No.1_転送された!?
ずっと書いてみたかったから、やっと出来て嬉しいです♪
2作同時進行状態だけど頑張ります!
「おい君!大丈夫かい!?」
上のほうから声がする。
うっすらと目を開けるといたのは、高級そうな服を着た男の人。
なんか格好が時代錯誤な感じだけど…。
「ここは……どこ?」
「ここはメルベータ王国だよ」
え?メ…メルベータ王国?どこ?地球にそんな国は存在しないはずだけど。
「分からないのかい?」
「はい……。もう少し詳しく教えて頂けませんか?」
「ここは、マリアナ大陸の北に位置する王都、メルベータ王国。僕らがいるのは、その国境に当たる場所だ」
マリアナ大陸……なんて地球にはない。
地球にあるのは、ユーラシア大陸と北・南アメリカ大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸の6大陸。
あとはただただ海が広がってるって習ったし。
え、じゃあここはいわゆる異世界、ってことになるのかな?
な…なんで?教室で寝てたら頭が急に痛くなって……?記憶がない。もしかして気を失った?
それでこんなところにきたってわけ?おかしいでしょ…でも、それしか理由がつかない。
「かなり混乱しているようだね。僕はアベルト・コートン。君の名は?」
「広瀬 玖羽…と言います」
「ふむ…不思議な名前だな。僕は王城の使用人を派遣する役をまかされているんだ。君、お城で働く気はないかい?」
「え…?」
お城ってもしかしてあの、遠くにある絢爛豪華な……!?
「今ちょうど王子の専属メイドを探しているところなんだ。君はかなり珍しくてきれいな容姿をしているし、選ばれる可能性が高いと思うんだけど、どうかな?」
「そんな、急に言われても……」
「身寄りがないのなら、僕のところに養子として来ないかい?そしたらメイドとしての教育はもちろん、生活面の補助も出来るけど」
かなりの好条件。専属メイドは、恩返しだと思えば釣り合いも取れるし………
「……じゃあ、よろしくお願いします」
「うん、よろしく。付いておいで。我が家を案内しよう」
アベルトさんの家は豪華だった。出迎えてくれた奥さんは柔らかい雰囲気の優しそうな女性。
養子として引き取るに当たって私の名前は、ルイリア・コートンと改名された。
『玖羽』という名前はこの国ではあまりにも不自然らしいから。
そして、私のメイドになるための特訓が始まった。全てはよくしてくれる養親のために。
☆*。☆*。☆*。☆*。☆*。
私の義理の兄、ハルがいなくなってからもう3年が経つ。
3年前のあの日。ハルは携帯を忘れたと言って学校にひとりで戻ったのを最後に帰ってこなかった。
私は夕食の支度を頼まれていたからお留守番。
ハルが帰ってくるのをひたすら待ってた。
何日待っても帰ってこなくて、壊れてしまいそうになった。
もしハルに何かあったら。もしハルがこのまま帰ってこなかったら。
———兄妹なのにそんなに強く想うのはおかしいのかな?
でも、ハルのことが好きだから。
義理とはいえ、兄であるハルを好きでいちゃいけないのは分かっているけれど。
だって1回好きになってしまったら、そう簡単に気持ちをなくせないでしょう?
ねぇハル。どこにいるの?私はどうやら異世界に来てしまったみたい……。
こっからです!!(笑)