第一章 あれから50年
前作「大いなる緑(GREAT GREEN)」の続編になります。前作の執筆から43年が経過しての続編です。
私もミユキも年を取りました。ミユキの半生をご覧ください。
ミユキは飛行機事故から生還して人生が大きく変わります。
まず第一章はそのプロローグです。舞台は2032年のミユキはいったい。
西暦2032年12月10日
あれは50年前のこと。あの日から私の人生は変わってしまった。まもなく秘書が呼びに来るだろう。すべてのことがこれで終わる。
ミユキはこれまでのことを回想するように自分自身に言い聞かせた。
ミユキは、あの50年前の飛行機事故で唯一の生存者として、マスコミにも取り上げられ、時の人となった。どうやって生き延びたのか、いろいろ聞かれもしたが、ミユキは聞かれたことに答えるのみであった。史郎さんに助けられたこと、食料が尽き果てるところだったこと、そしてあの大爆発。そして、史郎さんはその犠牲になったことも。
事故調査委員会もいろいろ調査はしたのではあろうが、いつまでたっても爆発の原因について公にされることはなかった。史郎さんがいったい何をしようとしてあの大爆発が起きたのかは結局わからないままだった。
4月になり商社勤務となったが、マスコミの取材攻勢はまだまだ凄まじく、出社待機の状態になってしまった。
あの時に史郎さんが持っていた資料と、残っていたサンプルは私がひそかに持ち帰ってしまった。これを公表すればさらに大騒ぎになるだろうし、マスコミの取材も増えてしまう。ましてや、この研究が今後どうなってしまうか不安もあった。
ミユキはマスコミを避けるようにして、史郎さんが在籍していた東都大学の研究室を訪ねてみた。
当然、研究室の人たちは驚きを隠せないようだったが、とりあえず話を聞いてくれた。わかったことは、史郎さんの研究は教授も含めて理解している人はいないこと、教授は懐疑的ではあったものの自由に研究をさせていたとのこと、しかも史郎さんがミラノの学会で発表すると言っていたのは正式な報告ではなく、学会に乱入して突撃報告を企てていたということが分かった。
幸いにも史郎さんが残していた研究資料はまだ捨てられずにいたので、譲り受けることができた。
史郎さんのためにも完成させたい。そう思ってはみても、ミユキにはさっぱりわからないことばかりが書いてあり、この資料の活用には途方に暮れてしまう。
ミユキは考え抜いた末に結論を出した。
ミユキの決断とはなんなのか?
次章以降ミユキの半生を刻々と伝えます。
投稿は火曜日、金曜日の6:00に実施します。
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