第四話
次に目を覚ました時、傍に置かれている時計の針は午前の二時をさしていた。
まだ夜が開けていないことに驚きだった。
外はまだまだくらい時間帯。
パッチリと目が覚めていた私は、障子を開けると、夜空を見上げた。
美しく輝く星たち。
そのはずだった。
視界がぐにゃりと曲がったと思うと、元に戻った時にはそこに輝く星はなかった。
月は真っ赤に染っている。
そういえば昨日は新月だったな。
こんな色の三日月を見たのは初めてだった。
嫌な予感がした私は宿坊を飛び出して神主の所に向かった。
神主さんといれば何かあっても大丈夫だろうと思ったからだ。
神主が居そうな場所を探した。
人影が目に入った時、私は神主さんだと感じた。
視線を影の先まで移した時、私は酷く後悔した。
そこにいたのは神主ではなく、顔に青色の鬼の仮面をつけている白髪の男だった。。
仮面のせいで表情はわからない。
片手には鋭い刀。
私は本能で逃げないと命は無いと感じた。
足が勝手に動く。
脳の整理が追いついた時には、もう私の後ろに鬼の姿はなかった。
一旦逃げ切ることに成功したらしい。
しかし安心はしていられない。
私はこの神社から脱出するために行動することにした。