ただの夢だと信じていたかったです
「ぅ…」
俺は目が覚める。
「…あれ」
辺りを見渡したが、そこはいつもと何ら変わらない自分の部屋だ。
「…はは」
俺は意味もなく笑う。そうだ、あれは夢だったんだ。
確かに良く考えると異世界なんて有り得ないし、女神なんて架空の存在だし、もし居たとしてもあんな変な理不尽女神は存在しないって信じてるし!
「良かった…」
俺はほっとして、ふと腕時計に目をやる。
ノコリ6:00:00:00?
何だこれ…壊れてんのか?ていうか桁数が狂ってるがコレは午前6時って事か?いやいやそんな事よりも。
「俺…買った事も無い腕時計なんで付けてんだ?」
俺は腕時計を外しにかかる。
「取れない…だと…!?」
腕時計はまるでアロンアルファで接着したかのように俺がどう抗おうが取れないようになっていた。
俺はあの「夢」を思い出す。
「あ…あの理不尽女神ぃいいいぃっ!!ていうか7時間じゃなかったかこれ!?いやそんなのはどうでも良いんだよ!!」
こうなったら…手は1つしか無い。
「今から寝てあの理不尽に逢ってこの話無かった事にしてやる!!つー訳でおやすみ!!」
…数分後
待てよ、何か忘れているような…
腕時計の時間は時計としての役割は無い…という事は。
俺は布団から顔を出し、スマホで時間を確かめた。
その瞬間、俺は戦慄するーーー
「うわぁぁぁぁっ!!遅刻するううぅぅああぁっ!!」