第八話
私は本を閉じる。
本をもとあった位置に戻すと、私は建物の外に誰もいないかを確認した。
見たところ誰もいないようだ。
私は神楽殿から出ると、一番手がかりが掴めそうな本殿へと足を進めた。
特に何事もなく本殿へと着いた私は、早速中を探索し始めた。
分かったことは本殿にあるはずの御神体が無いことだ。
この神社で何が御神体として祀られているのかは分からないが、何かしらあるはずだ。
無いのはおかしいだろう。
不思議に思った私は近くをもう一度探したが、御神体らしきものが見つかることはなかった。
あったと言えば誰かのメモだ。
なんのことを言っているのかも分からない。
三日月から満月になっていく月は希望に満ちたパワーを持っているらしいとかなんとか。
どうしてその話が出てきたのだろうか。
これは御神体に関係があるのだろうか。
私はこのメモをポケットにしまう。
そのとき、私の視界に何やら光を反射させるものがうつった。
私はそのなにかに手を伸ばす。
それは銀でできた鍵だった。
これはどこの鍵なのだろうか。
とりあえず、私はポケットへとしまう。
この鍵はどこかで使うことになるかもしれない。
私はもう少しだけ本殿を探索すると、外に見えた建物に移動することにした。