を殺す、妹を刺す、家を燃やす。
そんなことを言われて、言い返せる?!」
彼女は叫ぶ。
「きっと、奴らはできないよ」
僕は言う。
「わかんないじゃない!!!」
僕は問う。
「どうして、他人の心配ばかりするの」
「え・・・」
彼女の表情はまた、変わる。
「だって、全部家族のため。
君に被害はない。じゃあ、なんで?」
彼女は固まった表情で
「大切だからだよ」
僕は心の底から安堵した。
「あ、そう・・・なら、よかった」
彼女には、感情がないのかと思っていた。
でもあった。
なら、やることは決まり。
「さあ、作戦会議だ」
始まる、逆襲が。
「見てろよ」
夕日に向けて、奴らに言う。