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第六話
鬼から逃げることに必死になっていたからか、今どこにいるのかが分からない。
やっと目印になりそうなものを見つけたとおもったが、また別の場所へと移動してきてしまった。
もう一度、目印になりそうなものを探すしかないようだ。
私は周りを見渡した。
そもそもだが、この神社に地図はあるのだろうか。
無いのなら目印を探そうと意味が無いように思えた。
それにしても、これだけ走り回っていて鳥居を見かけないのはおかしい。
本殿まで行く際、鳥居の近くで戌の像を見た記憶があった。
だからここに来るまでに鳥居を見ていてもおかしくないのだ。
もしかしたら、今鳥居は無くなっているのかもしれない。
唯一の出口と言ってもいい鳥居。
何かをしない限り鳥居が現れることは無いのだろう。
私は鳥居を出現させるための手がかりを探してみることにした。