第七話
私はもの陰に隠れながら神社の中を移動する。
今のところは鬼に見つかっても何とか逃げきれているが、これがこれからも続くとは限らない。
そのため、そもそも見つからないようにしなければいけないと考えた。
そのとき、遠くからかすかに物音が聞こえた気がした。
その物音の正体が鬼なのではと姿を見てもいないのに感じた私は、傍にあった建物に入り込んだ。
この場所は神楽殿というらしい。
建物にはいる際に文字が刻まれているのが見えた。
私は神楽殿の中を見渡す。
そこで床に何かが落ちていることに気がついた。
そばまで行ってよく見ると、それは誇りをかぶった、紙もボロボロの本だった。
私はその本を手に取る。
ページを開くと、そこには鳥居について書かれていた。
しかし、虫に食われたのか所々文字がかけている。
とりあえず読めるところを読んでみた。
内容を要約するとこうだ。
まずこの神社はこの世のものでは無いらしい。
まあ鬼がいる時点でそれは何となく察していた。
この世界に鬼なんて架空の生き物が存在するはずがない。
次に鳥居はこの世と別世界を繋げるゲートみたいなものらしいということ。
そのためか鳥居は常時出現している訳ではなく、特定の何かがあることで出現するのだという。
その何かは文字がかけていて読むことが出来なかった。